個人的メモ 『松前慶広宛秀吉・家康印判状の文書論的考察 : 夷人(仁)への非分禁止が意味したもの』の小感想

そのまんま
1
帆船ハッカ @kotosakikotoko

松前(蠣崎)慶広に対する秀吉の朱印状及び家康の黒印状については、上田哲司センセの論文が個人的に好き。 ci.nii.ac.jp/naid/400205113…

2016-10-22 00:18:27
帆船ハッカ @kotosakikotoko

蠣崎慶広に出された秀吉の朱印状って、・蝦夷人や地下人への非分禁止・船役徴収の公認・これに背く者の報告義務と政権による誅罰の確約、からなるけど、上田哲司先生は(発布された占領地を味方の地であると宣言する)一国禁制や掟書との酷似を指摘し、これにより『蠣崎氏の領分を「味方の地」と(続

2016-09-21 00:20:11
帆船ハッカ @kotosakikotoko

宣言する事で、慶広を秀吉の軍令権下に組み入れ、「夷人」と「地下人」を鎮撫する権力を与える、という意味が込められていた』と指摘する。これによって夷人は(実情はどうあれ)観念の上では秀吉権力(さらに言えば日本国家)の内部に編入され、蠣崎氏はその夷人への取り締まり権を得たとするなら(続

2016-09-21 00:21:11
帆船ハッカ @kotosakikotoko

朱印状はやはり国家による蝦夷地支配の一歩になったんだろうなぁ、と。 また、徳川家康黒印状では、黒印状の内容への違反者の処罰を松前氏へ委任している、という点において、船役徴収の公認のみにとどまらない大きな権力の付与だよなぁ、と思う。

2016-09-21 00:22:05
帆船ハッカ @kotosakikotoko

朱印状によって蝦夷の立場が日本国の外に設定されたのかなかに設定されたのか、っていうのは論争があるけれども、上田先生は中にあるもの、という認識を示している。となると、蝦夷に対する保護ともとれる文言も、(実情はどうあれ)あくまで日本国の支配下にある民に対するもの、という形になる。

2016-10-22 00:27:06