番外編1(典ソハ現パロ)

気分を変えて、典ソハ現代パロの番外編です 内容は一期×一期となっております
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パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 刺客は、敗北と同時に存在理由すら失うのだろうか。 「お姉さん膝貸してね!」 包丁はちゃっかりパピヨンの膝を陣取る。 疲労から眠った姪っ子と二人分でパピヨンは身動き取れない。 「いちさん、あの…ありがとうございました」 「いえいえ。正直私も足が震えてたわよ」 記憶の復活と覚醒。

2017-05-18 17:20:08
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 刀剣男士。というくくりではあるものの、珠兎本丸の刀剣男士だったいちは通常とは異なる力を持つようだ。 「…どうやら、私は電気ウナギのような能力のようですね」 「ぷっ、もっとマシな喩え方はなかったのですか?」 「しょうがないでしょう。これ以外に思い浮かばなかったのですから」 →

2017-05-18 17:37:35
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 気の抜けた会話が戦闘が終わったことを告げていて、二人は無意識のうちに非日常が終わったことを自覚し、安堵していた。 すると、ある変化にいちが気づく。自分の膝の上で眠る包丁の体に就いた傷が、少しずつ癒えているのだ。そういえば、先ほど村正が彼から短刀を受け取っていたような… →

2017-05-18 17:40:55
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 そんなことを考えていると、村正が隣から扉を開けた。 「ハイ。手入れを終えましたヨ…包丁、アナタは何をしているのですカ」 呆れたような声を出す村正に包丁は「人妻充電中!」と答えた。…見た目はあどけない少年だが、実年齢を知っているいちは、とりあえず「包丁、降りなさい」と苦言を発した。

2017-05-18 17:43:47
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 補足:現パロ包丁君の年齢は二十歳前後です。とっつぁん坊やです←

2017-05-18 17:44:14
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「えーやだー人妻ー人妻ー!」 名残惜しそうに膝にしがみつく包丁は、村正にひっぱがされる。 「包丁、暫く二人で大事な話があるの。下へ降りて村ちゃんとご飯でも食べておいで」 「ソウイウ事デス。イキマスヨ」 「おい、村正!俺は荷物じゃないぞ!」 小脇に抱えられた声が階下に消える。

2017-05-26 15:06:56
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 やれやれ、とした表情で見送り、いちは向き直る。 「先ほど私たちを襲撃した相手、わかりますか?」 「…詳しくは。何となく、倒さなければならない相手だとは思いました」 「でしたら、これから話すことは御伽噺のようかもしれません。でも、これは事実です」 その表情はとても真剣だった。

2017-05-26 20:30:36
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt それからいちはゆっくりと語りだした。自分達が刀剣男士である事。前の生では、連日歴史遡行軍と戦い、正しい歴史を護ってきた事…。 「パピヨンはお使いで珠兎本丸に来た時、偶然私を見初めたのですよ…無自覚に」 「えっ…私から?」 「当時の貴女は恋愛に疎かったですから」  →

2017-05-28 13:59:18
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「それは…今も…です」 「良いんですよ。好意を利用したのは当時の私です。でも、私も気づいた。世界でただ一人、本当に好きなのは貴女だったと」 「いち…さん」 「貴女は直ぐに子を宿し、実戦には出なくなった。その分私は鍛錬しました。1人前になる為に」 当時の本丸では、レベル60になる→

2017-05-28 14:05:04
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 事が、共に暮らす絶対条件だったからだ。いちはその試練に勝ち、やがてパピヨンは可愛い双子を産んだ。一人は短刀の男の子、もう一人は太刀の女の子。 「私は転生する時、全員の魂を生まれ変わらせて貰えるように懇願しました。でも…」 「その子供達にはまだ出逢えていない…そうですね?」

2017-05-28 14:08:05
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 こくりとうなづいた彼女の目には悲愴が宿っている。処女だとしても母としての自分を思い出したのだから、子を思うのはしょうがない事だろう。 いちも確かに望んだはずだが、会えていないことから、もしかしたらまだ… だが、一つだけ確かめておきたいことがあった。 「あなたの今世での姪御…

2017-05-28 18:12:18
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 流音は、あなた縁(ゆかり)の刀剣ですか?」 もし、彼女の元に姪としてうまれたのなら、何らか前世の関わりがあるはずだと、いちは思った。 いちの脳はまだ前世についてあやふやだ。それに、彼女と縁が近いのなら、彼女の方が知っている可能性が高い。と、それに賭けたのだった。

2017-05-28 18:14:27
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「流音」 後河原は姪っ子を抱っこして優しく訊ねる。 「本当の貴女は…どこにいるの」 「きつねがさき」 狐ケ崎といえば、古くから伝わり、今も現存で残る刀の名前。 「流音が狐ケ崎なのかしら?」 幼子は可愛く首をかしげた。 「わからないの。お姉ちゃんのお家に来てから、ずっと夢に出て」→

2017-05-28 19:53:51
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「来る女の子が、そう言ってるから」 流音は刀剣の転生者では無いのだろうか。いちとパピヨンは顔を見合わせた。 「流音ちゃん。その女の子はどんな感じの子?」 保育園児には難しいだろうと、パピヨンは手近なメモ帳を手に取った。サラサラと描きつけられたそこには。長い髪と大きな棒(刀)を→

2017-05-28 19:57:26
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 持ったその姿は、夢の中の赤子に酷似していた。 「貴女も刀剣の生まれ変わりね」 いちが撫でると、流音は嬉しそうに微笑む。 「夢の中のお姉さんね、私が大きくなるまでお休みしてるんだって。ぐうぐうって」 「そうなの…」 目覚めないのは今は必要が無い為なのか。 あとは1人。何処にいるのか

2017-05-28 20:02:06
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 この子が刀剣として目覚める。その時までは自分たちが守ろうと思った時、流音が「そうだ」と声をあげた。 「あのね、お姉さんには弟がいるんだって。でも、弟はほーこーおんちで、ここにくるまでうろうろしているんだって」 それを聞いて目を丸くする。前世のことなど話す機会がなかったのに。 →

2017-05-28 20:57:36
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 「だけどね!」と声を上げた後、とても誇らしげに鼻息を荒くする。 「流音がちゃーんとここにいたら、弟に「ここだよー」って分かるんだって!」 だから、ここにいるんだ!といった流音に「弟はどこにくるの?」と尋ねたら… 「ここー!」 と言って一期の腹に抱き着いたのだった。 →

2017-05-28 21:00:10
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 その行動に一期は目を白黒させる。妊娠はおろか、結婚の予定もないというのに…と考えていると、いちが優しい顔で笑っていた。 「それじゃあ、私がお父さんになってもいい?」 「うん!」 流音の了承をもらった後、いちが向き直る。 「前世でも夫婦だからと言って、無理強いはしませんが… →

2017-05-28 21:04:22
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 もう一度、結婚を前提にお付き合いをしてみませんか?」 いちの表情は優しく酔っぱらいをいなすママではなく、真剣な男の顔をしていた。

2017-05-28 21:05:06
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「わた…私は、流音を育てるのに必死でした。仕事柄、なるべく女性らしさを削ぎ落としてしまったし…。こんな私がいちさんの側にいても」 一期は目を伏せ、膝の上に置かれた手は小刻みに震えている。 「だけど…貴女は私の想い人。もし刀剣として目覚めなくても、きっと私は貴女を求めたでしょう」→

2017-06-08 14:48:35
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt 「いち…さん」 いちの言葉はどこまでも優しく、心地良い布の様に一期の心を包んだ。 「お互い、やっと目覚めたんです。過去に引き摺られる事はありません。今生は今生で楽しんて生きようじゃないですか」 その言葉に、頑なに固まっていた一期の心がふわっと解き放たれた。 →

2017-06-08 14:52:47
パスピエ@浮上ゆっくりめ @pasupie2

@dragon002_Twitt ……もう一人で頑張らなくて良いんだ。これからはいちさんと歩んでいける。答えは決まった。 「解りました。ふつつか者ですが、宜しくお願い致します」 深々と下げた頭を上げた時、いちの目が潤んでいたのに気付く。 「いち…さん?」 「ごめんなさい。何だか嬉しくって…」 「私も…です」

2017-06-08 14:56:04
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 そうと決まれば、といちは立ち上がり、化粧落としをもって洗面台に立つ。化粧落としで薄く塗ったメイクを落とせば、そこには自分と瓜二つの…だが、男の顔をした美丈夫が現れる。 「流音ちゃん」 「なーに?」 「私…、貴方のお父さんになってもいい?」 「おとーさん…うん!いいよ!!」 →

2017-06-08 15:24:15
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 やはり、流音の心にも前世は影響しているのか、会ったこともない自分を父と認め、そして求めてくれる。彼女はきっと、自分と彼女を引き合わせるために他の腹を借りて生まれてきたのだろうか…。 そうだとすれば、彼女を産んでくれた両親にも感謝の言葉を伝えきることはできない。 →

2017-06-08 15:26:59
バーナビー・ドラゴン @dragon002_Twitt

@pasupie2 「そういえば、貴女はなんと呼べばいいでしょうかね」 「え?」 「前は蝶と呼んでいましたが、今はなんとお呼びすればよいでしょうか…」 過去に囚われないとなれば蝶と呼び続けるのもどうかと思いながら出した問いかけ。 いちの素朴な問いに彼女は…

2017-06-08 16:03:17