#ぴくめす 外伝 「The heir of the Orcmage」

オークメイジを継ぐ者 pixivのR-18企画 【pixiv牝化騎士団陵辱】 略称 ぴくめす 企画目録 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6313499
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帽子男 @alkali_acid

二人は元来た道をとって返す。背後では驢馬が狼に追われてでもいるかのように怯えて森に逃げ込む。 「あれは…」 「病か、物狂いか…近頃増えている…男だけがなる…ちっ…俺もやきが回った」 なんと進む先にはまたも獣じみた目つきの男達があふれている。 しかもその一人は司祭の服をまとって。

2017-02-12 22:29:52
帽子男 @alkali_acid

「俺達が出てすぐ追いかけてきたのか…一体」 司祭は口から涎を垂らしながら駆け寄ってくる。ほかの連中とともに。元騎士は一声唸ると、連れにささやく。 「目を閉じていろ。何が聞こえても開くな」 命令に従ったのを確かめて、馬を全力で駆けさせる。蹄鉄が男等をふみつけ、蹂躙する。戦場突撃。

2017-02-12 22:31:48
帽子男 @alkali_acid

よもや徒手の市井の民にしかけることになるとは。とはいえ、狂った男達に情けなどかけられないのを、元騎士は経験から知っていた。 だが頭蓋を砕き、胴をはねのけ、馳せ続けるも、人の波は絶えない。ついには群がる手が馬をからめとり、引きずり倒す。

2017-02-12 22:34:18
帽子男 @alkali_acid

とっさに鞍から離れた元騎士は侍童を抱えたまま転がる。痛みにうめきながら、しかしなんとか立ち上がると、背にした二本の短剣を引き抜いて、素早く刃の圏を作り出す。 「俺の後ろにいろ、だが合図したら林に逃げ込め」 しかし木々の奧からも男等の呻きが聞こえてくる。 「まさか…町ごと…」

2017-02-12 22:36:18
帽子男 @alkali_acid

鋼の閃きが三度、四度と交差し、屍が転がる。 元騎士は息を弾ませながら、もろい、しかし恐れを知らぬ敵を迎え撃っていた。今朝までの隣人だったものたちを。 侍童は背後で、震えながら蒼褪めている。 「…くそったれめ…両手がふさがってると酒が飲めん…」 唾を吐いて一歩前に出る。 「いいか」

2017-02-12 22:39:03
帽子男 @alkali_acid

「俺がなんとか道を開…」 その言葉を笑うかのようにさらに人があふれる。どれも顔かたちがひきつり、ゆがみ、豚のように鼻が広がり、なにやら異様な臭気さえ漂わせている。背後の侍童は息を荒らげ、咳込んでは、細い両腕で己の身を抱いてうずくまっていた。 「はっ…歌え。こいつらに聴かせてやれ」

2017-02-12 22:41:23
帽子男 @alkali_acid

「は、はい…」 金髪の歌い手は、おののく喉を強いて、本当に祈りの調べを紡ぎ始める。 元騎士は高らかに笑うと、短剣を一本捨て、懐から酒袋を取り出して呷る。 「痛快だ!!」 そうして切り込もうとしたところで、敵がそろってぼんやりした表情になり、戦意をなくしているのに気づく。 「ほう」

2017-02-12 22:43:27
帽子男 @alkali_acid

「剣よりきく歌というのもあるらしいな…」 元騎士が微笑んだところで、奇妙な手拍子が相槌のように響く。 「いやまったく。我が術のいたらぬところとはいえ、子供の歌に阻まれるとは」 はっとして睨むと深緑の長衣をたなびかせた青年が近づいて来る。 「それとも高貴の喉には稀なる力があるのか」

2017-02-12 22:46:12
帽子男 @alkali_acid

「貴様が、刺客とやらか…随分と巻き添えを出したな」 元騎士がつぶやくと、青年は首を振る。 「いやまあ実験半分でして。趣味と実益をかねて請けた仕事だったのですが…なるほど…歌ねえ…まあしかしこのまま終わっては面白くない…幸い…もう限界のようですが」

2017-02-12 22:49:02
帽子男 @alkali_acid

金髪の歌い手の声が乱れ、うずくまる。顔は紅潮し、息は乱れ、へたりこんだ両脚の間からは濡れた染みが広がっていく。 「おい…くそ…こいつは…」 「まあ…なりかけでも十分な濃度があるようですな、オークの体臭…それにあなたが派手に切り刻んだおかげで血液もそこかしこに飛び散っている」

2017-02-12 22:50:41
帽子男 @alkali_acid

青年はにっこりして細長い指を伸ばし、周囲をぐるりと示す。獣じみた男達は、次第に体色すら変わりつつあり、筋骨は膨れ上がり、容貌はますます魁偉に変わっていた。 「ご存知ですかな。今から百五十年前、中原を騒がした恐るべき種族。オークの伝説を」

2017-02-12 22:52:24
帽子男 @alkali_acid

「わけても我が師にして錬金術の泰斗たるアニマ様と死闘を繰り広げた、オーク唯一の魔導師にして指導者、オークメイジが操った奇怪な技。それは他種族を別の姿に変え、隷属させる術でした。オークは数を増やすため、敵を牝に変えていたというが…それはまだるっこしいのではないか」

2017-02-12 22:54:04
帽子男 @alkali_acid

「我が師アニマ様はそう考え、オークメイジの牝化魔法を研究し尽くし、新たな術を編み出された。すなわち…オーク化魔法!!師は術を完成させたことに満足し、試さず中原を去りましたが…私は実践に興味を惹かれた…滅びたオークとはどのような種族だったのか…何故強大だったのか」

2017-02-12 22:56:20
帽子男 @alkali_acid

「そして…今理解しました。オークの強さは単純さにこそある。死を恐れず、己を上回る強敵、例えば騎士にでも数で挑み、ついには打倒し、急速に増殖する…まさに…生命の芸術だ!!」 独り芝居に熱が入る錬金術師をよそに、元騎士は襲い掛かる五人目の半獣鬼を切り倒し、ついでとばかり短剣を擲つ

2017-02-12 22:58:35
帽子男 @alkali_acid

だが切先がにやけた青年の顔を刺すより前に、別の半獣鬼が割って入り、盾となった。元騎士は舌打ちすると、長靴の踵から針のように細い短剣を引き抜いてまた構え、空になりかけた酒袋を呷る。 「おい、動けるか」 侍童は返事もせずうつむいている。 「無茶をおっしゃる」

2017-02-12 23:00:18
帽子男 @alkali_acid

「姫様は少年のなりをしていても立派な牝。オークの体液や臭気に耐えられるはずもない」 錬金術しの嘲りに、元騎士は凝然と振り返る。うるみ、うつろになったつぶらな瞳が見返してくる。 「おやおや。武芸はたいしたものだが、勘働きはよくないようですな。気づいていなかったとは」

2017-02-12 23:03:51
帽子男 @alkali_acid

「先の王が、都一の歌姫を見初め、寵愛を注いで生まれたのが誰あろう。そちらのお嬢さん。王の子とはいえ、後ろ盾のない身をおもんばかり、母の死後は故郷で育てられていたが相次ぐ暗殺で継承順が繰り上がり…とまあどうでもよいですな」

2017-02-12 23:05:57
帽子男 @alkali_acid

酔った頭の脳裏を遠い情景がかすめる。若き日に通い詰めた劇場。きらめく衣装をまとい、高らかに歌っていた憧れの人。その忘れ形見。 「なるほどな…そいつは教えてくれてありがとうよ。死んでも渡せぬ理由ができた」 元騎士、いや騎士は息をひとつ吐いて、連れに微笑んだ。 「すぐ戻る」

2017-02-12 23:07:57
帽子男 @alkali_acid

雄たけびを上げて突進すると、籠手をはめた拳で半オークを殴り飛ばし、針の短剣で眼窩を抉り、肉の盾となって立ちふさがる敵をなぎ倒すと、長衣の若者に肉薄する。 「すごい!オーク戦争の時代の騎士が蘇ったかのようだ…あなたは本物です…だからこそ…見てみたい」

2017-02-12 23:10:13
帽子男 @alkali_acid

錬金術師は楽しげに掌を突き出すと、電光を放った。 「あなたが、どんなオークになるのかをね」 霹靂が、革鎧をまとった長躯を打ち据え、痙攣させると、捨て身の攻撃を中断させた。

2017-02-12 23:12:13
帽子男 @alkali_acid

「ぐ、ぐぉああああああ!!!」 「すばらしい。意志の強い騎士は、牝化してもすぐには本能に屈服しなかったといいます…魔性だけが味わえる肉の喜びを知るまではね。お前達」 合図をすると、突然驚くほど従順になった半オーク達の手で、侍童、いや男装の少女がひきずってこられる。

2017-02-12 23:14:38
帽子男 @alkali_acid

「きし…さま…」 歌っていたのと同じ、甘やかな声で、切なげに訴える、幼き王女。騎士はわななき、歯を食いしばり、泡を吹き、首を打ち振った。 「やべ…やべろ…やべ…うぐ…」 「遠慮はいりません。オークの本性は犯し、孕ませ、貪りつくす…あなたが見てきた村々でも起きていたでしょう?」

2017-02-12 23:17:12
帽子男 @alkali_acid

騎士、いや半オークの手が丈夫な旅装束をまるで紙かなにかのように引き裂き、汗ばんだ白い素肌をあらわにする。今朝まで天に捧げる歌を奏でていた喉から、絶望の悲鳴があふれ、やがて恍惚と喜悦に満ちたむせび泣きに変わる。 小さな体を押し潰さんばかりに抱きしめながら、戦で鍛えた膂力全てを込め

2017-02-12 23:19:50
帽子男 @alkali_acid

幼い牝の閉じられた門を破り、純潔を失った真紅の印をこぼさせながら、新たに生まれた獣鬼は荒々しい勝利の咆哮を響かせる。 「すばらしい…アニマ様の書にあった、青爬鬼…赤蝙鬼…黒甲鬼…いや…白獣鬼…そういう族長級のできばえですよ…なるほど…楽しくなりそうだ」 青年は手拍子を打つ。

2017-02-12 23:22:49
帽子男 @alkali_acid

「さて、姫様には苗床として騎士殿の仔を生み続けていただくとして…私の依頼はこれで完了なのですが…ふふ。そうですね…一つやってみたいことがありました…オークメイジ…それって…どんな気分なんでしょうねえ」 青年は自らの顔に手を当てうっとり撫でると、いきなりまた電光を迸らせる。 。

2017-02-12 23:24:55