- miakiza20100906
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専門家ではなくても,最初の方はわりと平易に読めるな… そして,納得がいった. Welch and Black, Overdiagnosis in Cancer がんの過剰診断 academic.oup.com/jnci/article/1…
2017-12-18 23:04:29がんはかつて「ほっておくと死ぬ病気」とされていた. 症状が現れてがんと診断されていた時代には,それで概ね正しい定義だった. しかし技術の進歩で,症状が現れるよりずっと早期にがんがみつかるようになった.
2017-12-18 23:04:29がんの中には,進行が速いもの・遅いもの・進行が止まるもの・さらには縮小していくものさえあるとわかってきた(図1). がんという言葉から「将来死ぬ」(がん即ち死因)という含意は減じ,「今の時点ではこういう細胞の異常がある」という意味に変わってきた.
2017-12-18 23:04:30過剰診断とは,症状も現れず,死につながることもなかったはずの病状を診断で見つけた場合に用いられる用語. がんの過剰診断は 1)がんが進行しない(あるいは逆に縮小する)こと 2)がんは進行するが,ゆっくりなので症状が現れる以前に別の原因で患者が死亡すること のどちらかと説明できる.
2017-12-18 23:04:30過剰診断で難しいのは,臨床医はどの人が過剰診断であるのか,がんの診断時に知ることが決してできない点.個人が過剰診断であったと識別できるのは 1)全く治療を受けないままで 2)他の原因で死んだ時 のみである.
2017-12-18 23:10:24診断の時点で臨床医にはどの患者が過剰診断されたかわからないため,患者すべてを治療する傾向がある.過剰診断は大きな懸念を引き起こしうる.過剰診断された患者は治療から何の便益も得られないのに,害を与えられる可能性があるから.
2017-12-18 23:10:24表1を見ると,50〜70歳の成人男性には36〜100%の割合で甲状腺がんがある.生涯の死亡または転移リスクは0.1%.つまり,多くの人が持つ甲状腺がんの圧倒的大多数は死亡につながらない.すべてのがんを徹底的に検出してしまうと99.7〜99.9%(!)が過剰診断となる.
2017-12-19 11:43:35@na_ri 前田先生のウェルチの論文の解説によると50歳から70歳の男性では99.7〜99.9%が過剰診断になるそうです。 twitter.com/maeda/status/9… Welch and Black, Overdiagnosis in Cancer がんの過剰診断 academic.oup.com/jnci/article/1…
2019-07-29 22:35:58@onkapi 「他の死因で死亡した人の病理解剖をして見つかった潜在的ながんの割合と、生涯死亡(ないし転移)リスクとを比較して、精度の高い検診により生前にがんをすべて発見した場合、これが過剰診断である確率は、前立腺がんで87-94%、乳がんで43-90%、甲状腺がんで99.7-99.9%」 webronza.asahi.com/science/articl…
2019-10-02 21:07:30@_ten_ki_ 日本でも福島県の県民健康調査・甲状腺検査で過剰診断のことが大きな話題になってきています。論座の記事はウェルチの論文が元になっていますが前田先生の要約がすごく分かりやすいので置いときますね。 twitter.com/higuma_saikyou…
2019-10-03 07:43:47@higuma_saikyou @_ten_ki_ その前田敦司さん @maeda が紹介されている Welch らの論文(2010年)は、現実を無視した酷い解析を行っているので、参考にしない方が良いです。Table 1 の“entire disease reservoir detected”は現実の診断基準を無視した仮定で、これのために過剰診断の可能性が著しく過大評価されてしまっています。
2019-10-06 13:46:10@higuma_saikyou @_ten_ki_ @maeda 分かり易いところを一つ指摘しておきます。現実の甲状腺検査で要手術とされる可能性があるのは、腫瘍(結節)の直径が 5.0 mm以上のものです(添付画像1枚目)。しかし、Welch らが利用している Harach ら bit.ly/35dOisj の剖検では、直径 5.0 mm 超の例はわずかです(添付画像2枚目)。 pic.twitter.com/7DXadA6lEN
2019-10-06 14:11:07@higuma_saikyou @_ten_ki_ @maeda ちなみに、その診断基準の図は甲状腺検査評価部会 pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/ken… の「資料2 甲状腺に関する基礎知識と甲状腺検査の概要」の中にあります。 なお、同等の診断基準は2004年の米国・ベラルーシ・ウクライナの論文 doi.org/10.1667/3148 にも示されています。該当箇所を画像で貼ります。 pic.twitter.com/mnSITKxB5a
2019-10-06 14:32:33@higuma_saikyou @_ten_ki_ @maeda 私の指摘を簡単にまとめると次のようになります: Welch らは現実の診断基準を無視し、どんな小さな甲状腺結節もすべて発見し、手術する、という極端な仮定を用いているため、過剰診断の可能性を非現実的なほどに著しく過大評価している。
2019-10-06 14:40:39@higuma_saikyou @_ten_ki_ @maeda 余談ですが、その Gilbert Welch は研究不正の件で大学(米ダートマス大学)を辞職しました → haklak.com/page_Gilbert_W…
2019-10-06 14:46:43「検診で発見された臨床的に治療介入されうる甲状腺がんうち過剰診断のは割合は?」という疑問に対する答えが「99.7〜99.9%」だとしたら、それは確かに著しく過大評価。しかし、別に「現実を無視した酷い解析」というわけでもない。 twitter.com/miakiza2010090…
2019-10-07 13:26:38ちなみにリケニャさんが引用している「直径 5.0 mm超の例はわずか」の表の数字を使って推測すると、検診で発見された臨床的に治療介入されうる甲状腺がんうち過剰診断のは割合は大雑把には92.5~97.5%ぐらいになるはず。以下計算。 twitter.com/miakiza2010090…
2019-10-07 13:30:43剖検で発見された甲状腺がん52例中10ミリ以上は2人。だいたい4%。また、小さいがんまで含めると過剰診断の割合は99.7〜99.9%。小さいがんまで含めて診断された甲状腺がんが1000人いたとして、そのうち過剰診断は997人~999人。非過剰診断は3人~1人。
2019-10-07 13:31:2710ミリ未満は治療介入しないとなると1000人のうち960人は治療しないくていいが、40人が治療介入される。40人中非過剰診断は3人~1人ぐらい。過剰診断は37人~39人。割合にすると92.5%~97.5%。相場としてはだいたいそんなものであろう。以上計算終わり。
2019-10-07 13:32:23「乳がんや肺がんですら、検診発見がんのうち過剰診断は20~30%ぐらいなんだから、甲状腺がんではもっとずっと多いであろう」ということを相場観として知っておいてもらえれば。
2019-10-07 13:33:48余談だが、Gilbert Welchは大学は辞職したが論文は撤回されていない。盗用が疑われたのだが、Welchの見解は「私たちが以前から言ってきたことから自然に導かれるアイディアであり盗用ではない」。 twitter.com/miakiza2010090…
2019-10-07 13:35:04大学は告発者である準教授を論文著者に入れるように提案したが、Welchはこの提案を蹴って大学を辞職した。Welchの言い分は「研究に参加していない人物の名前を論文に記載するほうが不正である。不正してまで大学に留まりたくない」。NEJM誌は「盗用ではない。論文撤回に該当しない」と判断した。
2019-10-07 13:35:55ポイントは、よしんば盗用で不正だとしても、論文の内容自体に異議が唱えられたわけではなく、STAP細胞のように研究内容が疑わしいわけではない点。過剰診断の議論を理解していない/理解したくない人は、論文の内容の是非には触れず、「Welchは研究不正で大学を辞職した」とだけ言い立てるので注意。
2019-10-07 13:36:43@NATROM 何を指摘したいのか、薄々は分かる気はしますが、よく分かりません。 もしかすると、ナトロム氏は元々の 前田敦司 @maeda さんの一連のツイートを読んでいないのでは? 例えば、このツイ(“…どの患者が過剰診断されたかわからないため,患者すべてを治療する傾向がある”) twitter.com/maeda/status/9…
2019-10-07 13:55:32@miakiza20100906 @maeda 前田敦司さんの主張の是非を私は論じていません。(前田敦司さんがそうだというわけではないですが)検診推奨・被曝による甲状腺癌増加に否定的な立場で、甲状腺がん検診で雑な主張をする論者がいることは存じています。
2019-10-07 14:07:06