メディアが報道しない本当のシリア・中東シリア・化学兵器の真相⑷Whose sarin?Seymour M. Hersh/London Review of Books, 19 December 2013 (3/3)

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@taiyonoibiki ⑫それと並行して反政府武装組織に対するオバマの支援強化政策の決定が発表された。メディアはそれを大々的に報道したが、そこには再び具体的な証拠や情報出所の提示が欠けていた。

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@taiyonoibiki ⑬化学分析の結果としてホワイトハウスが発表した情報は、神経ガス陽性反応がどこでどのように犠牲者に作用したか、誰が散布したのか具体的な内容を全く含んでいなかった。

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@taiyonoibiki ⑭それにもかかわらず政府は「我々は、シリア国内の反政府勢力がサリン使用したことを示すいかなる信頼に足る裏付けを持たない。（したがってシリア政府の犯行である）」と発表した。それは、情報コミュニティが入手していた証拠類と根本的に矛盾していた。

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@taiyonoibiki ⑮「実は5月末までにCIAは、スンニー派過激派ヌスラ戦線とイラクのアルカイダ(AQI)にサリン製造能力があるという事実をオバマに警告していたのです」と、あるホワイトハウス高級情報顧問は語った。

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@taiyonoibiki ⑯「そしてその頃グータ地区を含むマスカス付近でヌスラ戦線が盛んに活動していたことが確かめられていました」と彼は言った。

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@taiyonoibiki ⑰夏半ばまでにCIAは、かつてサダム・フセインの元で化学兵器の専門家とした恐れられたザイヤード・タリク・アハメドがその後シリア反政府武装勢力に移り、現在東グータ地区で活動しているという集中調査レポートを提出していたと言う。

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@taiyonoibiki ⑱8月21日の事件発生時点でCIAはその情報を掴んでいたと、その顧問は言った。

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@taiyonoibiki ⑲タリクはイラクでマスタードガス使用した経歴を持ち、現在はヌスラ戦線に所属してサリンの製造と使用を指揮しており、アメリカ軍が最も危険なテロリストに指定している人物であると、彼は言った。

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@taiyonoibiki ⑳6月20日には、ヌスラ戦線のサリン製造・使用能力についての4ページの要約機密電報がDIA(防衛情報局)副局長デヴィッド・R・シェッドへ転送されていたとその顧問は言った。「それは大規模で包括的な作戦報告書の要約でした。

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@taiyonoibiki ㉑それはたんなる推測ではなく、3月と4月に起きた一連のサリン事件の犯行責任の所在についての言及はないものの、ヌスラ戦線がサリン製造・使用能力を持つと言う前報告書をしっかりと裏付ける内容になっていました。

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@taiyonoibiki ㉒しかし、現場で回収されたサリンをイスラエル軍の協力を受けて分析した結果について電報には一切記載がありませんでした」と顧問は語った。

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@taiyonoibiki ㉓「総合参謀本部は、シリア政府所有の貯蔵化学兵器壊滅を目的とした作戦を検討していました。アメリカ軍地上部隊をシリア内に侵攻させた場合に考えられる潜在的脅威の分析を(※)オール-ソース・アナリシスに依頼したのです。

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@taiyonoibiki ㉔地上部隊をシリアに侵攻させる場合、シリア政府の化学兵器貯蔵施設が反政府武装組織の手に落ちるのを絶対に避けなければなりません。テロリストが占拠する前に、こちらが完全に押さえてしまわなければならないのです。

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@taiyonoibiki ㉕イスラム過激派が貯蔵施設を狙っている危険をアサド政権が理解しているのであれば、我々の地上侵攻をアサドが阻むことはないだろう。なぜなら、侵攻は我々が化学兵器をテロリストの手から保護することを意味しているからだと楽観的に考えていました。

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@taiyonoibiki ㉖さらに、作戦命令書には潜在的脅威をカバーする十分な項目がある。我々にはCIA技術分析官がいる。DIA(防衛情報局)の武器専門家がいる。

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@taiyonoibiki ㉗それに問題解決のためのI&W(Indication & Warnings)の専門職員もいる。…しかしながら、アメリカ軍に対してヌスラ線がサリン攻撃を仕掛けてくる可能性が高い。なぜなら、彼らはすでにその殺人兵器を自家薬籠中の物にしているからだ。

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@taiyonoibiki ㉘この結論に至る過程で、反政府武装組織の意図や技術的能力に加えて、通信情報と人的情報の両方が試されました。」と顧問は語った。

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@taiyonoibiki ㉙実を言うとその夏を通して、＜反政府武装組織に対する非軍事物資支援＞というオバマ決定と侵攻するアメリカ軍地上部隊を標的にした化学兵器の脅威という二つの矛盾に挟まれて、総合参謀本部は苦しみ続けていたのだった。

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@taiyonoibiki ㉚それが一方で火に油を注ぎ、また一方でその火の中にアメリカの軍隊を投げ込むことを意味していたからだった。

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@taiyonoibiki ㉛7月の上院武器支給委員会の公聴会で、総合参謀本部委員長マーティン・デンプシー将軍はシリア全土に分散している化学兵器及び数百の戦闘機・軍事飛行機、軍艦、潜水艦、その他の戦闘能力を完全に破壊するためには、

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@taiyonoibiki ㉜数千の特殊作戦部隊と地上部隊を派遣しなければならないだろうと言う、陰鬱極まる証言をした。ペンタゴンの見積もりによると、派遣に必要な部隊数は約7万、しかもこれとは別にシリア政府軍のロケット部隊を抑えるための特殊戦力を派遣する必要があるのだった。

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@taiyonoibiki ㉝その他に、大量の化学物質を処理する為の費用も考えておかなければならなかった（もっともこちらは反政府武装組織にとってそれほど価値のあるものとはみなされないと見積もられたが）。

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@taiyonoibiki ㉞シリア政府軍の全軍事力を破壊する作戦は、予期せぬ結果へと我々を導いていく恐れがあると、カール・レヴィン上院議員に宛てた手紙の中でデンプシーは警告することを忘れなかった。 「我々は過去数十年で様々な教訓を学んだはずだ。

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@taiyonoibiki ㉟しかしながら、実際に機能している一つの国家を維持するために本当は何が必要なのかを真剣に考えることなしに、単純に軍事バランスに変更を加えることが果たして妥当なのか。

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@taiyonoibiki ㊱責任あるしっかりとした政権の受け皿がない状態で、一つの政権を打倒することが許されていいのだろうか？