【wlw二次創作】その才能が泣いている【ロビスカ】

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「おいリトル・ジョン、的頼む」 「お？ああ分かった」 「そろそろ大詰めですよ。この三本のナイフで…勿論狙うはど真ん中！」 「ね、ねえロビンさん？流石に私も全部真ん中は…」 「こんなの花を摘むより簡単と言っています！」 ＼(ﾟ∀ﾟ)おおおおおおおおおおおお！／ 「ロビンさん！？」

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（くっ…！的に当てる意志を、この手に！） 【スキルーウルフレイド】 「はあっ！」 スパーン！ 「おおっ！？」 「やあっ！」 ガキンッ！ 「また真ん中！」 「元から刺さってた刃を押し込んだ！？」 （成程…これが娯楽…。皆が私を見て、喜んでいる…。かくいう私も…楽しい！）

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「でえぇい！！！」 ガキンッ！！！ 「ま、またど真ん中だ！」 「ど真ん中にど真ん中を三連続！」 「ロビンフッドだ！」 「ナイフ版ロビンフッドだ！」 ＼わああああああああああ！！！！／ 「で、できた…」 「やるじゃないですか。流石は天才暗殺者」

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「アンタすげえよ姉ちゃん！」 「いいもん見せてもらったぜ！」 「はあ…流石ロブと戦うキャストだな…」 「ぐう…んごっ…な、何かあったのか…？」 「ロ、ロビンさん！皆が群がって…！助けて！」 「ここの人々は愉快過ぎて困りますね…。ちょっと失礼。彼女は私の客人だ。どいてくれ」

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「はあ…に、逃げられた…」 「よし、なんとか騒ぎに紛れてこっそり森に逃げられましたね」 「み、皆が笑ってた…」 「でも、貴女も楽しかったでしょう…？」 「ど、どうしてそれを…」 「最後のナイフを投げる貴女の顔を見れば誰でも分かります。何だ貴女も笑えるんじゃないですか」

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「戦いしかできない私が…皆を楽しませられた…」 「どうです？見世物になるってのも中々愉快でしょう」 「ええ。私自身も嬉しかった。…ごめんなさいロビンさん、貴方の弓を大道芸だの、腕が泣いてるだの言って」 「ああいいんですよ。だって…私のこれは大道芸ですから」

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「これを話すのは…キャストでは貴女が初めてです。私がこの森で暮らすようになった理由。それは人を殺めてしまったからです」 「殺めてしまった…？」 「ずっと昔、子供だった私はノッチンガムの弓大会に出ようとして、まだ子供だとそこにいたシェリフ達にからかわれた事がありました」

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「私は捨て台詞を吐いて森の中に逃げた。すると一人のシェリフが背後から私に矢を射ってきた。致命傷には至らなかった。しかし幼かった私は頭に血が上り、矢の飛んできた方向に矢を撃ち返した」 「…。」 「遠くで悲痛な叫び声が上がり、私は気付きました。人を殺めてしまったのだと」

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「でも役人を殺したとなると…」 「そうです。私は指名手配されてしまい、森に隠れ住む事を余儀無くされた。でもそれはあくまで理由の一つ。本当は…怖かったのです。人を殺めてしまった事が。人の命を絶ってしまった事が」 「…意外。貴方は何人も人を殺してきたのでしょう」

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「私も軍隊勤めをしていた事もありましたからね。でもそれは生きる為でしたし、戦う以上は敵も死ぬことは合意していた筈。 しかし…私は無益な人を死なせてしまった。それが怖くて…森に逃げた」 「う〜ん…ちなみにこれ、本当に原典設定…ぐぅ、王子殿ぉ…」 「黒い嬢ちゃん？…何だ寝言か」

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「だからこそ、私はこの弓を寧ろ大道芸として使っている。森に来た人々に披露したり、弓大会荒らしとして景品のビールを根こそぎ持っていったり…」 「しょ、しょうもない…」 「ふふ、違いない。でもいいのです。人を殺して喜ばれるより、驚かれて喜ばれる方が有意義に決まってるじゃないですか」

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「まあ今回のこれはあくまで一例です。スカーレット、人生は面白い事だらけです。友人も、酒も、仲間も、酒も…皆、素晴らしい！」 「酒、二回言ってますけど」 「何もやりたい事がないのなら、つまりこれから何でもやれるという事です！こんな楽しい世界、楽しまないと勿体無いじゃないですか！」

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「はい、ありがとうロビンさん。私、これから楽しい事をもっともっと探してみます」 「その意気ですよ。また何かあったら私の元に来るといい。あいにく戦いは教えられませんが、愉快な仲間との過ごし方や、美味い酒の情報なら幾らでも教授できますよ」 「ふふ…覚えておきます」

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「…起きて、起きてアシェン」 「んん？スカーレットにロビン。あれ、寝てたのか？」 「もう皆が帰り始めています。そろそろ貴女達も元の童話世界に帰った方がいい」 「もうそんな時間か。すまないなスカーレット。ロビンと話し辛いだろうから私が付き添ったのに…何の役にも立てなかった」

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「構わないわ。ロビンさんには…師匠にはとてもとても大切な事を教わったから」 「ほお、そりゃ良かったじゃないか…師匠！？」 「ですよね、師匠」 「はは、まあそうとも言いますかね」 （何だ…？ま、まさか！？弓を教わったのか！？この赤ずきん、近距離だけでなく遠距離まで会得したのか！？）

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さて、何が何だか知らないうちにノッチンガムの宴は終わってしまった。あれからスカーレットは少し変わった。性格も口調も心なしか少し感情的になり、色んな物に興味を示すようになった。 一体スカーレットがロビンに何を教わったのかは結局分からない。だが…きっと大切な事を学んだのだろう。【終】

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【余談解説】 「ロビンフッドのゆかいな冒険」を読み終わって以来、ずっと書きたいと思っていたお話でした。正義の味方ロビンではなく、気ままに生きるプライベートなロビンのお話。 プライベートの彼はとにかく自由で、身勝手で、底抜けのアホで、そしてそんなところが全て魅力的なのです。

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意外にも原典の彼は弓の腕を見せびらかしまくります。弓大会で一等の景品を持っていったり、国に指名手配されてるのに国の弓大会に命懸けで出たり、たまに外しても「矢尻の羽が悪かった！」って言い訳したり。弓についてはかなりフランクです。 「この弓は正義の為に！」みたいなイメージだったのに。

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そして逆に、弓で人を殺す事にはすごくナイーブだったりします。ここらへんはネタバレ防止の為に、まとめとかで別に文章あげますかね。 ともかく世界一有名なアーチャーは弓を娯楽として振るうのが好きだったのです。そんな魅力的な彼のお話も長いけど、是非読んでみてください。おすすめです。

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ところでスカーレットのウルフレイドに関する設定の下りは勝手な脳内設定です。その才能とリスクとか、同じ才能を持つヴォルフとの関係とか、書いてみたいな…。 では、長かったですが見てくださりありがとうございました。

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いつもより少し早いが、こないだの後日談だ。 さて、あれからロビンとスカーレットがよく一緒にいるのを目撃する。まあ…仲良きことは美しいが、ここまで来ると今度は気になるな。一体二人で何をしてるのやら…？ちょっと追い掛けてみようかな…。

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「ロビンさん、あれ以来貴方に言われて世界が変わった。何でも面白そうに見えるのね」 「それはよかったですね。…あれ？後世で赤ずきんちゃんが『寄り道大好き』になったのって、まさかこれが原因…？」 「でも…最近はあまり興味を惹くものがなくなってきたの」 「うーん、所謂飽きですかね？」

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「そこで師匠のお話を聞くべくこうして遊びに来ました。また私に遊びをご教授ください」 「堅苦しいですねえ…。ですがまあいいでしょう。一人遊びもいいですが、友人との遊びは楽しさも倍です。では今日はノッチンガムの街に行きましょう。楽しいことはどこにでも転がっています」

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一方その頃 「あ、リトル・ジョン。ロビンとスカーレット見なかったか？」 「ああ黒い鳩の嬢ちゃん。二人ならさっきノッチンガムに行ったぞ」 「礼を言う。探してくるよ」 「…なあ嬢ちゃん、俺は最近ロブが女の子をたぶらかそうとしてる狼に見えてきた」 「グランマ公認だし大丈夫だろ。…多分」

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「それでロビンさん、今日は何して遊ぶの？」 「そうですね…。ん？よし、面白い事が思い付きましたよ」 「お肉屋さんの屋台…？一体何を…」 「すいません。ここの肉、屋台ごと売ってください」 「ロビンさん！？」 「あれ、いつかの兄ちゃんじゃないか。またかい？」 「また！？また！？！？」