即死魔法部隊

「魔法を集団運用するなら即死魔法(ザキとか)では?」みたいな思いつきから生まれた話のタネ
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碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

ファンタジー世界で、集団で魔法を使うみたいな部隊が出てくることあるけど、やっぱり集団で即死魔法を連射して期待値を上げるのが一番良いのではないか。

2017-05-19 20:27:55
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「三十連即死魔法部隊」 「かっこいいけどなんかガチャっぽい」

2017-05-19 20:31:33
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

前衛がパラライズをかけて、後衛がひたすらデスを連射する。

2017-05-19 20:32:34
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

一説によると魔王の即死確率は0.01%であり、それを引き当てるために合計二万発の即死呪文が撃ち込まれたという。

2017-05-19 20:34:56
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「己の金を費やし命を削り、ひたすらガチャを回し続けるその有り様……我ら即死魔法部隊に相応しい……」

2017-05-19 20:46:50
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「お前達には最早メラもヒャドも許されてはいない!即死魔法部隊に許される呪文はザキとザラキだけだ!」 「サーイエッサー!」 「お前らのミソッカスなMPは、一滴残らずザキに注ぎ込め!」 「サーイエッサー!」 「即死魔法部隊は最強だ!何故なら全ての敵を殺せるからだ!詠唱訓練、はじめ!」

2017-05-19 20:55:36
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「三十連即死魔法部隊も、殆どが爆死してしまった……何故なら敵が即死無効のアイテムを身に付けていたからだ」

2017-05-19 21:00:49
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

新入りの仕事は、前線の後衛で即死魔法を唱え続ける隊員への聖水補給だ。敵は別の部隊が拘束しているケースが多いが、訓練では万一拘束が破られた場合に備え、塹壕を利用したザキ&アウェイによるゲリラ戦の心得も教え込まれる。

2017-05-19 21:05:11
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

指数関数的に増大する敵の強さに対応するため試験的に組織された即死魔法部隊。四天王の一人を即死させるという戦果を残すが、余りにも使い勝手が悪いことと、即死魔法の暗殺への転用を恐れたことから王が解散命令を出し、四天王討伐の戦果は勇者のものとされた。

2017-05-19 21:12:41
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

即死魔法部隊は魔法の集団集中運用を行う部隊のはしりとも言われ、そのノウハウは数々の魔導師部隊に受け継がれている。

2017-05-19 21:14:21
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

しかし、単体での有効確率の低さにも関わらず、「即死魔法が使える」というだけで危険人物扱いされるため、元即死魔法部隊の隊員たちはその経歴を隠していきいた。

2017-05-19 21:15:49
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

主人公もまた即死魔法を封印し、火炎魔導師部隊として働いていた。火炎魔導師はその名前と人気に反して実態はピンキリで、主人公の属する部隊は戦闘後の「清掃」を主な任務とする汚れ仕事であった。

2017-05-19 21:19:15
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

むせかえる肉の焼ける匂いの中、揺らめく炎が語りかけてくる。「もう一度、即死魔法を使いたくはないか」と。 だが、命を弄ぶ甘い喜びに身を委ねれば、自分はもはや魔法使いではいられなくなってしまうだろう。

2017-05-19 21:22:14
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「俺に即死魔法をかけてくれないか」 「どうしてだ!」 「俺は俺達の魔法で魔物が事切れるのを何度も見てきた。どいつも、安らかな死に顔だった。だから、どうせ死ぬなら即死魔法で死ぬって決めてたんだよ」 「だが、即死魔法の確率は……」 「アイテムで耐性を下げた。お前の魔法ならきっと通る」

2017-05-19 21:29:52
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「俺は……一人で三十連の即死魔法部隊だ……!」

2017-05-19 21:31:06
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「即死魔法の使い手になるなんてのは、人身御供に出されるのと同じだ。だから、真っ当な魔法使いはほとんどいなかった」 「貴族の五男や六男、ヘマをやらかした魔法使い。悪魔崇拝者。果ては、素性の知れない奴や、偶々魔法の才能をもって生まれちまった平民まで。色々だった」

2017-05-19 21:38:32
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

「訓練は過酷だった。魔法使いにあんな真似をさせるなんて他では聞いたことはないし、多分普通の兵士の訓練よりもきつかったかもしれない。だが、それは俺達が即死魔法という危険物を扱うからだ」 「訓練中のフレンドリー・ザキで死んだ奴も居た。教会で復活してもらえたが部隊からは去っていった」

2017-05-19 21:41:56
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

即死魔法は需要が低すぎて「即死魔法のスクロール」なんてものは存在しない。有効打を与えられるレベルのスクロールを用意するより、即死魔法部隊の方が安上がりだからだ。

2017-05-20 08:47:13
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

弱い火炎魔法を目眩ましにに即死魔法を打ち続けるのが主人公の必殺技

2017-05-20 09:37:17
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

普通の魔導師部隊は「守られること」を前提にした白装束だが、即死魔法部隊は見つからないことを重視したため土色の装束を纏っている

2017-05-20 09:43:04
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

戦場では劣悪な衛生状態や疲労、敵の呪術工作等による突然死も度々起きたが、その度に即死魔法部隊が督戦をしているのだという噂が流れるのは珍しくなかった。

2017-05-20 09:45:31
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

火属性魔法なら火炎魔導師部隊、氷属性なら氷雪魔導師部隊、光属性ならば光輝魔導師部隊である。だが、即死魔法を扱う部隊だけは「即死魔法部隊」と呼ばれる。何故なら即死魔導師などというものは存在せず、部隊の彼等は魔導師としてすら扱われていないからだ。

2017-05-20 09:47:48
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

水属性の魔導師部隊は過去に結成されたものの、初級水属性魔法の大半が実は大気中や土中の水分を利用していることが判明し、大人数での術行使は効率が悪くなるどころか干魃を招きかねないことから早々に廃止された。

2017-05-20 09:50:54
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

人類間の紛争において即死魔法部隊の存在は抑止力として機能することが期待され、王国もまたその効果を高めるために即死魔法部隊に関して実態以上に誇張して広報を行った時期があった。 一説には王国が魔王軍との戦いに於いて漁夫の利的な他国からの侵攻を避けられたのはこの成果であるとも言われる。

2017-05-20 10:11:26
碌星らせん(ろくせい・らせん) @dddrill

しかし、誇張された即死魔法に対する恐怖は即死魔法の使い手達に牙を剥き、居住拒否や謂れのない差別などが根強く残されている。

2017-05-20 10:13:19