【取扱い注意】

りえこ @eighter_rieko83

51 真面目で恥ずかしがり屋さんやから、普段はイヤがるけど…この様子からして、ちょっとは心も落ち着いて、甘えたくなってきたって思ってえぇやろか？ それやったら思いっきり甘えて欲しいなぁ…。 「今日早よ帰れそう？」 『うん。』

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52 「俺もなるべく早よ帰るから、今日はデリバリーでも取ってさ、ゆっくりせぇへん？」 『いいよ、あたしちゃんと作…』 「えぇから家事はお休み！土日はさ、天気もえぇみたいやし、洗濯とか掃除とか、まとめて２人でやろーや？せやから、今日明日は家事しんとき？な？」

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53 『…ん…じゃあ…そうする…。』 そう言って、コテンと俺の肩におでこを乗せた。 はぁ～良かったぁ…やっと元気な彼女に戻ってくれそう…♪ いちゃいちゃできそ～やし…幸せやぁ…！ ん？ なんか…視線感じる…？？ ふと目線を上げて見渡す…あ…。

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54 デカイから、この人だらけの電車の中でもその顔をすぐ発見できたで…おーくら…。 俺と目が合うと、ひと睨みして、ぷいっと目を逸らした。 …アイツ…本気で彼女に惚れとるんやろか…。 きのうの早い時間の電車…今日のいつもの電車…どっちでも会うって偶然とは思われへんのやけど…。

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55 電車でも会いたいくらい、めっちゃ好き…？ でもごめん！ もしそーでも、彼女は譲られへん…。 彼女だけは絶対…！ 『しょーちゃん…じゃ、降りるね…。』 いつの間にか彼女の降りる駅。 「ん、気ぃつけてな？」 腰に回した手をゆっくり離れて、ドアの外で俺に手を振る。

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56 それに応え手を振りながら、彼女の背後で階段を降りてくおーくらを、彼女に気付かれんようにチラリと確認した…。 『ヤス、これ今日の打ち合わせの資料。ちゃんと確認しといてや。』 横山主任が俺のデスクへ。 「打ち合わせっすか？」

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57 『相手先…村上さんと丸山さん？今日来るんやって。』 「えっ？！」 なんや、嫌な予感…。 『色々詰めときたいんやて。もちろん、その後は接待やで？』 や、やっぱりー！！ 「それ…俺も行かなあかんですか？」 『アホか！当たり前やろ！誰が取ってきた契約じゃ！？』

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58 「…僕です…。」 『そのお前がおらんでえぇわけないよな？』 「…はい…えぇわけないです…。」 『ほんなら、そゆことやから！』 肩をバシッと叩いて主任は去っていった。 あぁなんでや…なんでこんな日に…。

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59 彼女に連絡せな…LINE…やと、彼女の反応がほんまかわからへんな…。 ウズウズしながら昼休みになる時間を待った。 『もしもし、しょーちゃん？どうしたの？』 「あっ…ごめん…あのなぁ…、」 『あ、今日お仕事で遅くなっちゃう？』 うっ…さすがやな…カンがいい…。

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60 「…せやねん…接待やって…俺の顧客やから…俺行かなあかんて言われてん…。」 『あははっ、それは行かなきゃだね！』 笑ろとる…。 それはそれで凹むねんけど…いちゃいちゃしたいの、俺だけなんかなって…。 『…しょーちゃん…？』 「ん…？」

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61 『さびしいけど、お仕事はしょうがないよ。土日は一緒に居てくれるんでしょ？』 「もちろんやん！！」 『だったら、今日はお仕事優先して？てか、しなきゃダメでしょ？』 「うん…。」 『今日の予定は明日に延ばそ？明日は早く帰れる？』 「帰れる！てか、意地でも帰る！」

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62 そう、明日は待ちに待った金曜日！ 彼女を喜ばせる為、俺が料理すんねん！ それは張り切ってんねんから…！ 「ん…そやな…明日ゆっくりしよな？ほんま、ごめん。」 『いいってば！じゃ、午後もお仕事がんばってね！』 その言葉だけで、元気になれます！

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63 打ち合わせを経て、居酒屋へ到着。 『いやいや、ほら安田くん、もっと飲んで！』 楽しそうな村上さんは、俺にどんどん飲ませようとする。 でも、彼女の許可を得たとはいえ、少しでも早く帰りたいなー…って思ってて。 でも飲めば飲む程何故か元気になる村上さん…。

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64 『ヤスく～ん、まだまだイケるやろ～！』 勧めるスピードは落ちるどころかアップする。 『ヤスぅ！ほれ、もっと飲めって！』 結局フラフラ千鳥足っちゅうやつや…。 「ただいまぁ…。」 時計を確認する…そら寝とるわな…。 とりあえずシャワー…。

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65 シャワー浴びたら、ちょっとスッキリ…。 彼女を起こさないように、そっと隣に。 起こしそうやから、今日の腕枕は諦め…と、彼女が寝返りをうって、そのまま俺にしがみついてきた。 おぉ…ラッキー…！ もちろんそのまま抱きしめる。 …あー…幸せ…！ そしていつの間にか眠ってた…。

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66 金曜日、今日はしぶやんが異様に甘えてくる。 《やすぅ～これどぉしたらえぇのぉ～？わからへ～ん。手伝ぉて～？》 いや、手伝うのはえぇねんけど、俺には今日、たいっせつな用事があるから、残業は絶対せぇへんで？ってなもんで。

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67 《なんでこんな書類整理俺がせなあかんの？パソコンぜんっぜん分からへんのに…。》 「でもコレ、しぶやんのお客さんやんかぁ。ちゃんと自分でせなあかんや～ん。て…めっちゃ溜めてるやん…。」 《貯金好きやねん。》 「それ真顔で言うのやめて？あと貯金と書類溜めんの全然ちゃうから。」

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68 ヤバイ…これ全部付き合ったら確実に定時帰宅は無理や…。 「しぶやん！！気合いや！！」 そう言って、猛スピードでこなしていく。 「ちがう！！これは、こーやってぇ！」 《…ヤス…こわい…。》 「こわない！！ここ！早よ！亮！！」 『へっ？！』 「亮も手伝って！」

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69 『俺もっ？！』 有無を言わせず書類を押し付ける。 そしてあっという間に過ぎる時間…。 終業時間を告げる音。 「あかん！！」 自分のデスクをバタバタと片付ける。 「じゃ！亮、後は任せた！ごめんな！」 『えぇっ？！』 鞄とジャケットを持って、慌てて会社を出た。

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70 一目散に駅へ。 そして、電車に乗り込んですぐ彼女にLINEする。 “もぉ会社出た？” “もうすぐ出るよ” よっしゃ！セーフ！！ “ごめーん！いつものお店でいつものワイン買うてきてくれへん？俺、もう電車乗ってしもて…m(｡>__<｡)m”

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71 “もう電車乗ったの？早いね！いいよ！ワイン買ってくね♪(๑و•̀Δ•́)و” よし！作戦成功！ 急いで買い物して、帰ろ！ で…果たして…これが料理と呼べるのかは疑問だが…。 『ただいまっ…えっ…？！』 「今日の晩ご飯…これでえぇ？もぉ…だいぶ暖かいねんけど…。」

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72 テーブルの上では温かい湯気が立ち上ってる。 『これ、しょーちゃんが作ってくれたの…？』 「作ったって…野菜切って鍋に入れただけやねんけど…。ごめん、こんなんしか作れんくて…いや、もっと時間あればもうちょっとはマシなもん作れ…」 『嬉しい！ありがとう！』

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73 彼女が全開の笑顔で飛びついて来た。 こんなに喜んでくれるやなんて…予想以上…。 『あのね…、』 抱きついたまま、小さな声。 『今週…色々あってしんどかった…。』 「うん…。」 『色々心配かけて…ごめんね…。』 「全っ然えぇよ…がんばってるおまえも好っきやで？」

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74 『ありがとう…わたしも…章大だいすき…！』 あ、呼び捨て久しぶりやん…♡ 嬉しくて抱きしめる腕に力が入る。 「でも、がんばり過ぎんでな？」 『うん…。ふふ…苦しいよ～！』 「あっ、ごめん！」 『ね、お腹すいた！食べていい？』 「もちろんっ！食べよ♪」

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75 食欲無かったのが嘘みたいにモリモリ食べてくれて…つられて俺も食べ過ぎてもーた。 こんなにおいしそうに食べてくれて…良かった～作って…！ 片付けは２人並んで。 「な、お風呂一緒入ろ？」 『えっ…///う、ん…いいよ…。』 「やったぁ♪じゃ片付け終わったら！」