フーコーの「権力は下から来る」についての考察

フーコーは「権力は下から来る」と述べています。この権力は下から来るというのは、支配階層や一般大衆から権力が来るという意味とは異なると考えられます。今回はベクトルの概念を用いてフーコーの「権力は下から来る」について考察してみました。今後追加することがあるかもしれません。
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zutabukuro @ClothSack

以前ツイートした、座標平面上の複数の点とベクトルの関係で言いたかったことはまさにこれなんですよね~。RT @Abraxas_Aeon 権力とは、何らかの構造ではなく、諸行為が互いに規定しあうことで力の関係の限定された布置がつくられるときの機能である」と指摘します。~略~

2011-02-27 21:00:08
zutabukuro @ClothSack

フーコーの権力は下からくるのという話の準備としてベクトルの話をしますかね~。(私のフーコーの権力に対する理解がベクトルを用いているため)ベクトルとは何か?端的に言えば「矢印」です。棒部分の長さがそのベクトルの大きさ(強さ)を、鏃部分がベクトルの向きを表します。(続く)

2011-02-28 07:52:33
zutabukuro @ClothSack

たとえば表平面上の二点、点A(1.1)、点B(2.2)が与えあられたとします。この点Aをベクトルの起点、点Bを終点とした場合、このベクトルの長さ(大きさは)√2で向きはABとなります。逆に点Bが起点点Aが終点となった場合、長さは変わりませんが向きがBAとなります。(続く)

2011-02-28 08:12:03
zutabukuro @ClothSack

ベクトルには、一般的な数字のように四則演算(+、-、÷、×)を適用することができます。他の二つも重要ですが、このたびの議論で必要になってくるのはベクトルは足し引きができるという性質です。(続く)

2011-02-28 08:31:09
zutabukuro @ClothSack

ベクトルには、一般的な数字のように四則演算(+、-、÷、×)を適用することができます。他の二つも重要ですが、このたびの議論で必要になってくるのはベクトルは足し引きができるという性質です。(続く)

2011-02-28 08:31:09
zutabukuro @ClothSack

先ほどの点A(1.1)から点B(2.2)までのベクトルに、点O(0.0)から点A(1.1)までのベクトルを足し合わせると、足し合わせたものは点O(0.0)から点B(2.2)までのベクトルとしてあらわすことができます。このベクトルの長さ(大きさ)は2√2で向きはOBです。(続く)

2011-02-28 08:31:28
zutabukuro @ClothSack

逆に点A(1.1)から点B(2.2)までのベクトルから、点O(0.0)から点A(1.1)までのベクトルを引くと、差は点O(0.0)ベクトル(零ベクトル)として表すことができます。このベクトルの長さ(大きさ)は0で向きは考えません。(続く)

2011-02-28 08:36:51
zutabukuro @ClothSack

先ほどの二つの例では座標平面上同じ向きのベクトルが伸び縮みしただけです。しかし、次の例を考えてみましょう。点O(0.0)から点C(4.5)までのベクトルOCと点Oから点D(2.8)までのベクトルODがあります。(続く)

2011-02-28 08:48:22
zutabukuro @ClothSack

この二つのベクトルを足し合わせると、点O(0.0)から新たな点E(6.13)までベクトルであるベクトルOEとなります。この新ベクトルは、元の二つのベクトルに比べ長さ(大きさ)だけでなく、向きまで変化しています。引き算でも同じことが言えます。(続く)

2011-02-28 08:57:49
zutabukuro @ClothSack

このベクトルの加法、減法(+、-)によって、長さだけでなく向きまでもが足し引きする前のベクトルのものから変化してしまうという点がこれからの議論で重要なのです。( (続きはまた今度)

2011-02-28 09:05:33
zutabukuro @ClothSack

今朝の続き。下準備が終わったので、本題のフーコーの権力は下から来るの話に移ります。以前も言ったように、フーコーの権力論において下を一般大衆などの支配されるものと考えることは適切ではないでしょう。(続く)

2011-02-28 21:31:04
zutabukuro @ClothSack

事実、フーコーは「支配する者と支配される者という二項的かつ総体的な対立はない」と権力は下から来ると述べた直後にしています。では、フーコーにとっての下とは何なのでしょうか?フーコーは次のように述べています。(続く)

2011-02-28 21:43:15
zutabukuro @ClothSack

「生産の機関、家族、局限された集団、諸制度の中で形成され作動する多様な力関係」と。この文章から考えられるフーコーの下は、一般大衆や支配されるものというよりもミクロな集団であり、さらに言えばその集団のレベルで作用する力関係です。(続く)

2011-02-28 21:52:13
zutabukuro @ClothSack

つまり、フーコーの権力は下から来るにおける下とは、下というよりミクロなのです。権力は下から来るというのを言い換えると、権力はミクロから来るになります。ここでのミクロとは、ミクロな諸関係における力関係であり、ゲームであり、ベクトルのぶつかり合いです。(今日はここまで)

2011-02-28 22:14:59
zutabukuro @ClothSack

(昨日の続き)フーコーの権力は下からくるにおける下が、ミクロな諸関係における力関係であるとしたうえで、権力は下から来るとはいったいどうゆうことなのかを考えていきます。昨日のように前記の文章を言い換えると、権力はミクロな諸関係における力関係から来るとなります。(続く)

2011-03-01 20:50:52
zutabukuro @ClothSack

フーコーは次のように述べています。「(ミクロな諸関係における力関係:引用者)は、社会の総体を貫く断層の広大な効果に対して支えとなっているのだと。このような効果が、そこで、局地的対決を貫き、それを結びつける全般的な力線を形作る。(続く)

2011-03-01 20:59:06
zutabukuro @ClothSack

もちろん、その代りに、これらの断層の効果は、局地的対決に働きかけて、再分配し、列に整え、均質化し、系の調整をし、収斂させる」『性の歴史Ⅰ』この文章における断層こそまさにフーコーのいう権力ではないでしょうか。(続く)

2011-03-01 21:15:39
zutabukuro @ClothSack

問題は、この断層がどのように生まれるのかということです。ミクロな諸関係(たとえば家族)における力関係がどのようにして断層となるかということです。私はここで、断層を強大なベクトルと置き換えます。(続く)

2011-03-01 21:27:51
zutabukuro @ClothSack

断層(権力)をベクトルとすることによって、ベクトルの加法、減法という手法を権力に対して用いることができるようになります。(今日はほかにすることがあるのでここまで)

2011-03-01 21:36:59
zutabukuro @ClothSack

昨日の続き。フーコーの権力をベクトルとみなし考えを進めるというところで昨日は終わったと思いますのでその続きから。権力をベクトルとみなすことで、権力は下から来るという問題を、強大なベクトルがいかにして下から(ミクロ)からくるのかという問題にすることができます。(続く)

2011-03-02 17:55:16
zutabukuro @ClothSack

ミクロな諸関係(たとえば家族)における力関係は、集団を構成する各個人という点からのベクトルどうしのぶつかり合いです(ゲーム)。このゲーム自体を局所的な権力だととらえることもできます。ベクトルどうしのぶつかり合い(ゲーム)は、ベクトルの加法、減法によって示すことができます。(続く)

2011-03-02 18:18:24
zutabukuro @ClothSack

ぶつかり合ったベクトル(ゲーム的状況のベクトル)は、ベクトルの加法、減法によって以前示したように全く新しいベクトルとなります。複数のミクロな集団におけるゲームによって、各集団ごとにミクロなゲームの結果というべきベクトルが生まれます。(続く)

2011-03-02 18:33:39
zutabukuro @ClothSack

ベクトルどうしのぶつかり合い(ゲーム)はベクトルの加法、減法によって、以前ツイートしたように全く新しいベクトルとして示すことが可能です。ミクロな集団におけるゲームの結果、各集団ごとにその集団を代表するようなベクトルが生まれます。(続く)

2011-03-02 18:40:03
zutabukuro @ClothSack

集団どうしにも力関係があるので、集団のレベル(集団対集団)においてもその集団を代表するベクトルどうしのぶつかり合い(ゲーム)が発生します。このレベルにおいてもベクトルのぶつかり合い(ゲーム)は、ベクトルの加法・減法によって示されます。(続く)

2011-03-02 18:49:32
zutabukuro @ClothSack

集団どうしのレベルにおいてもミクロな集団のレベルと同じように、ベクトルの加法、減法によって新たなベクトルが生まれるのです。このベクトルのぶつかり合い(ゲーム)の繰り返しによって、ベクトルの加法、減法によって新たなベクトルが生み出される作用の連鎖によって、(続く)

2011-03-02 19:02:49