フーコーの「権力は下から来る」についての考察

フーコーは「権力は下から来る」と述べています。この権力は下から来るというのは、支配階層や一般大衆から権力が来るという意味とは異なると考えられます。今回はベクトルの概念を用いてフーコーの「権力は下から来る」について考察してみました。今後追加することがあるかもしれません。
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zutabukuro @ClothSack

マクロな社会の総体を貫く強大なベクトルが、断層が、そして権力が生まれすのです。この強大なベクトルは、個々のミクロなベクトルのぶつかり合い(ゲーム)にも作用し、再分配し、列に整え、均質化し、系の調整をし、収斂させるのです。(続く)

2011-03-02 19:20:42
zutabukuro @ClothSack

ミクロベクトルによってマクロベクトルたる権力が生まれますが、ミクロベクトルはマクロベクトルによって影響を及ぼされるのです。フーコーの権力は下から来るについての分析の本論はまあこんなところです。続きを書く場合は具体例的なものになると思います。

2011-03-02 19:26:04
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@ClothSack 権力が下からくる→被支配者-支配者の二項対立が母型でないというのは「原因と結果」の考え方でみてました。「下」がClothSackさんの仰る「ミクロな諸関係における力関係」だというのは合致してます。これは『ニーチェ・系譜学・歴史』の〈現出源〉にも当て嵌るかと。

2011-03-04 10:01:03
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

@clothsack こんばんは。改めて読み返してみると、この応用をどう活用していくか、というところが問題になりそうだなぁと思いましたが、どのように活用するのかも既にお考えですか?座標云々だと、時間・空間の把握とかと絡めてGISの分析と絡められるかなぁとか勝手に思いました。

2011-03-04 19:15:05
zutabukuro @ClothSack

@Abraxas_Aeon そうですね~、どう活用していくかについてはあまり考えていませんでした。私がこの応用で重要だと思うのが、各点が二つのパロメーターを持つ(点の座標とベクトル)ということで、この点をうまく活用できればよいのですが・・・。

2011-03-04 20:35:53
zutabukuro @ClothSack

@Abraxas_Aeon 少し考えてみると、点の座標とベクトルをそれぞれ個々人の配置と主体に対応させることができるような気がします。

2011-03-04 20:41:14
zutabukuro @ClothSack

@Abraxas_Aeon あともう一つなのですが、この応用(ベクトルのぶつかり合い:ゲームとその加法、減法)を用いることで、フーコーから二項関係(支配者、被支配者)が感じられてしまうかも説明できるように思えます。(いずれするつもりです)

2011-03-04 20:55:28
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

Entstehungはémergence、つまり現出の点を示す。それはある出現現象の原理であり、特有の法である。中断のない連続の内に由来を探し求めようと言う傾きがあまりにもしばしばみられるが、それと同様に、最終項によって現出を説明するのは誤りだろう。(M・フーコー)

2011-03-04 23:19:45
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

現出は様々な力の登場である。様々な力の闖入、それぞれ独自の活力、若さをもって舞台裏から舞台へとそれらが躍り出るその跳躍なのである。ニーチェが善の概念のEntstehungsherdと呼んでいるものは、正確には強者のエネルギーでもなければ、弱者の反撥でもない。(M・フーコー)

2011-03-04 23:30:09
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

そうではなくて、まさに強者と弱者が向かい合ったり、或いは上下の関係になったりして配置されるその舞台なのである。それは彼らを分割し、彼らの間に穿たれる空間、彼らが威嚇や様々な言葉を交わし合う間に横たわる空隙なのである。(M・フーコー)

2011-03-04 23:34:00
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

由来が、ある本能の特質、その強度あるいはその減退、それがある肉体に残す痕跡といったものを示すのに対して、現出は対決の場所を示すのである。(M・フーコー)

2011-03-04 23:44:15
アブラクサス・アイオーン @Abraxas_Aeon

権力が「下から」というのが、被支配者からというのは適切ではなく、「ミクロな諸関係における力関係から」といった方が正確だという話に、付け加えてみるとすれば、続けて「大規模な支配とは、全ての対決の強度が、継続して支える支配権の作用=結果なのだ」というところをみればいいと思う。

2011-03-05 16:09:10