ドワーフのダンガムと息子のはなし #ぴくめす

擬態オーク 他種族の牝の腹を借りて繁殖するオーク、ごくまれに母の形質を強く受け継ぐものもいる。 pixivのR-18企画 【pixiv牝化騎士団陵辱】 略称 ぴくめす 企画目録 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6313499
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帽子男 @alkali_acid

「相手にすがるのではなく、自らの勢力を蓄え、奪い取れるほどでなくては」 「というと」 「息子さんと同じような生き方をして、立派に生きていける沢山の戦士が森に満ち、王国に匹敵する強さを示せばいい。そうすればもはや無視も拒絶もできなくなる」

2017-04-10 02:16:47
帽子男 @alkali_acid

「どうやって」 「息子さんの息子、つまりあなたの孫を沢山育てなさい」 「しかし、どの家もあいつとの結婚など認めない…女が近づくのを許さないだろう」 「なるほど…しかし…方法はなくもない」

2017-04-10 02:17:41
帽子男 @alkali_acid

「どうすればいい?あいつが結婚して幸せになれるなら俺は何でもする。この腕を差し出してもいい」 「腕だけでは足りぬやも」 「山ノ下一の鋼の鎚を作り出すこの腕で不足?ならば脚も、肚も、首だってくれてやる!!」 「おおそれならば…」

2017-04-10 02:18:49
帽子男 @alkali_acid

ローブの袖が持ち上がり、しなび萎えた手が古木の枝のよう伸びて、奇怪な印を虚空に刻む。黒い霧のようなものが手のひらから溢れ、ゆっくりとダンガムを包み込む。

2017-04-10 02:20:05
帽子男 @alkali_acid

「ああああ!あっこれは…なんだ…俺はどうなった…ヒゲがない…腕がこんなに細く…何をした」 「人間の男に比べればまだまだたいした筋骨ですよ。なりは小さいが、ドワーフは丈夫だ。あなたの妻のようにね。何匹でも産める」 「何を…言う…」

2017-04-10 02:21:40
帽子男 @alkali_acid

「わしの不在のあいだに、たいした活躍ぶりであったなダンガム。鉄の鎧兜で身を固め、嵐のように鉄槌を振るってオークを挽き殺す姿は、まるで鋼でできた死神のようであったと、わずかに逃げ延びた生き残りから伝え聞いたぞ」 「お前は…」

2017-04-10 02:23:16
帽子男 @alkali_acid

「望み通り、お前の息子達は山ノ下の国に入れるであろうよ。一度門を押し通り、暗闇の中に散らばれば、奴等に見分けなどつくまいの」 「おのれ…お前は!!」 「数世代のうちに、お前の息子達は本来の姿形に戻るであろうが…そのときにはすでに山ノ下はことごとく我等のものとなっておる」

2017-04-10 02:25:35
帽子男 @alkali_acid

「お前は!ぁ…ぁっ…」 「わしの匂いが効いてきたか、芯まで牝になった証よ…だが孕ますのはわしの仕事ではない」

2017-04-10 02:26:10
帽子男 @alkali_acid

「おっどお…おっどぉの匂いなのに…牝だ…牝だあ」 「よせ…息子よ。このローブの男を…倒せ、やつは…ドワーフの…て…」 「牝ぅううう!!」

2017-04-10 02:27:06
帽子男 @alkali_acid

「宝石、黄金、白銀、黒鉄、赤銅、陶磁。機械に細工、くだらぬ遊び…すぐに解き放ってやろう…つまらぬ技前を比べ競う戯れから。ただ殖え、洞という洞に満ちる。鍛冶の祖だと?山の火の炉だと?代わりに頑丈な牝どもの胎がもっと凶暴な戦道具を産み続けるのだ」

2017-04-10 02:30:30
帽子男 @alkali_acid

黒いローブの影は高らかに笑うと、森の影に紛れて消えた。

2017-04-10 02:31:21
帽子男 @alkali_acid

やがて山ノ下では、奇妙なドワーフの噂が広がる。それはいかなる技も振るわず、ただ女を惑わせ、暗い坑道の奧へ誘い込み、そして二度と元の場所へ返さぬ。 はじめは一匹、二匹、三匹と、ドワーフもどきの数はしかしやがて増え行く。

2017-04-10 02:33:09
帽子男 @alkali_acid

とうとう施療院の女患者がまるごと姿を消したという。噂ではドワーフもどきの匂いをかぎとった元銅線紡ぎの女が手引きをしたとか。

2017-04-10 02:34:50
帽子男 @alkali_acid

山ノ下の王国がその後どうなったかはようとしてしれない。外へ取引に来る職人も絶え、王国の入り口となった隧道はそこかしこが崩れ、もはやよそものには立ち入ることすら難しくなった。

2017-04-10 02:36:36
帽子男 @alkali_acid

だが今もドワーフ達は生き続けているともいう。いや、もはやそこにいるのはドワーフではない、姿形を装うのをやめ、元の醜く汚らしい外見に戻ったオーク達が、かまどより丈夫な胎を持つ苗床を無数に抱え、ひたすらに殖え続けているだけだとも。

2017-04-10 02:38:03