剣道の成長段階と打ち方の変化

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橙。 @orange_kinoko

①中高生同士の勝負の場合、概ねの場合、一足一刀に入ってからの近間での、速度と反射神経の勝負になります。相手より先に打つ、打って来たら応じるという勝負です。このような場合、剣は速ければ速い程良く、大きく振りかぶるより、より小さく、速く打とうとする勝負になります。 pic.twitter.com/sUBDd2YaxY

2017-02-09 19:35:10
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橙。 @orange_kinoko

②しかし、中高生が高段者に若さと速度に任せて掛かって行っても、大概いなされ、大振りの技に打たれてしまいます。これは、勝負をしてる地点が異なっているせいです。近間に入ってから速度の勝負をする中高生と違って、高段者は遠間から、近間に入る「まで」の課程を勝負の主眼にしているからです。

2017-02-09 19:43:09
橙。 @orange_kinoko

③高野茂義の稽古心得集に、「攻め勝って打つこと、打って勝つのはよくない」とありますが、強い高段者に動きの枕を抑えられ、間合いの中に入られてしまうともう詰みです。若者が速度で勝ろうと、打突動作へ移るまでの動きのコントロールを握られてしまったら、どうにもなりません。 pic.twitter.com/k9jKXHm3w5

2017-02-09 19:51:08
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橙。 @orange_kinoko

④なら、最初から高段者の動き方で勝てばいいじゃないか、と言われる方もいるかもしれませんが、まず無理です。少なくとも、私の知る限りそんな天才は見たことありません。相手に攻め勝つための気位や、動きの枕を抑える間合いの理解は、初心者が真似ようと思っても簡単に出来るものではありません。

2017-02-09 19:59:06
橙。 @orange_kinoko

⑤昇段審査でも、四、五段辺りからは、間合いの攻防で、「勝って打つ」ことが合格条件に求められるようになりますが、間合いや拍子の理解、それから、前述した足捌きなどの身体運用、気位や気辺りと言った、腰肚文化のコンテクストでのメンタル強化ですね(こう言うと、私自身とても違和感がありますw

2017-02-09 20:03:04
橙。 @orange_kinoko

⑥高校生は大学生や教員の面を、刺し面に対して「大人面」などと呼んでいるのを聞いたことがありますが、成長につれて、刺し面よりも振幅をつけた面を好む方も増えてきます。勝負の決定条件が「速度」ではなく、「間合いの攻防で、いかにして相手を崩すか」(足を止めるか)にシフトしていくからです。

2017-02-09 20:06:44
橙。 @orange_kinoko

⑦気位の高さは、ある程度自信とも相関があります。十分な稽古を積み、自分は強くなったという自負が、攻め合いでの強さなどに現れます。 尚、中身は空っぽだけど、とりあえず気合だけは入ってる状態を「虚驕にして気を恃む」と言いますが、小川忠太郎範士は「剣道は始めはみんなそこから始める」と。

2017-02-09 20:13:20
橙。 @orange_kinoko

⑧正直、高段者の先生の気攻めに関しては、私はまだまだ言及できるレベルではありません。「フィジカルでは絶対にこちらが有利な筈なのに、なぜかおじいちゃん先生にやられてた!」という経験を剣道で味わった方は多いようです。あの不思議な感覚は、言葉では伝えようがありません。

2017-02-09 20:18:00
橙。 @orange_kinoko

⑨何だかまとまりに欠ける話になってしまいましたが、「高段者は、打ちあいに移る前に間合いに入る勝負をしている」という点と、「その勝負のステージに上がる為には、基礎稽古を疎かにせず、自分のレベルを上げなければならない」という二点で総括しようと思います。長文乱文、失礼しました。

2017-02-09 20:22:38

歩法の論文の話

我乱堂 @SagamiNoriaki

何年か前の剣道の歩法の論文をニュース記事で見たのだけど、その中で剣道は高段者ほど遠間からのタイミングを見計らって打つ傾向があり、経験が浅い者ほど近間でがしがし打ち合う傾向があったとか、そういうこと書いてたと記憶してる。↓の竹刀の振り方の違いは、そのことの証明になってると思う。

2017-02-09 17:40:35
我乱堂 @SagamiNoriaki

つまり、経験が浅い人間は反射神経と速度に頼った近間での相手の防御の崩し合いになるから、必然と竹刀は高く振りかぶるような余裕はなくて、経験豊富な人間は相手の打ち気が見えているから、遠間からの攻撃ができる…ということなのね。

2017-02-09 17:43:43
我乱堂 @SagamiNoriaki

この遠間からタイミングを見計らっての攻防というのは、恐らく二天一流の演武にかなり近いイメージになるんじゃないかな、と思う。恐らく武蔵は、晩年では剣道高段者が格下に対するようにして相手の攻めの枕を押さえるようにして勝ってたのではあるまいか。

2017-02-09 17:46:27
我乱堂 @SagamiNoriaki

@orange_kinoko 私もその時の剣道の歩法のニュース、URL覚えとけばよかったですw 剣道で使用される歩法が五種くらいに絞られるとか、面白い話だったんですけどねー。

2017-02-09 18:03:47
橙。 @orange_kinoko

@SagamiNoriaki 剣道の歩法は確かに基本五種ぐらいですね。あと、滅多に使う人がいないレアな歩法が+二種ぐらいありますが……

2017-02-09 18:09:05
ちていのき @baritsu

たぶん名古屋大のやつかな「熟練者、非熟練者ともに5種類(の攻防)を使い分けていた。しかし、近い間合いの次の場面では、熟練者が81%の確率で遠い間合いへ変化するのに対し、非熟練者は69%の確率で近い間合いを続けたという」@SagamiNoriaki

2017-02-09 18:34:35

もう少し理由が知りたい

福冨諭 /(' - ' ;)\ @fuktommy

.@orange_kinoko 剣道では細かく動作が決まってますが(比喩で剣道流剣術と言われるように)、中高生は中高生スタイルの面を打つべしという考えがあって、その考えのもと昇段審査の基準が決まっていたり、試合のルールが決まっていたりするのでしょうか?

2017-02-09 21:48:07
橙。 @orange_kinoko

@fuktommy いえ、中高生が彼らの言う所の「大人面」をばっくり打って勝ったとしても、学生離れしたどっしりした剣を遣う奴だと、きちんと評価されるはずですよ(稀にいます)ただ、まずそこまで至らないし、彼らの技倆では試合の環境の中では不利だから使わないだけです。

2017-02-09 21:54:41
福冨諭 /(' - ' ;)\ @fuktommy

.@orange_kinoko 仮に大人面じゃなければ一本にしないというようなルールなら、中高生は中高生なりに大人面に挑戦すると思うのですが、そうなってないのは何か理由があるのかなと。竹刀が当たれば何でも一本というわけでもないですから、ルールには何か意味があるはずだと思います。

2017-02-09 22:09:42
橙。 @orange_kinoko

.@fuktommy 振幅の小さい技でも、蔑称としての刺し面のような、「当たればいい」ような技は、当たっても有効打突の要件を満たしません。逆に、大人面じゃなきゃ一本にならないとしても、競技の範疇で振幅は最大限に小さくなっていく筈です。有効打突の要件をどう捉えるかの問題です。

2017-02-09 22:16:21
福冨諭 /(' - ' ;)\ @fuktommy

.@orange_kinoko なるほどです。競技なので各自工夫していく側面と、昇段審査などを通じて指針を示す側面が両方あるのが、なんか腑に落ちないという意識がもともとあるのですが、今回の論点については納得しました。ありがとうございます。

2017-02-09 22:30:45

健康は大事

みんみんぜみ @inuchochin

剣道の構えは無理があるところがあると思うけど、大抵の武道や武術に限らず技芸職人には不自然だったり片寄った体の使い方するものがあると思う。合気道の膝行とか後ろ受身のやり方とか、膝壊す人がちょこちょこいるけど、まああれも意味があってやってるわけだし。

2017-02-08 23:06:37