秘密結社ゼディススピンオフ的なもの「オタマVSウェザレフ」その3

Celin(セリン)さんがブログで公開しているお話「秘密結社ゼディス」の「Episode07-お前と甘い焼菓子の事を聞いた 04」後のお話を描いたものです
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たゆさい @tayusai

ソニックブームが巻き起こり、木々が次々と打ち倒されていく!この勢いで迫るウェザレフに対しオタマは未だ動かない!何故避けぬ!?このままではオタマはウェザレフの虚界と激突し、そのマジカはウェザレフに奪われ勝負は決してしまうぞ!どうしたというのだ!?

2017-01-07 12:32:45
たゆさい @tayusai

「ぬうううらああああ!」オタマが吼えた!そして右手に杖を構え、左足を前に突き出し、左掌を広げ前方に向ける。この異様な構えを取り一切回避を行おうとせずウェザレフのこの突進に備える!そして、ウェザレフの虚界が遂にオタマと激突した!

2017-01-07 12:39:08
たゆさい @tayusai

オタマは左手から超高密度のシールドを展開して虚界を受け止めた。その瞬間に手達がオタマの全身を包み込み、彼女のマジカを奪い取ろうとした。

2017-01-07 12:41:56
たゆさい @tayusai

だが、まだだ。まだ猶予がある!天文学的な短さの刹那ではあるが、虚界がオタマのマジカを奪うには僅かに時間が残されていた。そしてこの時間をオタマは逃さなかった。オタマは右手に構えた杖を超速度で虚界に突き刺した。そして、杖先端からウェザレフ目掛けマジカ弾を発射した。

2017-01-07 12:43:48
たゆさい @tayusai

巨大な爆発が発生した!木々は一気に吹き飛び、地面がめくれ上がった。「あぁ…くぁ…!」フィアはこの爆発の衝撃波に耐えるしかなかった。テティス、セリンも同様だ。この戦いはどうなったというのか?

2017-01-07 12:50:17
たゆさい @tayusai

爆心地に立っているのはただ一人。もう一人は倒れたまま動かない。フィアは狩人特有の眼で何とかそれを確認した。「確認しに行こう」セリンがそう答えると同時に3人は爆心地へ近づいた。そこで立っていたのは…

2017-01-07 12:52:34
たゆさい @tayusai

「はぁ…はぁ…はぁ」未だオーラを出し続けるオタマだ。ウェザレフはオタマの後ろでうつ伏せに倒れている。「ウェズちゃん!」フィアはウェザレフに駆け寄る。ウェザレフは辛うじて生きている。だが胸に大きな傷がある。直ちに手当てしなければ危険な状態だ

2017-01-07 12:55:03
たゆさい @tayusai

「おい」ウェザレフを抱くフィアの後ろから怪物の声がした。フィアは後ろを振り返る。そこにいたのはマジカの怪物。おどろおどろしいマジカを放ちながら人の形をしたそのモノはぞっとするような声でフィアに言った。「そいつをよこせ」フィアは懐からナイフを取り、それをオタマに投げつける

2017-01-07 12:57:14
たゆさい @tayusai

ナイフはオタマの胸に刺さる。だがそれはオタマの筋肉の力のみで勝手に抜け落ちる。傷が一瞬で塞がる。「そいつはエイリアスの所に送る。邪魔するなら殺す」オタマが一歩、フィアに向かい踏み出す。

2017-01-07 13:00:14
たゆさい @tayusai

フィアは複数のナイフを産み出し、それを自身の前方に展開させる。だが無駄であろう。このバケモノに通用するものではない。「早くよこせ。それとも死にたいのか?」もう一歩、オタマは前進する。フィアは死を覚悟し、目を瞑った。オタマは掌にマジカを込めた。そしてフィアの首を千切ろうとする

2017-01-07 13:03:10
たゆさい @tayusai

「はあ!」その瞬間、オタマでさえ対応できぬほどの速度で一振りの剣がフィアにマジカ弾を放とうとしたオタマの腕を切断した!セリンだ!「ぬぁ!」オタマ腕の断面から血を流しつつもう片方の手に持つ杖をセリンに突き刺そうとした!セリンは剣を杖をぶつけ、射線から強引にずらした!

2017-01-07 13:09:07
たゆさい @tayusai

「逃げろ!早く!」セリンがフィアに向かい怒鳴った!「は、はい!」フィアはウェザレフを抱え全力で走った。「逃がすか!」オタマがそれを追いかけようとするがその背後からテティスが出現、麻痺魔法をオタマに当てようとする!「ちぃ!」オタマ、マジカ神経でそれを回避!だがフィアに逃げられた

2017-01-07 13:11:51
たゆさい @tayusai

「さて、君の目的は達成した筈だ。オタマ」セリンはオタマの眼前に剣先を突きつけた。「君の目的はあくまでウェザレフへのリベンジだろう。これ以上戦う必要はもう無いはずだ」オタマはセリンを睨みつける。だがセリンは全く動じない。テティスは再び身を隠している

2017-01-07 13:16:42
たゆさい @tayusai

このセリンという男は尋常ではない。おそらく身に着けた多数の付呪の影響だろう驚くべき力を発揮している。オタマでも反応できない程の速度で動けるのがその証拠。そして彼を相手しながら存在を感知できないテティスと戦うのも分が悪い。「……ぬぅ、仕方無いわね」オタマは肩を落とした。

2017-01-07 13:20:13
たゆさい @tayusai

「諦めてくれるか?」セリンは問うた。「ああ、諦めるよ。さすがに今のあんたとそこの消える女を同時に相手するのはあたしでもキツいからね。それに腕もこのザマじゃなぁ」オタマは切断された左腕を見て言った。その断面からはもぞもぞと新たな手が生えようとしている

2017-01-07 13:22:26
たゆさい @tayusai

「はあ…まあ良かったわ。これで胸の中の大きなわだかまりってヤツが綺麗さっぱり取れたわよ。エイリアスに言われた事もあくまでおまけみたいなものだしさ。ま、これであの子も分かったでしょうよ。挑発する相手は選んだ方がいいってさ」生えていく新たな手の指をつんつんしながらオタマは言った

2017-01-07 13:25:32
たゆさい @tayusai

「分かった。彼女には良く言っておくとしよう」セリンは剣を鞘に納めつつ言った。「それにしても全く君は面倒な女だ。敵にはしたくないな」「でしょ。でもまたいつかどこかでも酒でも飲みましょうや。そこで魔法談義でもしましょう」オタマはそう言い残して、二人の前から去っていった。 おわり

2017-01-07 13:34:12