計画停電に対する経済学者の意見まとめ
@maeda すみません。そういう(重要だけど)テクニカルな事は判りません。ピークロードプライシングの議論では電力料金も事例として挙げられているので、今回のようなケースに応用できる可能性を考えました。
2011-03-14 13:23:56@kobayashi_masa 企業側は価格による需要の調整期待。一方、一般家庭の生活を下手に圧迫すると人材の消耗に繋がるのでこれは避けたい、ということです。
2011-03-14 13:24:39そもそも価格メカニズムが資源配分を改善するのであれば、東電による電力価格の設定を自由にするなり、電力使用権を入札で売却するといった形でもいいはず。ただ、需要に対して供給不足が大きく、かつ、需要代替性が低い場合には、資源配分は選好よりも予算制約で決まってしまうように思える。
2011-03-14 13:25:17この場合、需要者から独占者への余剰資産の移転は進むが、電力の効率的な分配は保証されないのではないだろうか?(もちろん、余剰資産の移転が完了して需要主体の予算制約の差が小さくなれば、選好の方が効き出すとは思うのだが・・・)
2011-03-14 13:31:18長期的には価格メカニズムを基礎とした資源分配の方が望ましい(例えば、電力不足であれば電力インフラへの投資が進むことで需給が改善される効果は見込める)が、短期的には価格メカニズムによる資源分配が機能せず、却って悪影響を及ぼすこともあり得る(需要全体の縮小均衡化)ような気がしている。
2011-03-14 13:33:23@kobayashi_masa 大口顧客については「何時から何時までの電力使用量はどれだけ」と記録する仕組みが既にあると思うので技術的にも可能でしょうけどね。
2011-03-14 13:34:00所詮、ローエコ好きというだけで経済学的分析手法を専門的に取り扱えるだけの技能がないので「気がする」ところまでしか言えないのだが、短期的な激変を緩和しながらの復興には、もどかしくても割当制限や価格統制で切り抜けなくてはいけない時期もあるのではなかろうか。
2011-03-14 13:35:28その意味では、今、経済学に求められているのは、silver bullet 的な解決策の提示ではなく、政府による短期的な処方箋がうまくワークするためのファインチューンの範囲での知恵出しと、そうした処方箋が意図せず恒常化・権益化しないような復帰条件のモニタリングではないかとも思う。
2011-03-14 13:38:02@ny47th 個人的には、価格調整と数量調整を補完的に使っていくのが現状ではベストではないかと思います。産業用電力への課税でピーク時の電力需要をある程度抑え、追いつかない部分を計画停電で乗り切る。現状の固定価格の需給調整を一月以上続けるのは、経済&東電への負担が大きすぎる気が。
2011-03-14 13:40:28@yagena コメントありがとうございます。価格調整なら税金よりも東電の価格設定の柔軟化の方が直接的だと思うのですが、課税という手段が望ましい理由は何になるのでしょう。
2011-03-14 13:43:24念のためにいうと、電力価格据え置きでなくてはいけないというつもりはなく、需給状況を踏まえた上での、一定の値上げはあり得べしと思います(し、おそらくそれは現在の制度枠組みの中でも起こる)。
2011-03-14 13:48:24@ny47th (以下ほぼ同僚の八田先生の受け売りです)問題は、電力供給が公益事業なので、価格規制でがんじがらめになっている点です。こちらの規制を緩和して、需要に応じた価格改定を東電に委ねるよりも、電力課税の法案を通す方が実現可能性&スピードともに早い、というのが大きな理由です。
2011-03-14 13:54:35@yagena なるほど。どちらが実現可能性・スピード共に早いかという評価は別として(直感的には税金の方が徴収システムなども考えないといけないので難しい気がしますが)、本質は価格による需要調整だと思うのですが、そうすると先日の便乗値上げのロジックにはならないのでしょうか?
2011-03-14 14:02:52@ny47th 昨日の単純な便乗値上げと異なる(と私が考える)点としては、1)「 ピーク時」の電力は飲料水や食糧品などの生活必需品と比べて価格弾力性が高い、2)電力が生産のための重要なインプットでもあるので、先の読みにくい現状の数量調整では経済活動の不安定につながる、があります。
2011-03-14 14:11:43@ny47th 電力税の具体的な課税方法については、電力料金の請求を税額分増やし、事業者である東京電力から政府に収める、という(消費税のような)方法であれば比較的スムーズに実行できるように思うのですが、私は専門ではないのでナイーブすぎる見方かもしれません…
2011-03-14 14:15:22@yagena 前提状況をどう考えるかが分かれ目なのですね。私は、現状の供給不足は通常の生産・生活活動を維持することを困難とするレベルなので価格弾力性は低いのではないかと考えているので、予算制約が効いてくるのではないかと思いました。(続く)
2011-03-14 14:15:31私も大賛成。ただ、名称は「税」としない方が良い。我々経済学者にとって税は単なる操作変数だが、普通の人は罰則的に取り立てられるものと認識している。感覚の違いはある。 RT @ikedanob: 「電力消費税」。税収はすべて震災復興に使う目的税。 @takero_doi
2011-03-14 14:16:10@yagena 第2点については、電力が工業インフラなだけに、価格メカニズムによる割当を受けられない中小製造業は事業継続ができなくなり、一時的な需給ギャップは川下での構造的な供給不足を招く危険もあるので、むしろ割当制による政策的な調整で激変を緩和する方が望ましいと思っています。
2011-03-14 14:17:53@yagena とはいえ、私も多少の値上げでmarginalな需要抑制までは否定しないので、割当を不要とするまでの資源分配の改善は見込めない(=割当は引き続き必要)ということであれば、実際にはそれほど立場は変わらないのかも知れません。
2011-03-14 14:26:43@ny47th なるほど。個人的には、だからこそ「すべて割当」という端点解ではなく、補完的な制度運用が重要ではないかと考えています。ご指摘の点に関しては、中小企業はいったん避けて、東電の大口顧客である大企業についてのみ課税、という選択肢もあります。いずれにせよ難しい問題ですが><
2011-03-14 14:32:49@yagena お付き合いいただきありがとうございました。こういう短期的な問題は、価格シグナルよりも、大規模工業地帯の操業計画を時間差で調整とか中央集権的なマッチングを中心に、その中での工夫とか・・・何か安田先生の得意分野に期待してしまいます。
2011-03-14 14:42:43@yagena 電力需要の短期の価格弾力性はとても低い(推計はググるとすぐに出ます)ので、電気使用量を抑えるための課税(電源開発促進税の一時的増加?)は効果が小さくなる、もしくは相当に高い税率が必要であると思われます。税収をあげる為であれば良いかもしれませんが。
2011-03-14 14:45:47@ny47th こちらこそどうもありがとうございました!現状では、市場や価格機能が非常に限定的にしか働かない、という点には大きく同意です。一方で、固定供給の下での「割り当て問題」は、まさにマッチング理論が扱う分野。僕も何か現実的な制度設計として提言できることがないか考えてみます。
2011-03-14 14:49:14@yagena 教科書的言えば、税を用いて「量」を調整するのは、試行錯誤が必要であることもあり、短期の問題には不向きです。割当制で短期の問題に対処し、税は長期的な電力の安定供給のために用いるのがよろしいかもしれません。
2011-03-14 14:52:15@heppoco_econ コメントどうもです!そうですね、直近の調整=数量、中長期の対処=価格調整というのがより良い認識だと思います。現状では電力供給自体の回復が4月末まで見込めなさそうですので、価格による調整が難しい中でいかにスムーズに割当を行っていけるかが重要な問題ですね。
2011-03-14 15:19:39