アメリカはいかにしてホーネットを改修し、またF35の開発に至ったのか

昔の雑誌から発掘したのでまとめてみた もくじ ・ステルスウィーク ・ATA計画とNATF計画 続きを読む
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ステルスウィーク

深海さかな @dzurablk_kai

91年9月の「航空ファン」にあった、同年六月に開かれた「ステルスウィーク」の記事 政府と議会の要人、報道陣のみに公開されたという珍しい展示会の際のYF22A、B2、F117 の写真が多数あったのでご紹介 pic.twitter.com/rBcMoybf8f

2017-01-13 17:39:09
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深海さかな @dzurablk_kai

ブッシュ大頭領に「もし開発予算を削除したら、いかなる予算にも拒否権を発動する」とまで言わせしめたB2の初号機が展示された pic.twitter.com/YAL6MOylTE

2017-01-13 17:43:17
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深海さかな @dzurablk_kai

この展示会では、それまで全く公開されていなかったB2とYF22Aの爆弾倉の形状も公表された ちと分かりにくいが、写真の赤いカバーがつけられている部分が、開いた前脚収容ドアと右爆弾倉の前端 機体の左側には乗り降りするためのラダーも下ろされてる

2017-01-13 17:46:31
深海さかな @dzurablk_kai

実際に爆弾を投下する際には、爆弾倉に流れ込んだ気流で爆弾が変な方向へ行かないよう、F117 同様「バフェット防止板」が爆弾倉の前にせり出すようになってるんだとか(この時はバフェットは収納されていて写真には写っていない ちなみにステルス機は爆弾倉を開けるとステルス性能は無くなるとか

2017-01-13 17:49:21
深海さかな @dzurablk_kai

風防に設置された、機内と機外の灯火パネル pic.twitter.com/fDbMwufTmM

2017-01-13 17:53:44
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深海さかな @dzurablk_kai

コックピット内部の遠景と、90年11月に公開された同機のコックピット pic.twitter.com/4133ZxT1cm

2017-01-13 17:55:15
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深海さかな @dzurablk_kai

右の写真にはなく、左のカラー写真で風防の前に載っているのは、B2用コンピュータ自習式手順訓練装置(CAPT)とのこと ここに表示される説明で、パイロットは訓練を行う

2017-01-13 17:57:42
深海さかな @dzurablk_kai

コックピット近景 四つの多目的表示ユニット(MDU)と二つのデータ入力パネル(DEP)がそれぞれの席に備え付けられている 一枚目の写真の一番右端に見えるのは、教官兼ミッション指揮官用のDEPと通信パネル pic.twitter.com/M6fiimgy7R

2017-01-13 18:02:31
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深海さかな @dzurablk_kai

センターコンソール 左はパイロット用のデータ入力パネル(DEP)、真ん中は燃料管制パネルとのこと 燃料タンクは左右にそれぞれ外翼、内翼、メイン、後部と、中央のオプショナル(爆弾倉内?)の九ヶ所あるらしい pic.twitter.com/vSQpgZx86N

2017-01-13 18:06:56
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冷戦後の新型機開発計画~ATA計画とNATF計画~

深海さかな @dzurablk_kai

先日入手した91年八月号と、94年五月号の航空ファンで、アメリカの空母艦載機選定計画が詳しく載っていて、とても興味深かったのでツイートで軽く紹介などしてみる 題して「アメリカはいかにしてホーネットを改修し、またF35の開発に至ったのか」

2017-02-16 00:58:39
深海さかな @dzurablk_kai

アメリカの空母艦載機計画、文字だけで読むととても分かりにくいので、まずはこちらの図を見て頂きたい 事の始まりは湾岸戦争後、空母にまだA6EイントルーダーやF14トムキャットが乗っていた頃のこと pic.twitter.com/K3YODpw2q7

2017-02-16 01:01:38
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深海さかな @dzurablk_kai

アメリカ海軍は当時、老朽化したA6EやF14の代替を計画してた 前者がATA(新型戦術機)計画で、後者がNATF計画 これに先だってA6Eのエンジンなどを更新したA6F開発計画や、主翼材料を複合材に変更するA6Eの延命計画が進められたものの、これらは失敗し88年に中止されてる

2017-02-16 01:05:27
深海さかな @dzurablk_kai

言い忘れてた NATF計画というのは、「海軍新型戦術戦闘機」開発計画のことね

2017-02-16 12:08:16

ATA計画の申し子、A12アヴェンジャー

深海さかな @dzurablk_kai

まず、ATA計画の概要から これは更新に失敗したA6Eの代替を目的とした計画で、当初目指した性能は「ステルス性能を有した」「超音速戦闘攻撃機」というもの ただ、開発の難航でステルス機能は後に諦め、後者の性能だけを目指すようになった模様

2017-02-16 01:08:02
深海さかな @dzurablk_kai

ATA計画はマクドネル・ダグラスとジェネラル・ダイナミクスが87年12月に共同提案という形で機体案を提出した これが「A12アベンジャー」 B2のような全翼機で、無論艦載機なので着艦装置や甲板上への固定機能も有していた pic.twitter.com/w01J3AJqlY

2017-02-16 01:12:08
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深海さかな @dzurablk_kai

このA12、いくつか面白い機能があるのでもうちょっと詳しく紹介したい まず全翼機という形態ながら可動翼の配置はB2と若干変わっていて、前縁にフラップが追加された他、B2では二枚重ねのエレボンだったのが上のエレボンをスポイラーという小さな羽に変えてる そのため機動性が高まったとか

2017-02-16 01:16:02
深海さかな @dzurablk_kai

全翼機は垂直尾翼が無いので、例えば左に曲がりたい時には左側の可動翼(エレボンやスポイラー)を上下に開き、空気抵抗を増大させて、機首を左側に向けるのだそう pic.twitter.com/HIEMC3h6SB

2017-02-16 01:18:14
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深海さかな @dzurablk_kai

次に着艦フック 軍用機では空母への着艦や非常時の着陸のため、機体の後部にフックを設けていて、これを滑走路へ張られたワイヤーに引っ掛けることで短距離着陸できる そのためF15のような陸上機や、F117のようなステルス機でもこの例に漏れずフックはあるのだが・・・

2017-02-16 01:21:19
深海さかな @dzurablk_kai

問題となるのはステルス機のフックで、機外にそのような飛び出た部分があるとレーダー波を反射してしまってステルス性能を悪化させてしまう そのためF117ではフックを常時機内に収納しておき、非常時にのみカバーを火薬で爆破(!?)することでフックを露出させてたんだとか

2017-02-16 01:23:12
深海さかな @dzurablk_kai

ところがA12は日常的にフックを引っ掛けて空母へ着艦しなくてはならないので、一々機体を爆破するわけにはいかない そこでA12は、車輪のように機内へ格納できるフックを採用していた これは通常の機体のように後方へ跳ね上げるのではなく、前方に跳ね上げ収納していたそうな 面白い! pic.twitter.com/XU8VFPFAoI

2017-02-16 01:26:07
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深海さかな @dzurablk_kai

このステルスフック、通常飛行では従来の機体のように、機外に敢えて露出させたまま後方へ跳ね上げても固定できたそうなのだが 恐らくこれは、F117等では通常飛行時に誘導管制や衝突防止のために、レーダーを反射させるリフレクターを装着しなくてはならなかったことを受けての物ではないかしら

2017-02-16 01:28:44
深海さかな @dzurablk_kai

もう1つステルス機には珍しい特徴として、通常ステルス機ではレーダーを反射しやすいミサイルや爆弾は機内に格納するのがお約束なのだが、A12では従来機よろしく機外へ懸架することもできたとか これは湾岸戦争みたく序盤で敵防空網を破壊した後では、ステルス性能よりも兵器搭載量が必要だから

2017-02-16 01:31:27