【グランクレスト大戦】黒套騎士譚②【異聞絶望】

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「貴様の所有物を壊せば、当然腹が立つだろうが。 彼が壊れたら ――君は悲しむな？」 騎士は、微笑んでいた。

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K 「悲しんだら、何だと言うの。 …………もうすべて、とっくに、終わっているのよ｣ その笑みはどこか、寂しげでもあったかもしれない。 「王子様なんて一度も居たことはないわ。 今だってどこにも居はしない｣→

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K 「ワタシが望む配役は、ただ狼を撃てる猟師。 それくらいならアナタにだってできるでしょう、ラコート・マルタイユ｣ 勢いのままに〈剣〉がラコートに追い縋る。懐からの疾い剣閃が胴を斬り上げる。 ーーーー遊びの時間は終わりだ。 そう、言っているようにも思えた。

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「……静寂兵が全員、貴様のようなものであったのならとっくにこの大陸は塗り潰されていただろうな」 牽制するような突きの三連。 「“唯一悪”……それを名乗る女王に仕える貴様は、悪か？それとも、忠義や愛に殉じた結果が悪なのか？」 更に一歩踏み込んだ袈裟斬り。 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 騎士は、逃れるどころか敢えて後退する。 美しく寸分の狂いもなく叩き込まれる一閃。 純粋な軌道。 故に、騎士が後方へ突き出した石突は、〈剣〉の手を正確に捉えた。 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 騎士の振り返り様の薙ぎ払いを〈剣〉が避けたのと、 騎士の足元へ、忠節を捧げ続けた従者の剣が落ちたのはほぼ同時の事であった。 警戒を緩めぬまま、騎士はその剣を拾い上げる。 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「終わってなどいない。 本当に全てが終わっているのなら、貴様は此処に立ってはいない。 憎しみを抱きはしない。 悲しみを抱きはしない。 寧ろ終わり損ねたのがこの結果だ。 取り返しがつかない事と、終わった事とは似て非なるものだ」 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 武器を失い攻め手に欠けた〈剣〉は、戦闘態勢こそ崩さぬものの、静観に移りつつあるようだった。 騎士は女王を見咎めた。 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「私の配役は私が決める。 “王子様”にも“狩人”にも“勇者”にもならない。 私は“悪役”だからだ。 貴様と並行する存在であって、対峙する存在ではない」 その声音は、揶揄するものでも、弄するものでもなく。 甘く粘ついた毒気はなく。 ただ、語りかけるような平静な声で。 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 騎士は、左手に握った直剣を眺めた。 「本当は、君の為の“死神”になろうと思っていた」 黒く凍てついた従者と女王を見遣る。 「けれど今は、それも違うと思っている」 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「貴様が“悪”として誅された所で、 君の物語は打ち切りになるだけだ。 それも一つの結末だが、私が望む結末はそうではない」 薄い金の瞳を見詰めて。 「『君の物語に終焉を与えよう』」 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 「君が残してきたもの。 君を置き去りにしていったもの。 君が今刻んでいるもの。 それらを集め、束ね、紡いで。 君の物語へ結末を運んでいこう。 それが、私のしたいこと。 “舞台装置”である私の役割」 →

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica 直剣を一度立て、それからベルトに挟み。 「だから、その終止符の一つとして、この剣は預からせて貰う」 「また会おう」 語るだけ語ると、騎士は駆け出し去っていく。 追う事は容易である。 今からでもほんの一振りで首を跳ねられるだけの距離。

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K 「待ちなさい｣ 女王は声こそ制止したが、その手が飛刃を発することはなく。 〈剣〉が判断を迷った隙に、剣泥棒は予め図ってあったかのように道なき道を駆け去っていった。 「……………………何て、言った？｣ “終わってなどいない” “君の物語に終焉を与えよう” →

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K 「………………随分と回りくどいことするのね｣ 吐き捨てるように、どこか自嘲的に女王は呟く。 . . . 「終われば、何だっていいわよ。 こんな最低で惨めで、悲しいだけの物語｣

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K ーーーーーーー 「といったところで終了でいいかしらね。お時間いただいてごめんなさいね！　これまででも最高難度のロールだったわ…………｣ 「奪った剣の使い道を楽しみにしてるわね。おつかれさま｣

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

@MaleficiaUnica ありがとうございます。 本当に難しいボール投げてしまったので、こうして綺麗に投げ返していただけるだけで本当に有難いです。感謝しかないです。お疲れ様でした。 貰った以上、きちんと輝かせられるように頑張ろうと思います。 剣のイメージとかあるならDMとかでお聞きして良いですか？

マレフィシア@異聞反英雄君主 @MaleficiaUnica

@gc_340K 「難しいのわかってて指名したからそれでいいのよ｣ 「わかった、DMするわね｣

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

『ラコート・マルタイユは老化していない』 情報出したけど、これは「見えないピアノ線」「犯人はゴ⚪︎ゴばりのスナイパーなので2km先から仕掛けを起動できる」みたいな、シチュエーションと展開の為に半ば強引に継ぎ足された設定だからクリティカル部分ではない。

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

不老不死人外展開じゃないから殺せばちゃんと死ぬよ。安心安全だよ。

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

ようするに、最初は⚪︎興味/敵愾心だったけど、今は⚪︎期待/偏愛に寄ってるくらいのアレです。

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

ラコート(？)「今まで私に弱点はあれど死角は特に無いと思っていたのだが」 わたし「マジで言ってんの？？？」 ラコート(？)「他人を憎み嫌うのが苦手な事に気がついた」 わたし「他にもっと見直すべき事があるのでは？」 ラコート(？)「………………」 わたし「なんでそこで考え込むんだ」

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

わたし「その自己肯定感はどこから来たの？」 (？)「自然に」 わたし「正直、騎士様モード時を除いて人生で他人に好かれた試しが無いと思うんだけど、なんで自信満々なの？」 (？)「他人に嫌われるのがやりたい役割でもあるし、私がこの世に居る意味は隣人からの評価の為だけではない」

らこーと・まるたいゆ @gc_340K

(？)「少なくとも私は私を必要としているし、世界は広い。私が直接出会った相手全員から嫌われていようと、巡り巡って遠くの誰かに感謝されている事もあるだろう。仮に生きているうちに会えなかったとしても、後世の人間が評価してくれるという事もよくある」 わたし「ポジティブ野郎かよ」