漫画笑顔と七福神信仰

目を閉じて笑うマンガ特有の笑顔を現す記号について。 他にも必要な情報があれば自由に編集してください
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しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

まぶたを閉じた満面の笑みというのは漫画やアニメで多用される表現であるが、海外では通用せず、外人は違和感を感じることが多いという

2017-01-06 21:35:27
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

基本的に目を細めるというのは相手を警戒してるサインであり、笑うときにする仕草ではない

2017-01-06 21:35:58
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

だが実際には目を細めて笑う場合が存在する。それは老人と赤ん坊である

2017-01-06 21:36:12
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

赤ん坊が目を細めて笑うのは表情がまだうまくコントロールできないからであり、老人が目を細めて笑うのはまぶたを支える筋肉が衰えてくるからである。歳を取ると通常状態でも目が細くなっていくわけだ

2017-01-06 21:36:25
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

そして目が細くなった老人が笑うと頬の皮膚に引っ張られてより目が細まると

2017-01-06 21:36:37
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

赤ん坊を神聖視する考え方は東洋にも西洋にも存在するのでとりあえずこれについては重視しないほうがいいかと

2017-01-06 21:36:49
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

老人を崇拝する考え方はいうなれば儒教思想であり、つまり西洋よりも東洋の方に強く根付いている価値観だと言えるだろう

2017-01-06 21:37:04
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

つまり儒教思想の影響下にある文化なら笑顔の基準が老人のものになってもおかしくはないということ

2017-01-06 21:37:15
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

もちろん子供の笑顔を描くときに幼さを強調するために赤ん坊みたいに描くという考え方もある。日本の漫画が子供文化にて大きく発展した以上はこういう考え方も否定できない

2017-01-06 21:37:27
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

ここで少し別の方向から考えてみると、日本には昔からえびす顔という言葉がある。つまり七福神の恵比寿のような笑顔という意味であり、これもまた老人の目を細める笑顔ということになる

2017-01-06 21:37:42
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

大雑把に調べてみると江戸時代においての七福神は通常顔でも細目で描かれる場合とそうでない場合があったようだ。ただ細目で描かれる場合は七福神全員が細目である場合が多く、老人だけが細目で描かれた例や笑顔だけが細目という事例があったどうかはわからない

2017-01-06 21:37:54
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

ただ七福神の恵比寿は福の神として、大黒は商売の神として商人が絵や置物を縁起物として飾る事例があり、その場合はどちらも老人の目を細めた笑顔である場合が多い

2017-01-06 21:38:26
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

つまり恵比寿や大黒の目を細める笑顔を見慣れている人も多かったことになる

2017-01-06 21:38:37
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

そこから考えると七福神の笑顔こそが至上の笑みと捉えている人も結構いたのではないだろうか。七福神信仰から漫画笑顔が生まれたという可能性も十分に考えられる

2017-01-06 21:38:53
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

個人的には漫画笑顔の由来は儒教思想よりは七福神信仰の方を仮説として推していきたい

2017-01-06 21:39:07
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

ついでに漫画笑顔の事例についてちょっと調べてみた。(元々目を閉じて笑う老人や赤ん坊は除外)

2017-01-06 21:39:21
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

まずは漫画雑誌博物館シリーズを図書館で閲覧してみると

2017-01-06 21:39:32
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

團團珍聞(まるまるちんぶん)明治17年1月19日号ががとりあえず最初の漫画笑顔となった。版画のような独特の画であるが中央の女性は漫画笑顔と解釈するしかないだろう。 pic.twitter.com/BE5mXSJD5J

2017-01-06 21:44:07
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しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

もちろん漫画雑誌博物館シリーズは全ての作品が掲載されているわけではないので、これが初出とは限らない。ただ明治時代にはすでに笑顔の記号として使う人もいたということになる。

2017-01-06 21:44:19
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

次に團團珍聞明治28年2月9日号。こちらはよりはっきり分かる形での漫画笑顔である。下側で團團珍聞1000号記念を喜ぶ人のうちの何人かは明らかに漫画笑顔をしている。 pic.twitter.com/snoehYyOO5

2017-01-06 21:45:12
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しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

また同じく團團珍聞明治28年5月11日号。下の段の女性は他人を警戒しているというよりは男にしがみついて笑顔を浮かべているようにみえる。 pic.twitter.com/bWfXaeiCzI

2017-01-06 21:46:04
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しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

團團珍聞は主に週刊の戯画入り時局風刺雑誌らしいが、雑誌の発売日が1ヶ月前倒しになるのは大正元年あたりかららしいので、この時代では日付と発売日はほぼ一致していると考えられる。

2017-01-06 21:46:27
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

それ以降も漫画笑顔はちょくちょく出てくるのだが幾つか拾い上げてみると

2017-01-06 21:46:38
しめすへん@ネ人造人間 @shimesuhen

漫画雑誌博物館の「③上等ポンチ」か「④滑稽界」か「⑤東京パック明治時代編」なのか失念してしまったが、明治39年8月15日号。下の段の広告部分のオルガンを弾いている女性が笑っているようにみえる。 pic.twitter.com/z0MHMdHdrx

2017-01-06 21:47:56
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