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丸いやつ展示会場

私が趣味で集めている(主に)鉱物の丸玉がいつの間にか結構な数になっていたので、鉱物の紹介&覚書き&自慢を兼ねてまとめておきます。
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どうも、ゲーマー兼SF映画マニア兼時々放射線科医のPKAです。先日、収集癖が高じて集めまくった「主に鉱物の丸玉」のコレクション棚をアップしたところ、わりと多くの方に面白がっていただけたようなので、自慢を兼ねて1個ずつ紹介していこうと思います。

せっかくなので鉱物の特徴なども書いていきますが、鉱物に関しては私よりずっと詳しい方が多いと思うので、もし間違ってたら指摘していただけると助かります。

まずこちらが棚の写真。私が集めているのは基本的に直径4~6.5cm程度の丸玉です。「せっかくの鉱物に人の手を加えるのは無粋」と言われることもあり、鉱物の自然な形状である結晶の形が楽しめない点で一部同意でもあるんですが、形状を統一することで見えてくる自然の造形(断面も自然の造形です)の違いというのもありますし、色とりどりの惑星を眺めるようで、これはこれで悪くないと個人的には思っております。

あと、球体は強度があるので、こういうのにベタベタ触れたがる私の性格に向いてるんですよね(手に取るのに丁度いいのが上記のサイズなのです)。

【蛍石(ほたるいし - フローライト)】

最初の白っぽい緑色の蛍石は、私が東急ハンズの展示販売で気に入って手に入れたもので、このコレクションの最初の1個、つまり「沼の入口」となった石です。たった1000円の石が命取り。

蛍石はフッ化カルシウムを主成分とする鉱物で、基本は無色透明ですが、含んでいる不純物によって緑や青など様々な色を呈します(市販のものは特に緑色のものが多い印象です)。「蛍光(fluorescence)」という言葉の語源になっていて、紫外線を当てると蛍光を放つのが特徴のはずですが、我が家のは3つとも「光ってる…かも?」くらいなものなので、そういうのも中にはある、程度に見た方がいいのでしょう。

劈開(結晶構造に沿って割れること)を起こしやすい石で、正八面体に割れます。丸玉に入ってるクラック(ひび割れ)も、よく見ると正八面体の格好になってたりします。

PKA画像アップ @PKAnzug_pict

蛍石(同じ石の方向違い2枚+透過光撮影1枚) pic.twitter.com/JHxqjQAKFe

2017-04-19 09:47:14
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これは最近手に入れたやつですが、これも蛍石(のはず)。普通に見た感じはパッとしませんが、光に透かすと非常に美しい多色層状の構造が見えます。あと、この石だけはクラックがほとんどないんですよね。

【石英、水晶(クォーツ)】

二酸化ケイ素の結晶した、極めてポピュラーな鉱物です。先の尖った六角柱の結晶は誰でも知ってるレベルですし、「水晶玉」として球形に加工されることも非常に多い石です(ただ、クラック1つ無いような大きい水晶は希少なので、市販されてる綺麗な「水晶玉」はほぼ人工水晶かガラス玉です)。

日本語では、鉱物としての名前は「石英」で、そのうち透明度の高いものを「水晶」と呼びますが、ほぼ真っ黒な「黒水晶」というのがあったりしますし、単に透明度が低い石英を「白水晶」と書いてるのも見たことがあるので、あまり厳密な分類ではないようです。

また、非常にポピュラーなこともあって、色や格好によっていちいち違う名前が付いています。以下、しばらく石英(水晶)のサブグループが続きます。

【紫水晶(アメジスト)】

水晶に鉄やアルミニウムが混じることで紫色になったものです。水晶のカラーバリエーションとしては恐らく一番有名。実は変色しやすく、紫外線に晒し続けると色が褪せたりしますし、ちょっと加工して他のカラーバリエーションを人為的に作るのにも使われます。

産地によっては白石英と紫水晶が層状に折り重なった状態で出てくることがあり、模様がギザギザの山に見えることからシェブロン(山状)・アメジストと呼ばれています。写真は見事な山模様に惚れ込んで中国の業者から買ったもの。第12使徒レリエルではありません。

【紅水晶(ローズ・クォーツ)】

水晶にチタン・鉄・マンガンといった不純物が微量に混じると、全体にピンク色を帯びた紅水晶になります(着色の原因に関しては諸説あるようです)。ピンク色でかわいらしい上に、基本的にあまり希少でなくお安いので、装飾品として人気がありますが、不純物が増えて鉄まみれになると血や泥水のような色になり、名前も「赤水晶」「鉄水晶」などに変わります。

【煙水晶(スモーキー・クォーツ)】

ケイ素を置換したアルミニウムが放射線を浴びることで灰色に曇った水晶です。紫水晶に放射線照射をして、人為的に作られることもあります。色が濃くなって真っ黒になると「黒水晶(モリオン)」と呼ばれるようになります。私の持ってるコレ(インドの業者から購入)が人為的なものかどうかは神のみぞ知る、です。

【黄水晶(シトリン)】

鉄などの不純物により水晶が黄色く色づいたもの。大したことないように見えて天然物は希少で、紫水晶を加熱して作られることが多いんだそうです(私が持ってるのも安かったので多分そうでしょう)。なお紫水晶が自然に加熱されて中途半端にシトリン化した状態で産出されたものを「アメトリン」と呼ぶこともあります。
また、上記のもの以外に、硫黄が混じることで黄色くなることもあるそうです。

【鉄石英(フェルジナス・クォーツ)】

PKA画像アップ @PKAnzug_pict

鉄石英(同じ石の方向違い) pic.twitter.com/kDMpnChSFb

2017-05-19 03:50:20
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紅水晶の項でも書きましたが、石英に混ざる鉄が多くなると、こういうゆるふわ感のない赤色が出ます。もっと真っ赤っ赤に染まるものもあるんですが、これは赤い部分と白い部分が混じり合っていて、そのコントラストが美しい石です。なお、これは白い部分にもそこそこ不透明な部分が多いので、「鉄水晶」ではなく「鉄石英」としています。

【針入り水晶(ルチレイテッド・クォーツ)】

二酸化チタンの鉱物である金紅石(ルチル)の針状結晶が水晶に取り込まれたもの。日本語では通常「ルチル・クォーツ」と呼ばれています。このように結晶内部に別の鉱物が含まれること(あるいはその含まれたもの)をインクルージョンと呼びます。

【トルマリン水晶(トルマレイテッド・クォーツ)】

水晶の中にケイ酸塩鉱物である電気石(トルマリン)の柱状結晶が含まれたもの。「ススキ入り水晶」とも呼ぶそうです。私が持っているものは見ての通り透明度が低いので、トルマリン石英と呼ぶべきかもしれません。なお、水晶にドリルで穴を掘って塗料を入れるという、超ダイナミックなやり方で作られた偽物もあるそうです。

【山入り水晶(ファントム・クォーツ)】

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