渋谷課長①【危険人物】

渋谷課長のお話まとめました
1
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ②⑥】 ちょっと姿が見たくて そんな風にしてしまう 経理部に行くとおったのは 香澄ちゃん 『あ、渋谷さん、お疲れ様でーす』 「なぁ、お前さ、前から気になってたんやけど…その話し方どうにかならんのか?」 『えー?可愛くないですか?』

2016-09-21 23:52:55
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ②⑦】 「可愛いないな。第一大倉やってもう結婚するんやし、結局そういうことやろ。あ、俺ももうお前の番号消したから」 何か言いたげな香澄ちゃんを残して 経理部をでる マーケティング部をチラッと覗いたけど彼女はおらんくて エレベーターを待つ

2016-09-21 23:52:57
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ②⑧】 開いたエレベーターから出てきたのは彼女 『お疲れ様です』 「お疲れ」 『あの、金曜日、楽しみにしてます』 「おお、食べたいもん考えといてな」 久しぶりに見る彼女は あの時と違って顔色も良くて 爽やかな笑顔やった それをみてこっちも笑顔になる

2016-09-21 23:52:58
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ②⑨】 認めたくないけど 俺 恋してるんやなー pic.twitter.com/x3v4ot60UH

2016-09-21 23:53:05
拡大
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⓪】 待ちに待った金曜日 定時きっちりにパソコンの電源を切る 「お先に〜」 まだ仕事してるやつらを背に俺は早々に会社を出て 待ち合わせ場所に向かう 何食べたいって言うんやろか イタリアンならあの店で フレンチならあそこやな 何て考えて待つ

2016-10-14 02:30:21
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③①】 『遅くなってすみません』 ちょっと小走りでやってきた彼女 「いや。走らんでもよかったのに。俺も今来た所やし」 『ありがとございます』 「それより、何食べたいか決めた?」 『はい!食べたい物があって!』 「え?そんなんでええの?」 彼女のリクエストに驚く

2016-10-14 02:30:23
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③②】 『ん!美味しいです!』 嬉しそうな顔の彼女 「ほんまにこんなんでええの?」 『はい。嬉しいです』 目の前には魚介類が並んでて ガスコンロの上で焼かれた貝がパチパチ言うてる 慣れた手つきで焼いてく彼女 「好きなん?」 『はい!地元が漁師町で』

2016-10-14 02:30:24
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③③】 聞いたら結構な地方で 『毎日魚食べてて。でも東京に来て築地とかありますけど1人で行く勇気もなくて。お店もわからなくて…すみません…』 「謝る事ない。俺の知ってるんこんな所やし逆にええんか」 『すごく美味しいです!渋谷さん。このホタテ食べれますよ」

2016-10-14 02:30:26
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③④】 幸せそうに食べる彼女 流石に魚の食べ方も綺麗で そんな姿が見られただけで 変に気張るイタリアンやフレンチよりよっぽど良かった あの日停電した時はほとんど表情見れんかったけど 目をキラキラさせてて 俺とは違って純粋なんやなって思う

2016-10-14 02:30:29
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⑤】 毎週末には女と飲んで その辺のホテルで… なんて そんなこと話したら幻滅されんねんやろな… 地元の話や父親のことを色々聞いた 「お父さんは今も現役なん?」 一瞬曇った表情 手にしたお酒を見つめながら 『死にました…』 そうポツリと呟いた

2016-10-14 02:30:32
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⑥】 「すまん」 『渋谷さんは悪くないです。すみません』 次の瞬間にはもう笑顔の彼女 「無理して笑うな」 『無理はしてません…』 「してるやん」 ついムキになってしまった俺 またお酒を見つめながら話し出した彼女

2016-10-14 02:30:33
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⑦】 『海に出てる時に急な天候の変化で海が荒れて。仲間の船が動かなくなって。それを助けてる最中に大波が来て…』 それから 暗闇がトラウマになったと言った彼女 暗闇でお父さんを求めてしまうと… 『あの時、渋谷さんが居てくれて本当に助かりました』

2016-10-14 02:30:35
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⑧】 「いくらでも助けたる」 『じゃあもしもの時は渋谷さんを呼びますね』 何て言うから 俺しか頼るな 何て思って 言葉に出来ずに 日本酒と共に飲み込んだ…

2016-10-14 02:30:36
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ③⑨】 月曜日 「あれ?お前早ない?」 「え?あぁー。外回りの前に資料の確認をな」 「そうか」 「村上こそ早いやんけ」 「まぁな。いつ呼び出されてもええようにな。あ、そん時は頼むわ」 「おお」 週明けいつもギリギリな俺が 1時間以上早く出社した

2016-10-19 00:27:53
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⓪】 あの日の帰り 「同じ方向やん」 彼女の家は同じ沿線で 会社からは俺の2つ手前の駅やった 「でも会ったことないな」 『満員電車が無理で早く出社してて』 「なるほどな」 満員電車に押しつぶされてる彼女を想像して思わずちょっと笑ってしまった

2016-10-19 00:27:56
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④①】 『渋谷さんって笑うんですね』 「え?」 『色んな人が渋谷さんは危険だって…』 「この前も言うてたけど、何やねんそれ」 『女の子に手を出すのが早いって…』 誰やねん そんなこと彼女に吹き込んだん 「手え出すんが早いって言うか…」

2016-10-19 00:27:58
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④②】 『ふふふ。若気の至りですか?』 「せやな…」 若気の至りって言うても この前までの話で ほんまやったら このままホテルに行ってるところを 駅に向かう道を歩く 少し離れた距離がもどかしくて 電車に乗っても揺れてもぶつからない距離が保たれてる

2016-10-19 00:28:00
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④③】 何度も手が伸びそうなのを我慢して 『今日はありがとうございました。また良いお店教えてください』 「お、ってことはまた誘ってええの?」 『はい。ぜひお願いします』 “おやすみなさい” そう言って降りて行った彼女 見てたけど一度も振り向くことなく歩いて行って

2016-10-19 00:28:02
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④④】 それだけでちょっと落ち込んでしまったけど 帰る頃に “今日はありがとうございました” って改めて連絡が来てて それだけで浮かれてしまう 「俺も結婚したいな」 「はぁ?!」 思わず口に出してしまって 村上が驚く 「や、何もない。忘れろ」

2016-10-19 00:28:04
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⑤】 「や、忘れられんやろ!聞かせろや!」 「ほんまただそろそろせんとなって思っただけやわ」 更に追求しようとする村上を無視して仕事をする 「おはようございますって渋谷さん早ないすか?」 「ほんまや!おはようございます」 丸山や大倉が入ってきて騒がしくなる

2016-10-19 00:28:07
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⑥】 ちらっとみた村上は納得してへん顔やけど 偶然に会えたらいいって 頑張ってはみたものの 何号車かもわからず 結局会えへんかったなんて 口が裂けても言えるか それから俺は毎日 早起きするようになった

2016-10-19 00:28:09
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⑦】 毎日乗る車両変えてるんとちゃうやろかって思うくらいに出会わない… 4日目にひてようやくホームを降りたら彼女を見つけて 数メートル先を歩く彼女に 改札を出た後に追いつく 「おはようさん」 『渋谷さん。おはようございます。あ、この前はありがとうございました』

2016-11-02 00:19:36
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⑧】 「いや、ええよ。また行こうや」 『はい。是非!』 「どこでも案内するで」 『本当ですかー。まだうろうろできなくて家の近くを覚えたくらいです』 「そうなん?じゃあ観光とかしてへんの?」 『二本の大きな塔は真下から見ただけです。それだけは最初に行ったんです』

2016-11-02 00:19:38
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ④⑨】 そこに行くのも迷って 上に登るにも 人の多さに驚いて それだけで疲れてしまったらしい 「じゃあ今度、東京観光とかしてみる?」 『良いですね!やってみたいです!』 「おっしゃ。なら決まりな」 『ありがとうございます!わぁ、やったー』 本気で喜んでくれる彼女

2016-11-02 00:19:40
クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【危険人物 ⑤⓪】 会社まで10分足らずの道のりはあっという間で もう少し話していたいのにもう終わってしまう 「ちょっと出張とかあるし、また連絡するわ」 『はい。出張頑張ってくださいね』 先にエレベーターを降りてく彼女 扉が閉まって1人ニヤケてしまう俺

2016-11-02 00:19:42