「ボリス・グロイス入門編」というレクチャー/勉強会」講師:星野太(美学・表象文化論)[実況]
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星野「展示空間は作者が自らのインスタレーションとして専有するところから始まる。展示空間はニュートラルでpublicなはずだが、そこに作者の暴力的な一撃があり、その後調和的民主的な空間がつくられる
2017-02-05 14:58:02星野「平和的空間に見えるが、その前に主権性がある。ここでベンヤミンの神的暴力や神話的暴力が参照されてるわけで、これは社会的秩序の根源のこと。民主的社会の根源、つまりフランス革命にはギロチンがあったということを指す。
2017-02-05 14:59:07星野「アートドキュメンテーションと生政治について。生命の人工操作が簡易に行われてる時代であり、そのバイオポリティクスについて美術はどう考えるか。そこでフーコーの生権力やアガンベンの剥き出しの生を極めて的確に参照するように、現代思想の参照がいたるところで見られる
2017-02-05 15:00:55星野「IN THE FLOW。ここではインターネットの話しかしていない。グロイスが繰り返し言ってるベンヤミンのアウラを今日的にアップデートしようとしてる。
2017-02-05 15:03:26星野「オリジナルと複製の問題。オリジナルはアウラあるが複製はそれがないという対立があるが、ネット上のイメージ流通は脱アウラ化と再アウラ化。コピーがコピーされアウラを持ってしまう、と。 これは新しい話でなく数十年前からあるが、それを今日的にアップデートしようとしてる。
2017-02-05 15:03:49星野「例えばアイドルプロマイドがあるとしよう。ここでは本人よりもプロマイドに価値がありアウラがある。プロマイドが希少で価値を持ってしまうことが広範囲で今は起きてる。
2017-02-05 15:05:44星野「はまのがアーキテクチャの生態系でライトアウラの大量発生という指摘をした。ニコ動のことを論じたものだ。字幕がでることで今・ここで起きてるように共有してしまうこと。軽いアウラが日常的に大量発生してしまう。
2017-02-05 15:05:47[修正]
はまの→濱野智史
星野「市場とミュージアムについて。国立近美で浅田彰の対談でも出てきた話題だ。マーケットの原理がサブスティチューションとすれば、ミュージアムがアディション、つまり置換と追加。
2017-02-05 15:07:50星野「例はiphone。アップデートしたとき、新しいものが古いものに置き換わる=置換、それが市場。しかし古いものを残し新しいものを追加するのがミュージアムとグロイスはいう。
2017-02-05 15:08:04星野「この話はグロイスはよくしているようで、youtubeを確認すると各国で公演動画を見れるのだけど、そこでよくiphoneの話をしてる。あらゆる地域でミュージアムとマーケットの違いをするとき好んでiphoneの話をするのがそれがグローバルに伝わってる時点で皮肉にもみえる
2017-02-05 15:09:17星野「次に「真の民主主義は何か」について。intheflowではデモクラシー=民主主義の問題が唐突にでてくる。我々はいまだ真の民主主義を知らないとグロイスは記述する。そこでは何かに活用したりしない目的論的でないアーティスト活動は社会的にどう意義があるかという話から始まる。
2017-02-05 15:10:34星野「生のパフォーマンスは社会的にどう意義があるか、それは社会的生産に意味があるという。社会的なものがいつも存在すると我々は考えてはいけない。だからこそアーティストを産出(生産)しないといけない。
2017-02-05 15:11:25星野「社会とは「平等の空間」と「類似性の空間」。平等性は民主主義社会とイコールにつながりそうだが違う。こんにちは類似性の社会行きておらず差異の社会に生きている。それはギリシア的ポリスでなく市場経済だ。
2017-02-05 15:12:25星野「なぜギリシアポリスは類似性空間で、マーケットエコノミーは差異か。古代ギリシャは全ての人間が全ての人間と交換可能であった。それは少人数の市民からなる直接民主制で、同じステータスであり社会的に家長であった。誰もだ誰もの代わりができた。
2017-02-05 15:13:32[修正]
誰もだ誰もの代わりができた→誰もが誰もの代わりができた
星野「市場経済は差異で動く。マーケットは万人の類似はだめで、差異がなければ価値が算出されない。マーケットとポリスは対抗した原理を持つ。そして今はマーケットエコノミーなので差異の社会である。
2017-02-05 15:14:14星野「我々が民主主義理解は国民国家を超えてない。国民国家を超える民主主義というフレームを持てないし過去にもそれはない。本当に普遍的な民主主義を我々は知ることができない。
2017-02-05 15:15:21星野「伝統的に多数の人間によって決められ、マイノリティを排除しない民主主義を想定できるし合意に基づいた民主主義を作動させることも理念的にはできる。しかし中心になるのは理性を持った人間であり、狂人などは排除されてしまう。
2017-02-05 15:16:28[補足]
狂人の他には子供など=マイノリティ
星野「グロイスの言うほんとうの意味でのデモクラシーを歴史的にも誰も経験したことはないという事例として、以前都知事選で外山恒一が出馬したときに「選挙は多数派のお祭りで多数派が勝つに決まってる」といい、多数派のルールで決められ少数者は排除されてるといっていたことがあげられる。
2017-02-05 15:19:38