【wlw二次創作】その才能が泣いている【ロビスカ】

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

「よし、現金一括で買っちゃいました」 「ロビンさん、一体何を…？お肉屋さんにでもなるんですか？」 「スカーレット、貴女は一体何を言ってるのですか」 「ああ、違いますよね」 「肉を屋台ごと買う目的なんて、お肉屋さんごっこ以外に何があるというのです！」 「本当にお肉屋さんだった！」

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「それでは！早速ノッチンガムに行きましょう！制服は用意してあります！」 「えっ！何ですか？す、すごくフリフリのエプロン…」 「お肉屋さんなら衛生面にも気を使わないと」 「こんなところでも用意周到…。でも何で二着あるんです？」 「そりゃ可愛い売り子さんが『二人』いるからですよ」

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「そうでしょう？…アシェン？」 「バレた！？」 「来たからには手伝ってくださいよ。私のシャーウッドアイによれば貴女の94cmバストでもギリギリ着れますから。あ、でも伸びはしないでください」 「目測で私の胸囲を！？すごい！でもふざけるな！そんなもの着れるか！私は帰らせてもらうぞ！」

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「アシェン待って！道を通ってください！そんな木々の中を走っていったら……」 ＼こんな時に靴があああああ！！！／ 「侵入者用に仕掛けた森のトラップが……まあいいか。生け捕り成功です」 （成程、シャーウッドの森の中は彼等の領域…。これからはちゃんと整備された道を通ろう）

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「よし！これで準備完了！私も口髭を付けて…これでどう見ても初老のナイスミドル肉屋と、可愛い二人の売り子さんです」 「こ、この野郎！何で私までこんなカッコしないといけないんだ！…胸もキツイし」 「ワンダーランド指折りの可愛らしい華があればお客さんも増えて、私も嬉しいじゃないですか」

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「というわけで着きました！いらっしゃい！シャーウッドの肉屋！新鮮でしかも安いよ！」 「あっ、いつかの肉屋だ！」 「あの大安売りの肉屋！また来たのかい！」 「…スカーレット、『いつかの』とか『また』とかどういう事だ？」 「私も聞きたい」 【この肉屋ごっこは原典でも実際にやった】

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「ほら無駄話しない！早速お客さん来てます！もっと呼び込んで呼び込んで！」 「は、はい！お、お肉！お肉です！」 「…まあ乗りかかった舟だ。肉！安いぞ〜…ロビン？これ価格の桁が間違ってるぞ」 「ん？いや間違ってないですよ？」 「こんな値では儲けが出ないだろ」 「出なくていいんですよ」

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「ここ最近のノッチンガムは重税が引かれていますから皆が貧しい暮らしをしている。でもこれなら皆が贅沢できるでしょう」 「ロビンさん…おじいさんに変装してるのはそういう事…？」 「成程！粋な計らいじゃないか。それなら私もやる気を出そう」 「よし！皆で夕方までには全部売りましょう！」

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「いやはや、すっかり夕方になってしまいました。大盛況でしたね」 「タダ同然の値段だったからな。目の回るような忙しさだった」 「…でも皆、喜んでた」 「どうです？人を喜ばせるのってのも悪くないでしょう？」 「はい、充実した一日でした」 「私は…次はもう遠慮したいのだがな…」

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「さてと…それではお二人とも、少ないですが今日のバイト代です。山分けしてください」 「えっ？お金も貰っていいのか？」 「でもロビンさん、これって今日の売り上げでしょう？ロビンさんの取り分は？」 「私はいいんですよ。今日は悪党からせしめたお金を民に還元するのが目的でしたから」

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「サラリと物騒な事言ったな…」 「どうせ汚い金です。それなら皆を喜ばせる為に使わないと」 「アウトローめ。私はそういうの、実に大好きだ。ここは有難く受け取らせてもらおうか」 「そうね。あの…ありがとうございました。師匠」 「ええ、では私は屋台を持ち主に返してきますね。御機嫌よう」

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「…行ってしまったか」 「ねえアシェン、ロビンフッドは正義の義賊なんて言われて、とても高潔な人物なんだと思ってた。実際は…高潔どころか奔放な人ね」 「自分が楽しく遊んだ上で、他の人々も笑顔にする。あの羽振りの良さが後世で民衆の人気者になったのかもな」 「本当に…愉快な人」

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「ふう、今日はスカーレットも皆も笑顔になれてとても良い日でした」 ロビンは一人満足気に微笑み…そして真顔になる。 「…だが良かった。ジョン王と闇の軍勢が繋がっていなくて。街の人に聞き込んだが所詮は只の噂か。だがもう少し調査しておきたい。さて…次はどう街に忍び込もうか？」【終】