水島広子『対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD』創元社

水島広子『対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD』創元社 http://amzn.to/hsdOEz IPT(対人関係療法)シリーズ。トラウマ・PTSDの問題と障害の正しい理解から対処法、接し方のポイントまで。
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nasa Asukai @nasaAsukai

水島広子『対人関係療法でなおす トラウマ・PTSD』創元社 http://amzn.to/hsdOEz IPT(対人関係療法)シリーズ。トラウマ・PTSDの問題と障害の正しい理解から対処法、接し方のポイントまで。 #IPT #PTSD

2011-03-13 16:06:21
nasa Asukai @nasaAsukai

いつもの「シリーズによせて」の言葉。「対人関係療法を通して、人と人のつながりを育てていくことが、病気の治療を越えた意味を持つ時代になっていると思います」

2011-03-13 16:06:46
nasa Asukai @nasaAsukai

「トラウマの発生に対人関係がどう影響するのか、どのような対人関係がトラウマを悪化させ長引かせるのか、トラウマの症状が対人関係にどれほど影響を与え現在の生活の質を下げるのか」

2011-03-13 16:07:23
nasa Asukai @nasaAsukai

「対人関係療法は、トラウマそのものではなく、トラウマの影響を受けた現在の対人関係に焦点をあてて、現在の生活の質を上げることによって、結果としてトラウマの受け止め方も変わる、という方向性を持つ治療法」

2011-03-13 16:15:47
nasa Asukai @nasaAsukai

PTSDに対する対人関係療法の適用はまだ歴史が浅く、小規模なパイロット研究からは有望な所見が得られ、より大規模な比較研究が米国で進行中。

2011-03-13 16:19:30
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマそのものに焦点をあてる治療法が怖くて耐えられない人、対人関係面に現れるトラウマ症状のために治療者と良好な関係が作れず治療から脱落する人に有効。

2011-03-13 16:21:54
nasa Asukai @nasaAsukai

第1章「トラウマとは何か」対処することができないほど大きな衝撃を受けたときにできる傷がトラウマ。 トラウマによって失った「自分、身近な人、世界への信頼感」を取り戻すのがトラウマの治療。

2011-03-13 16:31:17
nasa Asukai @nasaAsukai

「トラウマ体験が自然災害などの場合には、主に失われるのは「世界への信頼感」です。この世界ではいつ何が起こるかわからない、という不安がその主体となり、それにきちんと対応できるだろうか、という意味では「自分への信頼感」にも影響があります。」

2011-03-13 16:35:21
nasa Asukai @nasaAsukai

身近な人によるトラウマの最大の問題は「信頼した人から裏切られた」ということ。さらに深刻なのは異常なことであるため、自分に非があったと感じ「自分への信頼感」が失われること。虐待された子供の典型的な感じ方は「自分が悪いから親が怒る」

2011-03-13 16:42:45
nasa Asukai @nasaAsukai

衝撃的な出来事の後にPTSDを発症するかどうかに、身近な人の支え(ソーシャルサポート)があるかどうかが大きく影響する。また、女性は男性の2倍の頻度でPTSDを発症する。

2011-03-13 16:48:48
nasa Asukai @nasaAsukai

第2章「PTSDという病」 現在のPTSDの診断基準は、命に関わるような恐ろしい体験を一回したような状況を想定。虐待のように長期にわたる反復したトラウマ体験によるものを「複雑性PTSD」と診断しようとする試みもある。

2011-03-13 16:55:01
nasa Asukai @nasaAsukai

DSM(-IV-TR)によるPTSDの診断基準は、トラウマ体験、再体験症状(フラッシュバック)、回避・麻痺症状(生活が大きく制限)、覚醒亢進症状(眠れずピリピリ)。症状が一ヶ月未満のうちは「急性ストレス障害(ASD)」。

2011-03-13 17:13:39
nasa Asukai @nasaAsukai

米国の調査では、人口の60%がトラウマ体験、PTSDを発症するのは約8%。自然な回復の多くは最初の数ヶ月以内、一年以上の持続の場合は治療を受けずに寛解する見込みは少ない。

2011-03-13 17:17:51
nasa Asukai @nasaAsukai

第3章「トラウマの自然回復を妨げるもの」 「PTSDの治療の本質は、今は「戦時下」でなく「平時」であることを実感するということ… 未曽有の災害を経験したというような場合には「自分が体験したことは本当に特殊なことであって、そういうことはめった...

2011-03-13 17:33:30
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマ体験後の対人関係における「二次被害」「二次トラウマ」に注意。既に「自分、身近な人、世界への信頼感」を見失った人に対して、傷つけたり、本人の罪悪感を刺激しない。

2011-03-13 17:45:05
nasa Asukai @nasaAsukai

第4章「トラウマが対人関係におよぼす影響」 ロバートソンはPTSDの症状から起こる対人機能の障害を「対人過敏」と呼んでいる。いわば脅威のセンサーが壊れて何にでも作動してしまう状態。

2011-03-13 20:34:00
nasa Asukai @nasaAsukai

第5章「PTSDへの対人関係療法」 PTSDの発症のきっかけはトラウマ体験で、自然災害など対人関係とは関係の無い場合もある。しかし、トラウマ体験が自然回復せずに治療が必要なほどのPTSDになるには、トラウマ体験を対人関係の中でどう扱ったかという「文脈」が重要である。

2011-03-13 20:36:44
nasa Asukai @nasaAsukai

パイロット研究では、14名の慢性PTSD患者に14週間のIPT(対人関係療法)の治療で、13名が脱落せずに治療を完了、12名がPTSDの診断基準を満たさなくなった。

2011-03-13 20:40:51
nasa Asukai @nasaAsukai

トラウマが悪循環に陥って病気になるかどうかは、身近な人による支えの有無に影響されるにもかかわらず、トラウマ体験についての感じ方や回避症状により対人関係を避けてしまう。現在の対人関係に焦点を当てて改善していくIPTは、その悪循環を打ち破る効果がある。

2011-03-13 20:45:05
nasa Asukai @nasaAsukai

PTSDの治療法の第一選択は、エクスポージャー(暴露)法をベースにした認知行動療法。トラウマ記憶にさらして慣れさせ、耐えられることで「自分への信頼感」を回復させ、トラウマ記憶についての捉え方(認知)の修正により「世界への信頼感」を回復させる。

2011-03-13 20:58:35
nasa Asukai @nasaAsukai

フォアが開発した持続エクスポージャー療法では、面接で語ったトラウマ体験を録音して家で毎日聞く想像エクスポージャー、トラウマに関連する不安や苦痛を感じるために避けているものに触れる現実エクスポージャーの二つを用いる

2011-03-13 21:08:22
nasa Asukai @nasaAsukai

その他の治療法では、トラウマ体験を思い出しているときに眼球運動をさせるEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)、薬物療法ではSSRIが用いられる。

2011-03-13 21:08:31
nasa Asukai @nasaAsukai

エクスポージャー法が向かない人の特徴。苦痛に耐えて怒りや不安などの感情に対処するのが苦手、ストレス下で解離しやすい、治療関係を維持するのが難しい。これらは子供時代に虐待を受けた人には典型的に見られる特徴。

2011-03-13 21:13:08
nasa Asukai @nasaAsukai

「エクスポージャーでは、トラウマ記憶に耐えられるようになることで生活全般 への自信をつけていきますし、対人関係療法では、生活全般への自信をつけるこ とでトラウマ記憶に耐えられるようになるのです。」

2011-03-13 21:15:07
nasa Asukai @nasaAsukai

PTSDの治療は「悪循環をきたす構造」を変えることが目標。トラウマを思い出すことの回避により「情報処理」が進んでいない構造に注目するのがエクスポージャー法。トラウマ症状の結果として対人関係をうまく活用できない構造に注目するのが対人関係療法。

2011-03-13 21:20:08