@makotosaito0724 さんのツイート20170526~0530

勉強になったのでtogetterしました。
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齊藤 誠 @makotosaito0724

受動喫煙防止の趣旨に個人的に賛成だが、因果の実証だけで政策を否定するのは容易だが、肯定することの難しさも感じた。様々なレベルの費用対効果、リスク・リスク分析、他の政策との優先順位、財政への影響などなど、全ての面でエビデンスを固めるのは難しい。同時に丹念に社会の選好も見定めないと…

2017-05-26 07:55:23
齊藤 誠 @makotosaito0724

因果の実証結果を社会でしっかり共有しながら、喫煙席を設けるか否かの飲食店の判断、喫煙席の有無で店を選択する消費者の判断を信じても良いのでないかという気がする。おそらく喫煙席のない飲食店が大半になって、ところどころ全席喫煙席の店に煙が充満…当然、従業員がどの店で働くかも尊重。

2017-05-26 08:11:29
齊藤 誠 @makotosaito0724

原発の安全性規制に対する合意形成の諸問題を調べてきて、科学的根拠が合意形成の基本だけども、万が一に根拠が脆弱なことが後に判明して過去の意思決定を尊重するという納得が社会でできるかどうかも重要だと思う。これは、政策責任者や科学者が背負えない責任の部分への社会的な了解の問題だと思う。

2017-05-26 09:30:33
齊藤 誠 @makotosaito0724

危険なのに安全と判断、安全なのに危険と判断は、科学的根拠で常につきまとう問題。事後的にそうなったときに社会がどう納得するのかを、事前にどう合意するのかという問題は、専門家が誤差の可能性を慎重に説明した後に、法的に決定権限が定められている非専門家が合議して決定する領域だと思う。

2017-05-27 14:35:01
齊藤 誠 @makotosaito0724

専門家が背負うべき科学的根拠に対する説明責任と、専門家が背負うことができない政策の結果に対する責任は、慎重に区別していくことが、専門家と非専門家の間で科学的根拠が尊重されることに繋がると思う。

2017-05-27 14:41:07
齊藤 誠 @makotosaito0724

都市が拡大していく時は、成長が一面を覆う。一方、都市が縮小していく時は、社会経済要因で複雑に決まった境界の内側のコアで成長、外側で衰退。境界を挟んだ内と外で都市の風景が一変する。縮小フェーズでさいたま市にも、千葉にも、多摩地区にも、川崎・横浜にも成長コアが全く現れなかった。

2017-05-27 22:31:26
齊藤 誠 @makotosaito0724

成長コアでは集積の利益で正の外部性が徹底的に追求され、衰退縁辺では建物ストックの老朽化や遊休化から生じる負の外部性に苦慮する。これまでの都市政策の諸々に左右された現実に接すると、政策と現実の相互作用こそがまさに政策の課題なのであろう。

2017-05-28 05:23:35
齊藤 誠 @makotosaito0724

喫煙問題も公共や半公共の空間の利用に関する社会的合意形成の問題とも言える。先日の研究会でも、JR駅の空間利用が話題になって、あからさまな形で駅内外が商業モール化していくのに接すると、公共的な意識の欠如を感じる。それで人間の命が奪われるわけでないが、文化は確実に失われるように思う。

2017-05-28 05:33:31
齊藤 誠 @makotosaito0724

京都駅がモールに大改装されて文化の玄関口の自殺行為だと思った。上野駅がグルメ街化して日本を代表する芸術と博物への玄関かと思った。最近は、駅利用住民の所得水準を無視した高級すぎるエキナカは縮小を余儀なくされている。こういうことにも、市民として文句をいって良いのでないだろうか。

2017-05-28 05:42:58
齊藤 誠 @makotosaito0724

こうした問題は、各専門分野の科学的な研究に落とし込むよりも、広く市民が関わって社会運動として合意形成をしていくべきように思う。行政・政治と科学の中間領域として多くの人の関心を集約すべきなのでないだろうか。原子力や都市経済の専門でない自分の震災政策への関わりも市民としてだった。

2017-05-28 05:52:57
齊藤 誠 @makotosaito0724

当然、ある分野の専門家が自身の専門から離れて社会問題に取り組むと、井戸端会議の参加者になってしまう可能性も大きい。しかし、個別の専門性の修練で培われた科学的な精神と常識・良識は、社会に関わる市民としてのたしなみになる可能性も秘めていると信じたい。禁煙問題も立派な市民運動だと思う。

2017-05-28 06:01:56
齊藤 誠 @makotosaito0724

受動喫煙に関わる広範な対象にエビデンスが十分に提供されていないことも留意すべきで,政策実施が思わぬ副作用を生む可能性は決して無視できない。それだからこそ,エビデンスの強弱に関わらず議論を一旦相対化した上で政策に合意した経緯は,副作用が生じても政策の事後的納得感を依然支えると思う。

2017-05-29 10:42:17
齊藤 誠 @makotosaito0724

政策の部分的な失敗でも事後的に納得するような合意形成の重要性にどうしてもこだわるのは,社会が,そして個々人が,3月11日の津波到来の直前と直後で,それまで決定していた主体と,これから決定していく主体が完全に分断されて,過去と未来が断絶した現在という事象を見せつけられたから。

2017-05-29 10:46:10
齊藤 誠 @makotosaito0724

実は,実証にも理論にも政策意思決定とのファジーな関係を無視できない局面が多いと思う。そんな時に社会の保守的で緩やかな原則にまで立ち返って「決定しない」も含めて意思決定の可能性があるかとも思う。設計主義に対する保守主義の立場であるが,科学の設計指向への懐疑は人々に根強いと思う。

2017-05-29 11:14:52
齊藤 誠 @makotosaito0724

…なんてことを『危機の領域』という本にまとめている。予防原則的発想に基づいて事前に科学的に明確に切り取られた「危機」は,実際に複雑な形で現れた危機と交わり集合さえないことが多い。事前の政策合意で政策失敗のコンティンジェンシーへの手当がないから…間違いを犯し弱い人間社会への手当…

2017-05-29 11:54:01
齊藤 誠 @makotosaito0724

難しい問題だと思います。ただ,私はそう思うことにしています。そうしないと,私の専門であるマクロの現状に限っても,現状と向き合うことができなくなってしまうのでないかと思っているからです。現状にそうして向き合うことは,現状への介入に対して能力の限界をわきまえる契機になると思います。 twitter.com/karino2012/sta…

2017-05-29 13:17:23
karino2@平民階級 @karino2012

@makotosaito0724 どのような経緯であれ現状そうあるのはそれなりの理由と同意がある、と言う考えにどのくらい賛同するかは、人によりかなり大きく異なるんじゃないでしょうか。

2017-05-29 13:06:52
齊藤 誠 @makotosaito0724

あるべき失敗に対しても(不作為からの失敗も含めて),あらかじめの手当や準備が合意されていて,それでも失敗したとしたら,「自分たちは最善を尽くした」という形で納得ができると思いますが,そうでなければ,失敗は「誰かのせい」か,「想定外」ということになるのでないかと思います。 twitter.com/karino2012/sta…

2017-05-29 13:22:52
karino2@平民階級 @karino2012

@makotosaito0724 でも現状自体がそんなにしっかりとした合意形成の元で生まれた状態でも無いような。喫煙はおいといて一般的に、政策を実施しない事が思わぬ副作用を生む可能性も決して無視出来ないはずですが、その時の納得感は現状維持ではあまり得られない気もします。

2017-05-29 13:05:54
齊藤 誠 @makotosaito0724

研究者としては,常に self-doubt をしてみるということだと思います。 twitter.com/karino2012/sta…

2017-05-29 13:31:57
karino2@平民階級 @karino2012

@makotosaito0724 能力の限界、というのをちゃんと多くの人が認識する、というのは大切な事なのでしょうね。

2017-05-29 13:29:26
齊藤 誠 @makotosaito0724

講演内容の妥当性を規則やルールで縛ろうと思えば,そもそも規則作り自体が大変だし,当初想定したのと正反対の趣旨にその規則が適用されて自由が侵害される可能性もはらむ。そうであるよりも,構成員の合意が概ねとれる範囲で演者を依頼する知恵こそが,規則に縛られない自由の守り方なのだと思う。

2017-05-29 18:05:45
齊藤 誠 @makotosaito0724

私の住む町では,時々全席禁煙の掲示の店を見かける。全国レベルで全席禁煙の店がどの程度あるのか,どの程度に顧客の支持を受けているのか,あるいは,全席禁煙を断念した店がどの程度あるのかも,制度介入とは別に気になって,そうした自然な帰結に関する実証も重要な経済学研究の一部だと思う。

2017-05-29 18:13:54
齊藤 誠 @makotosaito0724

規則を無視するのは論外だけど,規則の範囲内であれば何でもよいとかでなくて,規則はできるだけ最小限にして,人間関係で課題解決を図るという姿勢こそが,規則に縛られない生き方なのだと思うが…多くの若い人たちは,規則で許されている範囲がすでに随分と狭いんだという意識なのかもしれない。

2017-05-29 18:20:11
齊藤 誠 @makotosaito0724

「正義」が突き出て自由の領域が狭まることもあって,自由を大切にするのはとても難しい。カインは,大地を血で汚して神から呪われたけれど,印を付けられて神から守られもした。そうしたバランスが失われ「正義」が暴走するのがとても恐ろしい気もする。 twitter.com/makotosaito072…

2017-05-29 18:51:24
齊藤 誠 @makotosaito0724

もちろん、完璧な防音がなされていれば、個人の自由だけを主張すれば良いが、建物の中の人や周囲の人が気になるように、音楽室からは音や振動がする。それを遮断しようと思えば、トンデモナイカネがかかる。だから、夜や朝ぐらいは、迷惑だという声があるならば、控えようとというぐらいだと思う。

2017-05-30 05:20:17
齊藤 誠 @makotosaito0724

ゼミ生にも「規則守っていてどこが悪いの?」という反応でなんだか悲しくなって、帰宅して妻に愚痴。「それって、お互い様ってことで、そんなの法律にしても…」と。このファジーさが大切な知恵だと思うが、若い人たちには、ファジーさが大人の狡さと解されるのだろう。

2017-05-29 19:53:23