- sm_14th_Invidia
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停滞竜のカブトを倒すためにクズ鉄のミサキは情報と協力者を集め始めました。 協力者の条件はこの里の人間でないこと。 力のないクズ鉄のミサキだけで停滞竜のカブトを倒すことはおそらく困難ですが、1人で停滞竜のカブトを倒せる人間に声をかけては報酬を分けられません。
2011-02-27 01:57:44しかしミサキにはこの里の人間だというアドバンテージがあります。 この里で生まれ育ち一度も外に出てないミサキだからこそ持つ人間関係、資料の閲覧権、【ドラゴン族】を倒すのに情報は必要不可欠ということを考えればそれはカブトを倒すのに欠かせないものです。
2011-02-27 02:01:44すでに【遺物族】の里は【鳥獣族】の雛を育てる役割を引き受けることで様々な人や物、そして情報が中継される里になりつつあります。 そのため様々な種族が里に集まっています。
2011-02-27 02:07:42そんな中クズ鉄のミサキは里に長期間滞在している魔法使い科とみられる男がいるのを知りました。 魔法使い科は食物連鎖ランキング8位【創造者族】や18位【黒魔法使い族】、25位【白魔法使い族】などを抱える大陸でも有数の規模と強さで知られる集団です。
2011-02-27 02:12:45「おお、幻想の魔術師マハラドよ。願わくば貴方の力を貸して欲しいのです。僕は多くを望みません、里長の褒美のうち、新しい人生を歩めるだけのお金が貰えればいいのです!」
2011-02-27 02:24:31「クズ鉄のミサキさん、貴方の言うことはよくわかりましたしその計画は検討に値する物でしょう。そして私もある事情によりお金を必要としている。しかし私は貴方に力を貸すことはできないのです」
2011-02-27 02:26:36クズ鉄のミサキがその理由を問うと幻想の魔術師マハラドは答えました。 「私は【源魔術師】が故に貴方に貸すだけの力がないのですよ」
2011-02-27 02:29:49【源魔法使い族】、それは魔法使い科の間では【真魔法使い族】とも呼ばれる真性の魔法使い。 彼らの《善行》は「魔法の真理を探究すること」彼らの人生はその全てが魔法のためにあり、魔法のために魔法の研究をし続ける。
2011-02-27 02:32:02多くの魔法使いにとって魔法は手段です。 「やりたいこと」を達成するための道具として魔法はあります。 しかし【源魔法使い族】にとって魔法は目的です。 彼らの研究は魔法のためにのみ行われ、その発見は魔法の研究の中で役に立ちます。
2011-02-27 02:35:06人生のために魔法を使うのではなく魔法のために人生を使う、そんな彼らだからこそ彼らはほぼ役に立つ魔法を使うことができません。 彼らの食物連鎖ランキングは76位。 彼らはその知識を除けば非力なだけの種族です。
2011-02-27 02:37:20ですが多くの魔法使い科は彼らを【真魔法使い族】と呼び、敬い、保護して、研究を続けられるよう資金提供しています。 魔法使いたちは知っているのです、【源魔法使い族】がいるからこそ魔法は発展するのだということを。 彼らがいなければ魔法は歩みを止めてしまうと。
2011-02-27 02:39:13幻想の魔術師マハラドは続けます。 「私はあらゆる奇跡を起こせない、貴方に貸す力を持っていません。ですが、わずかばかりの見返りを分けてくれるのならば知恵を貸しましょう」
2011-02-27 02:42:34幻想の魔術師マハラドもまた多くの褒美を求めません、ただ研究を続けられるだけのお金があればいいのです。 マハラドはかつて魔法使い族の里で研究していたのですがある理由によって追放され、この里にやってきたのです。
2011-02-27 02:45:54追放された理由、そして里に長期滞在している理由、それを幻想の魔術師マハラドは語りませんでした。 しかし、《善行》をなすことができない苦しみを持つ二人はすぐ意気投合して、ともに停滞竜のカブトを倒すことを誓いました。
2011-02-27 02:49:29マハラドはミサキのもつ多くの情報に目を通し結論付けました。 「カブトを倒すことは、おそらくできる」
2011-02-27 02:52:24「今はその手段を思いつかないけど、足跡や食べる食料の量から小型から中型程度の【ドラゴン族】であることが推測される。 そして行動が予測できるというのがなにより大きい、いくらでも罠をしかけることができる。 能力はパッシブだから発動に反応するタイプの罠は使えないけど方法はおそらくある」
2011-02-27 02:54:30クズ鉄のミサキと幻想の魔術師マハラドの次の問題は【ドラゴン族】を倒すだけの力、エネルギをどこから調達するかということになります。
2011-02-27 02:56:25