フォトライター、トモ・コスガの写真夜話

カメラの中からこんにちは
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言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

深瀬昌久「思えば私は生まれた時から写真の中でだけ育ってきた。もう取り返しはつかないのだが、いつも愛する者を、写真を写すという名目でまきぞえにし、私も含めてだれも幸せにできなかった。私はいつも迷いつづけ、人も迷わせた。写真を撮るのは楽しいか?」(「カメラ毎日」1975年1月号)

2017-02-17 02:26:03
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愛する人々を、自分が最も大切な感情表現であったはずの写真によって手放してきた男が、ついにはその刃で自らを切りつけたものが深瀬の最終作だった。その一枚一枚が彼の肉であり、着色は血。

2017-02-17 02:29:24
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それでも彼は最期の最期まで「写真が楽しい」という。物心ついた6歳から写真に触れてきた男が、もう一人の自分とも言えるカメラを愛し、憎み、最期の最期でまた愛せたのであればそれ以上のことはないな。ああ、色んなことが繋がった夜であった

2017-02-17 02:31:49
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川端康成のノーベル文学賞受賞スピーチは、美しい日本の私。道元禅師の「春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷しかりけり」から始まり、日本の禅へと発展する。虫の鳴き声に風情を感じることは、私一人で生きていたら感じられず、あくまでも〝美しい日本の私〟だから捉えられるのかもしれない

2017-02-18 00:04:36
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

ここでスコセッシ(遠藤周作)の『沈黙』に繋がる。〝転ぶ〟という捉え方が気にかかっていた。この言葉には日本らしさが篭る。美しい日本の私、だからこそ、身を委ねることができる。信じる、という価値観にも色々な捉え方がある。

2017-02-18 00:08:30
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CONTAX T3の人気がまたじわっていますね。ブラックは十万もするのか。修理対応終了した時点でわたしは諦めましたが、今なお根強いですねえ。

2017-02-19 00:29:39
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

Contaxと言えばプラボディの京セラ T proofも有名ですが、自分はテリーが使っていた海外版のそれに憧れたなあ。Yashica T4 SuperD。ほら、この写真で使ってるカメラ。カタログをコンパクトで撮るってのがまた当時は熱く映ったよなあ。そもそも彼の腕がいいんだけど pic.twitter.com/xFeWSUE4fr

2017-02-19 00:34:06
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ボディ前面にKyoceraと書かれているか、Yashicaと書かれているかだけの違いという。でもそれが雲泥の差に見えた。ブラックもYashica版だけだしね。念願叶って一大手に入れたけど、劣化で光漏れするんだよなあ。slim Tもよく集めた。

2017-02-19 00:36:14
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

熱くなるデザインだよなあ、T4 Super D。YASHICAと入ってるのが通なんですよ pic.twitter.com/OZRsjofhup

2017-02-19 00:40:59
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言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

T proofは大胆さに欠けますね。スペース勿体ない。今思えば、SuperDのごちゃごちゃ感はテリーのタトゥーに親和性があったのかもしれない……とたいうゴリ押し発想はいかがでしょうか pic.twitter.com/wzExjkAI1l

2017-02-19 00:43:24
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言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

よく見たらSuper D、レンズにも、その下にも、Carl Zeiss T* Tessarを書き込んでるのね。しつこいな。いや、重要なことは二度書かないといけないですからね。とにかくレンズが素晴らしいカメラ。

2017-02-19 00:45:46
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

かくいう私は大学生の頃、T4、T proof、Slim T 二台、T zoomの計5台を首から提げて通学していましたよ

2017-02-19 00:47:45
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

当時はテリーが大好きでしてね。深瀬さん同様、自らが裸体になって被写体になるってのが最高にクールでした。今から十年前、彼のラフォール展に関われたのは良い思い出。撮った写真もお気に入りです。テリーと、僕の師匠 新田桂一さんの三代にわたるコラボレーションがコチラ。 pic.twitter.com/30AovST2z1

2017-02-19 00:52:39
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テリーにかけてもらったホログラム眼鏡、実は荒木さんを取材した時にもかけてもらったやつ。これは荒木さんに気に入ってもらい、差し上げた。これは取材後、今はなき花車で撮らせてもらった一枚。当時の記事は英語版がまだあった↓ vice.com/en_us/article/… pic.twitter.com/yxk4dkGVn6

2017-02-19 00:56:13
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言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

我流の仕事しかしてこなかったが、好きな人や好きなものに突っ込んでいく十年間であった。これからもそうでありたい

2017-02-19 00:59:44
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

今更だし当たり前なことだが、フィルムの日々感が改めて新鮮に感じて日常をまた撮り始めた。フィルムで。デジタルなら簡単にできてしまう不要なカットの〝なかったことにする〟というのが、フィルムでは当たり前のよう〝なかったことにできない〟不条理さがまたなんとも。取り返しのつかなさが新しい

2017-02-19 01:03:26
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

昔との違いは家族ができたことだ。家族のなんてことのない日常がフィルムに刻まれることから生まれるセンチメンタルは忘れたくないものだ。いまそれがやりたいと思う。荒木さんの「日常の単々とすぎさってゆく順序になにかをかんじています」、これはやはり名言ですよ。

2017-02-19 01:06:09
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

「日常の単々とすぎさってゆく順序になにかをかんじています」。日常、淡々と、過ぎ去る、順序、なにか、感じる。どのワードひとつとっても成り立たない、この絶妙な写真らしさよ

2017-02-19 01:08:49
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

だからといって闇雲に作品化すべきものではないだろうね。自分が大切にしたい写真こそ、大切なところに収めておけばいい。本来の写真らしさ、家族写真、記念写真。

2017-02-19 01:11:38
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

順序、ってのが肝だよな。でも荒木さんはそれすら嘘つくんだけどさ。真面目にやりすぎんなってことですかね。寝るか

2017-02-19 01:12:35
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

荒木さんがすごいのは「日常の単々とすぎさってゆく順序になにかをかんじています」という写真家宣言を最後まで貫こうとしていることだよなあ。このたった一言のための写真。なにをかんじているのかはさ、写真を見て各々が感じてくれよ、そこまでは知らないよっていう余白も好きなんだよなあ

2017-02-19 01:19:58
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

その、なにか、を言葉で言おうとする人間なら、写真はやっていないということだ。だから自分の写真をすべて言葉にしようとしない写真家のほーが、よっぽど信頼できる

2017-02-19 01:25:12
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

だから、写真家が、喋ってくださいと言われる場面というのは、辛いだろうなあと思うんですよ。でもそこでなにをしゃべるかだよな。言葉にしてしまったら一気に自分が引いてしまう大切なところをうまく出さずに言語化してみるっていうのは、まあやっぱり荒木さんから学ぶべきことが多そうですよ

2017-02-19 01:27:27
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

海外だとステートメントから始まるし、日本もそうなってると思うんだけど。でもな、写真そのもので人の心を揺さぶることができなかったら、って話でもあるんだよ。言葉が達者すぎてもな。日本の写真家の一部には、まだそういうのが残ってる。ここで大切なのは、周りでわーわー言語化する奴らなんだけど

2017-02-19 01:29:13
言葉なき対話|写真の話をしよう @tomo_kosuga

つまり、写真家以外が足りないんだよなあ。写真についてわーわー、あーでもない、こーでもないと話す輩がとんといなくなったよなあ。好き勝手にもっと言えばいいんだよなあ

2017-02-19 01:30:18