風見SS与太話3 -るなかわるなか-

身内ネタ次元艦これSS
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白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

時は2XXX年…宿毛湾泊地を拠点とする、雪花の英雄率いる雪花艦隊は未曾有の危機に直面していた… 「こ、これは…」 雪花の英雄…この与太話の書き手によって通称「る」と称されるその少年は、自らの足でもある愛機フライトリバティーに貼られた一枚の紙を目にして愕然とした。

2017-02-20 00:45:35
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今朝、目を覚ました次の瞬間から異常には気付いていた。拠点のありとあらゆるものに同じ紙が貼られていたのだ。そして、まさかと思い発着場に駆けつけてみればこの有様なのである。 「い、一体何が…」 幼い(?)彼はこの時はまだ知る由もない。 自分が多額の借金を抱える立場になっていた事を。

2017-02-20 00:49:54
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それもそのはず、彼の気付かない間に艦隊所属の艦娘「吹雪」及び北方の某提督によって、多額の費用をかけて製作されたとても厚い薄い本『るなかのすべて(まるごとるなか)』20億部の発行、及び在庫抱え込みによって彼の財布はry (る「何してくれてるの!?」)

2017-02-20 00:55:03
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そして…物という物が引き払われ、お先真っ暗となって「るなかのすべて」を掛け布団代わりに泣き寝入りする羽目になっていた雪花の英雄の目にとまったのは、某大型商業施設…その名は…『イオンモール』 (る「!?」)

2017-02-20 00:58:11
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る「ショバ代や…!」 意を決した雪花の英雄は、更なる借金を重ねて自らショッピングセンターを開発。ここに、拠点の再起を誓うのであった…! (あらすじの語り手:雪花吹雪) (る「何でそうなるの!?探せば他に方法あったよね!?」 漣「そりゃ当然色々ありましたよ」)

2017-02-20 01:01:38
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__ 風見SS与太話3 -るなかわるなか- __

2017-02-20 01:02:03
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<<マルキューゴーゴー 正面広場 風見提督>>

2017-03-03 23:00:16
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1. る~なか~ るなか る~なか~♪ る~なか~ るなか る~なか~♪ る~な~か~る~な~か~あーあ~あ~♪ るなかるっなっか~ぁ~る~な~か~~♪

2017-03-03 23:00:42
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2. 宿毛湾に面した広大な土地に、ある日突然出現した巨大商業施設『RUNAON』。今日も午前10時を目前にしてフルーティーなテーマソングがスピーカーから流れ出し、町行く人々に間もなくの開店を知らせる。 開放直前の自動扉の前では、愛想の良い少年がお客様一人一人に挨拶を行っていた。

2017-03-03 23:02:47
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3. そんな人々の列から少し後方、RUNAON停留所に到着したバスでは、6人組が上着を羽織って下車の準備をしていた。 「ここがそうなのか?」 先頭で降りてきたのは地味な色合いのコートに身を包んだ長髪の男…風見だ。更に彼に続いて綾波、浜風、五十鈴、雲龍、鳳翔が順に降りてきた。

2017-03-03 23:06:06
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4.「はぁああ~…久々の『しゃば』の空気、美味しいです~」 「やめなさい」 降りて早々身体を伸ばしながら冗談にならない冗談を飛ばす綾波に、浜風が即座に突っ込みを入れる。 …確かに彼女の言うように、彼らは本来ここに居てはならない一団ではあるのだが、今回は特例中の特例であった。

2017-03-03 23:07:59
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5.「どこかの酔狂な提督が酔狂な物を作って、全提督に来訪機会が設けられる…全くフィクションみたいな世の中だ」 風見は目の前の建物上部で巨大な存在感を放つ「RUNAON」のサインを仰いで呆れたように息をつく。 「でもでも、そんな提督さんのおかげでこうして私達も来れた訳ですし!」

2017-03-03 23:09:36
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6. 機会の与えられた『全提督』に区別は存在せず、その中には風見達も含まれたという訳である。流石に全員で来る訳にもいかず、大淀と明石、扶桑の三人には島に残ってもらう事となったが。 最後まで留守番に不満たらたらだった明石含め3人には上等な土産を用意して帰らねばなるまい。

2017-03-03 23:11:08
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7.「よし…それじゃ皆一旦集まってくれ」 バス停を離れた6人は、建物前、通称『待ち合わせの彫像』と呼ばれる像の前に集合した。その像は筋肉質な大男を模って作られており、待ち合わせ場所として親しまれている。 特筆すべき点があるとすれば、その大男の像はウイッチハットをかぶっていた。

2017-03-03 23:12:40
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8.「モールの開店時間はヒトマルマルマルだ。それからヒトゴーマルマルまでは自由行動の時間となる」 「やった!」 堂々5時間である。綾波は嬉しさで軽く飛び跳ねた。彼女の長いサイドテールもそれに従うようにして飛び跳ねた。 「何か買ったり、食べたりしても良いんですよね!?」

2017-03-03 23:14:46
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9.「あぁ、そうだ」 「良いわね…ずっと禁欲してたし、甘い物を買い込んじゃおうかしら」 風見が首を縦に振ったのを見て、五十鈴は甘味を頭一杯に想像する。 アイス、最中、ドーナツ、ケーキ、チョコレート…どれもこれも、狭い島の中に与えられる支給品に比べれば相当な贅沢品だ。 「でも…」

2017-03-03 23:17:04
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10. そんな中浜風は不安げな顔だ。 「お金、どうすれば良いのでしょう…私達皆、個人のお金は…」 おずおずと風見に尋ねる浜風。綾波と五十鈴も「!」という表情に変わった。 「そ、そっか…あれ、よく考えてみると私達って一文無し?」 「なんか…泣けてきますね…」 二人とも涙目である。

2017-03-03 23:18:53
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11.「あーはいはいはい、大丈夫だから。お前達、そんな絶望した表情でプルプル震えるんじゃありません」 風見はコートの内側に手を突っ込むと、内ポケットから人数分の封筒を取り出し、全員に配っていく。 「軍資金だ。こういう時しか使う機会も無いからな…好きに使ってくれ」

2017-03-03 23:20:35
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12.「しれぇかあぁん…有難うございます…」 「大袈裟だな。逆に言っておくが、食べたい物も着たい服も、買える範囲でしっかり買っておけよ?」 そんなやり取りをしているうちに、時計の長針は頂点をうち… カーン…カーン…カーン… 鋼材と燃料が幾何か増える音を響かせ、正面扉が開放された。

2017-03-03 23:22:28
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

13. 同時に『ゴゴゴ…』と低い音が響き、風見達の後ろにあったウイッチハットの大男の像が腕を組んだ状態からサイドチェストのポーズに変わった。 この像は最先端の技術により、毎時違ったポージングに切り替わって周囲の人々に時刻を告げるハイテクな像なのである。 ちなみに時給は980円だ。

2017-03-03 23:25:42
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14.「時間だな。後は好きに行動するといい。ただし、一度ヒトフタマルマルにフードコートで集合だ…昼飯は全員で食べよう。それと、くれぐれも他の客の迷惑にはなるなよ」 『はーい』と元気良く返事をすると、綾波は駆け出し、浜風と五十鈴もそれを追って建物へ入っていった。 「良いのか?」

2017-03-03 23:27:50
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15. 雲龍が風見にニヤリと意味深な笑いを投げる。 口調と表情からして、雲龍ではなく照海か。 「なんだよ」 「カッコつけても、あの場所で懐に入ってくる金なんざ無いも同然だろう?」 受け取った封筒を摘まんでふらふらと振って見せ、照海が続ける。 「5時間分にしちゃ多すぎるぜ」

2017-03-03 23:29:22
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16.「言ったろ、使うアテが無いんだよ」 フン、と鼻を鳴らすと風見は鳳翔を手招きして、自らも建物…の脇の円状庭園(オーバルガーデン)へと足を進めていく。 「お前も短い休日を楽しんでおけよ」 …風見が十分遠ざかると、照海は肩をすくめ、封筒を上着にねじ込んで自分も建物の中へと消えた。

2017-03-03 23:31:07
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