「ボリス・グロイス入門編」というレクチャー/勉強会」講師:星野太(美学・表象文化論)[実況]
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星野「ある著作では、1920年代のロシア思想家の名前が並べられており、ドイツやヨーロッパからどう影響受けたか事細かに論じている。 ロシア語という限られた文献でしかなかったので、その紹介は大きな仕事だ
2017-02-05 14:36:18星野「アドルノなどドイツの思想家、生の哲学と呼ばれるニーチェ、ショーペンハウアーなど人間の実存的哲学、彼らの話も著作でよく出てくる。グロイスは特殊な意味で生を使っている。生=lebenとして使っており、シンポジウムでは私はそれを質問した。
2017-02-05 14:38:14星野「メディオロジーにも通じているだろう。 クンストハレ、ミュージアムとことなるコレクションをもたないところだがこの論考、またドクメンタの論考やキュレーション
2017-02-05 14:38:17星野「グローバリゼーション、インターネット、マーケットという、英語圏に限らない話を現在はしており、そしてフランスを始め現代思想へのアメリカの戦後理論でフレンチセオリーをどう美術批評へ応用するかという話があり、それも視野に入れている
2017-02-05 14:39:28[修正]
フランスを始め現代思想へのアメリカの戦後理論でフレンチセオリーをどう美術批評へ応用するかという話があり、それも視野に入れている→フランスを始めとする現代思想、アメリカの戦後理論ではそのフレンチセオリーをどう美術批評へ応用するかという話があったのだが、それもグロイスは視野に入れ論じている。
星野「コミュニズムについてどのような論点がだされているか。主著として全体様式スターリン。これまでの一般的理解を覆した。
2017-02-05 14:41:54[修正]
全体様式スターリン→全体芸術様式スターリン
星野「ロシア構成主義という前衛芸術が存在したがスターリン体制により社会主義リアリズムという凡庸化しアヴァンギャルドが潰えたと考えられたが、スターリンの行ったことがロシアアヴァンギャルドの完成だとした、全体様式=トータルアート、それを打ち出し、結果社会主義リアリズムとなる。
2017-02-05 14:41:58星野「それこそ生の芸術で生活を覆ってしまったわけで、スターリン体制による社会主義リアリズムこそロシアアヴァンギャルドの到達点であった。それが衝撃を持って迎えられた
2017-02-05 14:43:02星野「次にアートパワー。なぜ旧共産主義諸国の芸術はなぜ無視されるか。冷戦期の政治的プロパガンダだから良い芸術ではないと言われてきた。しかしそうではないとグロイスはいう
2017-02-05 14:43:46星野「アートマーケットの標準的な条件の外側だからこそ旧共産主義諸国の芸術は無視されているという。良き作品とプロパガンダかどうは別のはずだ。しかし今の価値基準の規定がアートマーケットだからこそ無視される。プロパガンダだからというのは口実に過ぎないと。
2017-02-05 14:44:53星野「これはなかなか強い主張だ。Amazonでアートパワーの紹介文を見ると、序文が抜粋されている。「政治的プロパガンダの場所にもっと場所をあけるべきだ」という。そこだけみるとかなり変に見えるだろう。
2017-02-05 14:46:07星野「二点目。生の哲学。生=LIFE、グロイスは生物や生命(THE LIVIING)ではない。「インスタレーションの政治学」で述べている話。
2017-02-05 14:48:34星野「インスタレーションの構成は1つのメディウムを持っておらず、メディウムスペシフィティがないと言われる。グリーンバーグの各ジャンルのメディウムがないという話だが、空間こそメディウムなんだとグロイスはいう。
2017-02-05 14:48:58星野「空間であることは物質の最も基本なので紛れもなく最も基本的な…。 事物へ生を付与する、これは意味のある事物として空間に置かれるのがインスタレーション。単なるオブジェクトが特異なオブジェクトになるようにインスタレーションが規定されている。事物に対して空間的に生を与える。
2017-02-05 14:50:46[補足]
…の部分は筆者が聴き逃してしまいわかりませんでした。グロイス氏の著作をご確認してください。
星野「次にアートドキュメンテーションの意義。アートとアートドキュメンテーションは全く別物。アートドキュメンテーションは生の記録という。これは何らかの語り、ナラティブを付与するということ。それで事物は生を獲得する、と。
2017-02-05 14:51:35星野「人間・無生物を問わず、何らかの対象はナラティブを通じて生を獲得するという。生は生命や有機体とつながるものでない。時間的空間的に語りで生を付与されたもの。語られないものは生命を持ってても生ではない
2017-02-05 14:52:20星野「キュレーションについて。キュレーションはキュアとかケアとかから来ているため、癒やすことに繋げて話すことは多いが、グロイスはキュレーションには2つの側面があるという。
2017-02-05 14:55:16星野「イメージを癒やす。イメージは自ら自分の姿を見せることは出来ない。美術館にいくとキュレータが展示するが、作品は病院の寝たきり患者と同様だという。動くことが出来ないそれをキュレータは動かし展示し、鑑賞者は面会者であり、寝たきり患者と面会者を出会わせるのがキュレータ。
2017-02-05 14:55:19星野「そうすると作品へ避けがたくキュレーターは介入してしまい、痕跡がのこる。それをデリタのパルマコンという言葉で表す。これは毒と薬という二面性ある言葉で、キュレーターにはそれがある、と。
2017-02-05 14:56:08星野「インスタレーションにおける作者の主権性について。インスタレーションの中でも参加型、鑑賞者が主体的に参加できる一見民主的な作品があったとしよう、しかしその手前に作者の暴力的な主権性が存在している。
2017-02-05 14:57:24