茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1996回「新しさを目指しても、身体性により連続性は保証されている」
脳科学者・茂木健一郎さんの1月12日の連続ツイート。
本日は、感想です。
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茂木健一郎
@kenichiromogi
創造性を発揮するためには、思い切って新しいことをしなければならない。夏目漱石は生涯にわたって異なるスタイルで小説を書き続けた。一つのやり方で成功したからといって、それを繰り返しはしなかった。
2017-01-12 07:10:39
茂木健一郎
@kenichiromogi
今、思い切り新しいことにジャンプしようとするとする。その際、ジャンプの足元の土台になるのは結局今までの経験である。だから、全く今までにないところにジャンプしようとしても、結局、これまでの経験を引きずることになる。
2017-01-12 07:11:34
茂木健一郎
@kenichiromogi
これから、今まで誰もやったことがない踊りをしてください、と言われて手足を動かしても、その一連の動きの中には必ずその人が今まで見て経験して自ら踊った動きの要素が入っていることだろう。でたらめの文章を書いてくださいと言われて書いても、必ず過去の読書体験や会話が投影される。
2017-01-12 07:12:32
茂木健一郎
@kenichiromogi
つまり、過去の経験との連続性は、私たちの記憶や身体性によってどうせ保証されるのであるから、創造性における新しさは、この世界に今までなかった新元素のごとき画期的な新しさを目指しても良い、ということになる。
2017-01-12 07:13:22
茂木健一郎
@kenichiromogi
ストラヴィンスキーの『春の祭典』は初演時大スキャンダルになって、それくらい「新しい」ものだったわけだが、注意深く聴けば、それまでの古典音楽との連続性がある。ストラヴィンスキー自身の経験がある以上、当然のことである。
2017-01-12 07:14:28
茂木健一郎
@kenichiromogi
太陽の下新しいものはないと言うが、画期的に新しいものを目指しても、結局は身体性や記憶を通して連続性は保証されているのだとしたら、その分安心して新しさを目指してみてはどうだろう。もちろん、それはランダムではない。
2017-01-12 07:15:48