『私が出会った愛すべき読書家』（抄録）

しまだゆういち @chimada

#twnovel 「なんであなたは本を読むのですか」「うーんとねぇ。劣等感？」「劣等感」「私ってさー、子供の頃から『頭悪い』って言われてきてさー。悔しくて。それで、本を読むと頭よさそうじゃない？だから私、本を読むの」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より）

しまだゆういち @chimada

#twnovel 「本当に読みたい本なんて、ごく僅かなんだ」と、彼は私に言った。「けれど、そのような本に出会うには、何冊もの本を読まなければならない。そのうち、何が本当の目的なのだかわからなくなる。読書は、中毒だ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より）

しまだゆういち @chimada

「読む前に考えろ。考えながら読むな。読んだ後に考えろ」「それが、読書の秘訣ですか」「お前はバカか。読書に秘訣なんてない。そこにあるのは流儀だけだ。だから、お前はお前の『読書』を見つけろ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「小さい頃は、本を読むのが無性に楽しかったのね」「ええ、僕もそうでした」「けれど、大人になると、そういう気持ちは無くなってしまう」「……ええ」「でも、大人には大人の、本の楽しみ方って、あると思うの」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

｢頭のなかに何も残らないように、本を読みたい｣｢けれど、それでは、本を読む意味が無くなってしまうのでは？｣｢つまり、君は、何か。生きていることに意味はないと？｣(ノーマン・アジェステイヴ『私が出会った愛すべき読書家諸氏』より) #twnovel

しまだゆういち @chimada

「結局、読書って『読むか読まないか』なの」「はぁ」「『上手な読み方』なんて、くだらない」「なるほど。しかし、私はそれを知りたいのです」「あのね。読書なんて無駄なのよ」「え？」「無駄を楽しみなさい」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「よく寝て、よく食べて、よく遊ぶこと」「それが、『よい読書』につながると？」「あなたね。体を大切にしなさい。読書は体でするものなのよ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より）」 #twnovel

しまだゆういち @chimada

「本を読むことはひとつの技術なの」「どういうことでしょう」「どんなことでも、やり続ければ上手になるってことよ」「読書もですか」「ええ。私はそう信じてる。だから、私は本を読み続けられるの」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読書は、堕落よ」「あなたが、そう言いますか」「私だから言うの。あなたは、まだ間に合う。読書なんて止めて、代わりに人を愛しなさい」「あなたは、どうするのですか」「私は―ほら、見ての通りの罪人ですから」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

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「読書のポリシー？」「ええ。そのことについて聞かせてくれませんか」「うん、そぉね。特に無いわ」「ない？」「強いて言えば、『ポリシーを持たないこと』かな」「そういうものですか」「私、迷ってばっかなのよ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読書の責任は、明らかに読書をする側にある」「それは、どういうことでしょうか」「読書がつまらないのは、本のせいではない。作者のせいではない」「読者のせいだと？」「自分の読書は、自分で面白くしようぜ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「必要以上に感情を交えた読書を、私は嫌います。読書は本来、イメージの交換でしかないから」「なるほど。しかし、感情があるから人は本を読むのではないでしょうか」「私は何も感じずに本を読みたいんだ」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読書をしている人に伝えたいことはありますか？」「そうですね。じゃあ、本が好きな女性に。『僕の部屋に来ないかい？他では見られない本が揃っているよ』」「そういうことでなくて」「違うのかい？」「違います」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「つまり読者は、編集者や作者とともに、『本』という文化の維持・発展に貢献しているのです」「なるほど」「―と、あなたは素直でからかいがいがある」「え？」「それは、本を好き勝手に読みたいがための口実です」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読書は長距離走のようだ」「ペース配分が大切になる、ということでしょうか。例えば、序盤は勢い良く、中盤は速度を保ち、終盤には残った力を振り絞って走る」「違う。私が言っているのはつまり、『体力がいる』」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「いま、何をお読みになっているんですか」「私、数冊を並行して読むけど……例えば『論理哲学論考』」「難しそうな本ですね」「そうね。私もよくわからないわ」「なのに、読んでいる」「わからなくても楽しいの」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より）」 #twnovel

しまだゆういち @chimada

「恐ろしいことに、本は本を引き寄せるのです」「わかります」「だから、放っておくと、ご覧の通りの惨状になるわけです」「はい」「私、これでも頑張ったんですよ」「もう、何も言わないでください」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「これまで読んできた本で、一番好きな本を教えてください」「ふざけないで！」「え、あ、」「そんなの、決められるわけ無いでしょ！？どの本もどの本も、私にとっては大切な本なんだから！」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「大切なのは、本を読む速さではありません。どれだけの時間、本に触れたかということです」「なるほど」「そうは言っても、本を読むこと愛することが人の道に反していないか、私にはわかりませんが」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読まなければならない本なんてないの」「どういうことでしょう」「あなたが読む本はあなたが決めていいの」「そうでしょうか」「そうよ。本を読まない人の価値を、あなたは否定できるかしら」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「読書には様々な方法があります」「どういうことでしょう」「私の友人は、本を絵を眺めるように読むそうです」「なるほど」「私は音で読みます。文字が母の声になって、私の耳に聞こえてくるのです」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「私には本の声が聞こえます」「はぁ」「書店に入ると、愛らしい少年のような声が聞こえるのは、本が私を呼んでいるから。『僕を連れて帰って』と」「なるほど」「買わないわけにはいかないでしょう」「わかります」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel

しまだゆういち @chimada

「本と悲しい関係を築くことなかれ」「それはどういう意味でしょう」「私ね、ずっと、本と上手くいかなかった。傷つけ合ってきたの。勿論、今は幸せよ。でも、あなたには私達と同じような過ちを犯して欲しくないの」（ノーマン・アジェスティヴ『私が出会った愛すべき読書家』より） #twnovel