- HayakawaYukio
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とまあ、この辺りのことがわかっていれば、「甲状腺ガイドラインに沿えば,過剰診断ではない」という主張が間違っていることは理解できるであろう。甲状腺がん検診について意見を述べるのであれば、がん検診一般のことについても学ぶほうが望ましいと思う。 twitter.com/SciCom_hayashi…
2017-05-23 08:46:37甲状腺ガイドラインに沿えば,過剰診断ではない。 いっぽう,匿名医師のなとろむさんは,過剰診断だといいながら,甲状腺ガイドラインには反対していないのだそうだ。なとろむさんの主張はいったいなんなのだろう? 園芸家さんはおわかりか? twitter.com/engeikana/stat…
2017-05-22 23:28:39卵巣がん検診はすべきではない(メリットがないから)が偶発的に発見された無症状の卵巣がんはガイドラインに則って治療すべきである。別に矛盾しない。というかこれがスタンダード。
2017-05-23 08:51:21@NATROM おひさしぶりです。検診にメリットがないなら、その検診でみつけるような卵巣がんを偶発的にみつけたら治療することになってるガイドラインは不適ではありませんか。
2017-05-23 08:55:50思考実験。1000人に乳がん検診をしたら10人に乳がんがみつかった。10人のうち7人は手術しないとやがてがん死する。3人は死ぬまで発症しない。いまの時点で区別はできない。7人はいま手術すれば命が助かる。3人は過剰診断だ。しなくてよい手術をする。この検診は受けたほうがよさそうだ。
2017-05-23 09:04:56思考実験。10万人に甲状腺検診をしたら100人にがんがみつかった。100人のうち1人は手術しないとやがてがん死する。99人は死ぬまで発症しない。いまの時点で区別はできない。1人はいま手術すれば命が助かる。99人は過剰診断だ。しなくてよい手術をすることになる。この検診を受けるか?
2017-05-23 09:07:55@HayakawaYukio 結論から言えば不適切ではありません。発見されてしまったがんについて、(理想的には)即時治療介入群と待機療法群とのランダム化比較試験や、(実際的には)諸々の事情で経過観察をしたケースシリーズで、治療しない群のほうがよい成績が得られない限り、治療介入は正当化されます。
2017-05-23 09:07:22@HayakawaYukio 「がんと診断されてしまった人の立場」に立つとわかりやすいかもしれません。がんと診断される過程やがんと診断されること自体がかなり大きなデメリットです。これらは検診のデメリットにはなりますが、「がんと診断されてしまった人」にとってはもう取り返しがつかないことです。
2017-05-23 09:07:45@NATROM 治療介入したことによって一生薬を飲み続けなければならないデメリットが生じます。体調の変化も起こるでしょう。治療介入するメリットは、本当にあるかどうかわからない延命効果だけです。デフォルトを治療介入だとするのは職業医師の身勝手のように聞こえます。
2017-05-23 09:13:34症状が出て病院に来た患者の治療ガイドラインと、無症状の人を検診してみつけた病気の治療ガイドラインが同じなのが、そもそもおかしいのではないか。
2017-05-23 09:17:59こういったほうがわかりやすいかな。無症状の人を検診してみつけた病気への治療介入を、症状が出て病院に来た患者のガイドラインでするのが、そもそもおかしいのではないか。
2017-05-23 09:19:48「集団としてやるか?」はリスクベネフィットと確率の問題。 「個人がやるか?」は納得の問題。 問題は、早期で手術した場合、手術をうけて助かったのか、手術を受けないでも他のことで決定された寿命まで生きられたのか、というのが、わからないところ。 twitter.com/HayakawaYukio/…
2017-05-23 09:28:12100人のうち10人だけが死ぬと言われたら、乳房を除去しない選択をする女性がけっこういるのではないか。100人のうち1人だけが死ぬと言われたら、甲状腺を除去しない選択をする子供がけっこういるのではないか。
2017-05-23 09:34:41その通りで、ただ、「健診で見つかった無症状の人(特に子供)へのガイドライン」というものが無く、現時点では試行錯誤しつつこれからのガイドラインを作ったり変更する臨床経験も兼ねてしまっている、というのが現実。 twitter.com/HayakawaYukio/…
2017-05-23 09:38:56@HayakawaYukio 「デフォルトを治療介入」というより「デフォルトをこれまでの経験に基づく慣行的な医療」ですが、確かに、医療において一定の「慣性」が働き、それがむしろ悪いほうに作用しているのではないかというのは合理的な推測です。ご指摘には一理あります。
2017-05-24 08:30:28@HayakawaYukio ただ、そうは言っても仕方ない部分があります。早期胃がんは手術介入がデフォルトですが、実は手術群と経過観察群を比較したランダム化試験はありませんし、これからも倫理的にできません。現実的にはデフォルトで早期胃がんには手術介入するしかないんです。
2017-05-24 08:30:49@HayakawaYukio パラシュート論文[ blogs.yahoo.co.jp/oiwarheumatolo… ]というものがありまして、要は「デフォルトでパラシュートを使っているが本当にパラシュートにはメリットはあるのか?比較試験をすべきではないか」というパロディ、ジョークのたぐいです。
2017-05-24 08:31:30@HayakawaYukio 甲状腺がんについては、低いところからの落下でパラシュートは不要あるいはむしろ有害かもしれないことに相当します。とはいえ、パラシュートなしで怪我をする人が出る可能性がある限り、そう簡単にパラシュートなしというわけにはいかんのです。「慣性」が働きます。
2017-05-24 08:32:05@NATROM 「甲状腺がんについては、低いところからの落下でパラシュートは不要あるいはむしろ有害かもしれない」は、たいへんわかりやすいたとえです。甲状腺がんは、胃がんと違って、死に至ることが少ないという事実が一般にまだ知られていないと思います。
2017-05-24 08:36:35@HayakawaYukio もしかしたら、早期胃がんだって「診断がつきしだい治療介入」と「一定の進行を確認してから治療介入」で予後が変わらないかもしれませんよ。とくに内視鏡下診断が発達し小さな胃がんでも発見されるようになってからは。厳密な比較試験はなされていません。
2017-05-24 08:50:18@HayakawaYukio いろんな理由で早期胃がんには診断がつきしだい治療介入したほうがいいと私は思っています。たぶんほとんどの専門家も。ただしこの判断は推測です。主観も入ります。こうした判断は明確に白黒つけられないことを心に留めていただければ幸いです。
2017-05-24 08:50:42@HayakawaYukio がんの診療に限らず、日常診療では常に、「もしかしたら要らないパラシュートかもしれない」ことを念頭に置いて、それでも検査や治療をしています。甲状腺がんの診療にあたっている先生方も多くがそうだと思います。身勝手のように思われるかもしれませんが、ご理解ください。
2017-05-24 08:53:38