脚本家・池端俊策 講演会「ドラマ『夏目漱石の妻』を語る」レポート
昔脚本の勉強をする為に深作欣二監督についていた頃、何を読めばいいか聞いた際に夏目漱石を読むべきと言われたことがあった。自分が大病をした時に病室で作品を読んで面白いと思った経験もあり、夏目漱石には思い入れがあった。
2017-01-15 01:35:00漱石役は最初豊川さんや元木さんの名前が挙がっていたが都合が合わなかったりと色々あり、プロデューサーから長谷川博己さんはどうかと提案があった。 最初は知らなかったが蜷川さんの所で鍛えられているから演技は大丈夫ですと言われたのと、尾野さんがいれば問題なかったので決まった。
2017-01-15 01:35:34本読みで宜しくお願いしますと挨拶をした時に大きくて驚いた。 漱石な身体的なコンプレックスがあった為最初は違うと思いそれを伝えた所、僕じゃだめですかと顔色を変えてしまったので逆に新しくていいんじゃないですかと誤魔化したが、始まってみると他にはいなかったと思うほど素晴らしかった。
2017-01-15 01:35:41現場に行った時、最初に挨拶をしたきりずっと黙って座っていたので具合が悪いのか聞いてしまった。 すると漱石ですから、と。そういう風にしか役作りができないんですと言っていて、朝から一日中ずっと漱石でいる人だった。
2017-01-15 01:35:47尾野さんも長谷川さんも現場で台本は持っていなかった。尾野さんはその日の分だけ覚えたとのこと。長谷川さんには脚本の催促をされた。その時は3話まで出来ていて、そこまであれば十分だろうと思ったが最後から逆算して役作りをしたいと言われた。
2017-01-15 01:35:57そんな事をするのかと驚く尾野さんと普通そうじゃないんですかと言う長谷川さんを見て漱石夫妻の関係性にぴったりでこのドラマはうまくいくと思った。 漱石夫妻はいわゆる核家族のはしりだという話をしたところ尾野さんはよくわからない、長谷川さんははいわかります、と言ってくれた。
2017-01-15 01:36:15修善寺で着物に降りかかった大量の血は漱石のために人をきらざるをえなかった鏡子が浴びた返り血を表していた。 最終話のたたかう夫婦、というのはお互いと戦っていく、という意味。
2017-01-15 01:36:31おのまちさんがパタパタと涙を流す迫真の演技をやりきった後に「後ろの庭で吹いている風の音が物足りなかったからもう一度やりましょう」という演出さんの話が鬼畜すぎてwこだわりがすごい…
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