艦艇と艦娘の共同運用についての考察(長瀬零司 著)

竹村京さん(@kyou_takemura)の書いてくださったお話です。 今回はモグリこと、長瀬艦長の文書より。 でっちー達の観測みたいなものがありますので非お楽しみ下さい。 続きを読む
6
竹村京 @kyou_takemura

艦娘が艦内で生活する以上、艦内業務の割り振りは必要である。 第一に艦内にはただ飯喰らいを養うだけの余裕がないため。第二に艦娘が日常業務を課されないことで一般乗員と艦娘の間に格差、不和が生まれるためである。 しかしその業務割振りのバランスは注意深く検討する必要がある。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:09:47
竹村京 @kyou_takemura

第1から第3までの分隊、つまり戦闘分野である砲雷科および水雷科、航海や艦内保安を主務とする船務科および航海科、機関や電気系統、ダメージコントロールを司る機関科は、戦闘時に欠員があってはならないため艦娘を就けることができない。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:11:19
竹村京 @kyou_takemura

艦の種別ごとに職掌が異なる第5分隊も同様である。 残るは給養、経理、庶務、衛生を司る第4分隊であり、ここならば戦闘時に数名減ったところで大きな影響はない。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:12:38
竹村京 @kyou_takemura

筆者は共同作戦の経験から、艦娘はそれぞれの術科学校で特技を修得する必要はないと考える。「艦娘」はそれ自体が特技であり、本来任務ではない艦内業務のために別途特技を身に付けさせるのは本末転倒であるためだ。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:14:34
竹村京 @kyou_takemura

先に挙げた二つの理由のうち優先すべきは後者,一般乗員と艦娘の不平等を生まないことである。そのためには艦内で艦娘が暇を持て余さない程度、例えば艦内のアイスクリームや自販機の管理を任せるくらいでよいのではないかと考える。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:15:33
竹村京 @kyou_takemura

■指揮系統 筆者は潜水艦艦長であるが、艦娘を指揮するいわゆる提督ではない。そのため本艦と潜水艦娘は一種の艦隊を組み、その臨時艦隊司令官に筆者が就任するという形を取った。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:16:57
竹村京 @kyou_takemura

ただし艦娘の運用に熟練していない筆者には柔軟に作戦を変更する事ができず、事前に立案された襲撃作戦をほぼそのままなぞる事しかできなかった。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:17:57
竹村京 @kyou_takemura

本作戦は難度が低く大きな問題にはならなかったが、戦闘において想定外の事態は付きものであり、そうした状況に於ける柔軟な指揮は勝敗のみならず乗員の生命にかかわる重要事項である。これができない事は作戦の成否と艦の生存を左右する致命的な欠落と言える。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:19:57
竹村京 @kyou_takemura

■潜水艦と潜水艦娘の戦力比較 ・速力:潜水艦が優速。現代艦であれば通常潜であっても艦娘より優速である。 ・静粛性:絶対的な体積が小さい艦娘が高い静粛性を持つ。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:21:14
竹村京 @kyou_takemura

・航続距離(行動可能時間):潜水艦が圧倒的に優れている。艦娘は原型の艦が何であれ、生身であるので定期的な浮上休憩が必要。食料などもごく限られた量しか携行できないため、無補給での出撃は最長でも数日から一週間程度に限られる。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:22:41
竹村京 @kyou_takemura

・打撃力:深海棲艦に対する長魚雷の打撃力であれば同等、誘導性能を加味すれば潜水艦が優勢。ただし誘導兵器の中でも現代艦を標的に開発された対艦ミサイルは深海棲艦に対して限定的な効果に留まる。兵器のコストでは遥かに小型の艦娘の魚雷が圧倒的に安価。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:25:22
竹村京 @kyou_takemura

・探知性能:より大型で高性能な索敵装備を搭載する潜水艦が優れている。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:25:47
竹村京 @kyou_takemura

コストと静粛性を除き、現代の潜水艦が優れており、深海棲艦に対する有力な打撃力を持つ。これは第二次大戦後に「敵の攻撃に当たらないこと」に指向して発展した水上艦と違い、潜水艦は基本的な思想を変えないまま、誘導性能や索敵能力を向上させてきたためである。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:27:37
竹村京 @kyou_takemura

そのため、潜水艦は数週間から半年に亘る長期間の哨戒を、潜水艦娘は既知の敵戦力に対する反復攻撃に主に用いられている。 また海軍の主敵が深海棲艦と見られる向きが強い現代にあっても、旧来の脅威つまり国やそれに準ずる組織、さらにはテロリストといった脅威が消滅した訳ではない。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:28:40
竹村京 @kyou_takemura

それらに対する抑止力は対深海棲艦に特化した艦娘では実現しえず、従来型の艦艇、ひいては潜水艦がその多くを担っている事を忘れてはならない。筆者が指揮する潜水艦も対深海棲艦任務と同時に従来の哨戒任務にも従事しているのである。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:29:59
竹村京 @kyou_takemura

■戦力向上の成否 艦娘の視点から見れば、自力で航海するよりも迅速に遠距離まで進出でき、自力航海による疲労がなく、また現代の索敵装備による高精度の探知性能という恩恵を受ける事となり、純粋に戦力が向上すると言える。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:31:47
竹村京 @kyou_takemura

しかしながら本艦の側から見れば戦力の向上は認められない。 前述の通り潜水艦は通常兵器で深海棲艦に有効な打撃を与える攻撃力を有している。よって本艦にとっては便乗させた潜水艦娘による襲撃は遠距離からの魚雷攻撃の代用でしかなく、本艦の戦力向上には全く寄与しない。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:32:49
竹村京 @kyou_takemura

またDDSを設置する事で垂直発射管を塞ぐため、純粋な打撃力の低下を引き起こす。もともとDDSは核兵器削減条約によって核弾頭を搭載したSLBM用VLSに空きができたため、それを特殊部隊の出入りに転用するために作られたものである。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:34:15
竹村京 @kyou_takemura

本艦の様に条約に拘束されない巡航ミサイルのみ装備している艦にあっては艦娘の同乗よりも巡航ミサイルの搭載の方が即応性が高く有用であると考える。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:35:37
竹村京 @kyou_takemura

■潜水艦と艦娘による共同運用の課題 潜水艦と潜水艦娘の共同運用をする上での課題は以下の通り。 (1)潜水艦娘に対する潜水艦乗り組み訓練の実施 (2)艦娘の指揮官、つまり提督の同乗 (3)潜水艦と艦娘を統合する指揮系統の確立 #落ちぬい二次

2017-02-07 23:37:09
竹村京 @kyou_takemura

(4)潜水艦内の女性用区画の整備 (5)艦娘の輸送と補給を主務とする潜水艦の整備 (6)潜水艦娘以外の運用が不可能 #落ちぬい二次

2017-02-07 23:38:26
竹村京 @kyou_takemura

長期にわたる潜水艦内の生活において(1)は必須である。ただし潜水艦娘とはいえ必ずしも潜水艦乗り組みの適性があるわけではなく、また艦娘の目的から逸れるため、実施については慎重な検討を有する。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:39:52
竹村京 @kyou_takemura

(2)および(3)については作戦指揮の上で必要ではあるが、単独行動が基本となる潜水艦の独立性、特に艦長をトップとした強固な艦内の意思決定に悪影響を及ぼす可能性がある。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:40:58
竹村京 @kyou_takemura

提督に潜水艦長としての教育を施すのは適性の面から困難であると考えられるため、潜水艦長に提督としての教育を施すか、潜水艦長と提督の両名を乗務させるかは検討の必要がある。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:41:15
竹村京 @kyou_takemura

(4)および(5)については、筆者は本作戦の結果から既存の有力な打撃力を持つ潜水艦を共同運用に供するのは潜水艦戦力の浪費であり、潜水艦を艦娘との共同作戦の起点とするのであれば新たに艦娘の輸送と索敵を主務とする安価な潜水艦を整備すべきであると考える。#落ちぬい二次

2017-02-07 23:42:33