アニメのキャラクターは人間(脚本家)の脳を足場に種子を飛ばし増殖、進化していく情報生命体であるのか?

10
生命情報保存研究所 @rodan670

たった13話、あるいは26話完結のアニメ作品であっても、異なる複数の作家が数話ずつ脚本を担当しあうことは半ば常識的に行われている。ここで誰がシナリオを担当したか逐一確認する者もいるが、大多数の視聴者はそのようなことにはあまり目もくれない。

2017-01-23 15:48:45
生命情報保存研究所 @rodan670

視聴者はあくまでそれが同じ世界に住む同じキャラクター達を描いた連続した話群であると認識して各話と向き合う。ところで、虚構内世界の登場人物たちなどというものは、概してその原作者の精神の投射体である。ゆえに、同じ原作者が書いた作品には、本人が意識する、せざるにかかわらず

2017-01-23 15:52:46
生命情報保存研究所 @rodan670

同じような特徴を持ったキャラクターが登場してくることとなる。藤子・F・不二雄原作のアニメ「ドラえもん」の「スネ夫」が、「キテレツ大百科」の「トンガリ」、チンプイの「スネ美」と被ることが具体例としてあげられる。

2017-01-23 16:02:30
生命情報保存研究所 @rodan670

彼らは外見のみならず、酷似した内面を有しており、それは親として共通した精神体=原作者を持つことによる。キャラクターの内面が原作者の心の分身であるのならば、原作者以外のものが同じキャラクターを描こうとした場合、その作業は必然的に模写となる。

2017-01-23 16:04:47
生命情報保存研究所 @rodan670

アニメーターが原作者の絵柄を極限まで真似るように、脚本家も原作者が描いたキャラクターの個性を忠実に再現しなくてはならない。欲を出して自らの解釈のもと、キャラクターの精神性に余分な要素を付け足せば、そのキャラクターは何やら元のキャラクターらしくなくなり

2017-01-23 16:08:52
生命情報保存研究所 @rodan670

視聴者側から「キャラ崩壊」として叩かれることとなる。この批判、あるいはそうならないようにするための政策側の自戒が淘汰圧となって、このような余分な要素を付け足された状態のキャラクターはいずれかの段階で切り捨てられることとなる。

2017-01-23 16:10:34
生命情報保存研究所 @rodan670

脚本家はシナリオを書くにあたって、原作を読み込み、研究し、あるいは議論し、そのキャラクターがどのような精神性をもった存在なのかを理解する。この段階でキャラクターの個性に関する情報は脚本家の脳というフィールドに植え替えられる。この後、脚本家は入力された情報をもとに

2017-01-23 16:14:30
生命情報保存研究所 @rodan670

この状況に立たされた場合、このキャラクターならどう思考し、発言し、行動するかをシミュレーションして、脚本家自身のシナリオ内においてキャラクターを動かしていく。

2017-01-23 16:19:42
生命情報保存研究所 @rodan670

この作業が成功(キャラクターが客観的にこれまでのものと違和感のないレベルで同一視できる連続した個性を持った存在として描かれている)した場合、キャラクターは脚本家というフィールドを足場に、自らの歴史に新しい1ページを刻み、あるいは自らの新たなる分身体を得ることとなる。

2017-01-23 16:20:49
生命情報保存研究所 @rodan670

キャラクターがウィルスのTファージであるとするなら、脚本家はこれに寄生され、埋め込まれたファージの遺伝情報を翻訳し、Tファージの子孫を作り上げて外界に放つ大腸菌である。

2017-01-23 16:22:21
生命情報保存研究所 @rodan670

この脚本家による再現システムが維持され、新作が作られ続ければ、仮に原作者が死亡しても、キャラクターは新たなる時代に新たなる分身を得続けることができるようになる。ドラえもんやクレヨンしんちゃんはすでにこの境地にある。

2017-01-23 16:25:53
生命情報保存研究所 @rodan670

それでも、長年にわたって描かれ続けているキャラクターの場合は、時代、時流の変遷を受けて、どうしてもわずかながらに個性が変異してくることがある(製作者、視聴者側双方からの淘汰圧を受けるので、この変異はキャラ崩壊に至らないレベルに留まる)

2017-01-23 16:29:18
生命情報保存研究所 @rodan670

この個性の変異は、シナリオのバトンを受け継いだある一人の脚本家が無意識のうちに残した、さしさわりのない要素が発端になっていることもあれば、視聴者側のキャラクターに対する理解が製作側に逆輸入されることによっても生じる。

2017-01-23 16:31:43
生命情報保存研究所 @rodan670

この時、脚本家を自らの複製の道具とし続けてきたキャラクターは、脚本家が自らに与える影響を排除しきることができなくなり、結果「進化」する。ただこの進化はあくまでも限定されたレベルに留まるため、視聴者側は数十年にわたるスパンをもって、安定したキャラクター像を眺めることができる。

2017-01-23 16:36:41
生命情報保存研究所 @rodan670

この進化が異常な速度で進むこともある。同人誌のフィールドにおいてそれは起こる。同人誌畑では、基本的に個々の作者が自らが解釈した像のキャラクターを好き勝手に描くことが許されており(著作権上の問題は別として)

2017-01-23 16:42:06
生命情報保存研究所 @rodan670

結果キャラ崩壊レベルにまで達してしまったところで、それを批判する声はその同人誌の出版差し止めまでを呼び込むことはない。こうして本来の像とは多分に異なる要素をも併せ持ったキャラクターの分身が世に解き放たれることとなる。ただし、その像があまりにも本流とかけ離れていた場合

2017-01-23 16:44:16
生命情報保存研究所 @rodan670

それはもはや同じ種とはみなせず、異常進化した果てに生まれた亜種、あるいは別種と定義づけられる。

2017-01-23 16:45:01