⬇︎『100万円の女たち』裏エピソードです。ドラマ、漫画ともにより楽しんでいただけたら嬉しいです。☺️ 「美波さんと砂子くん」の反響が多ければ漫画化できるかもしれません。 あと、僕の体力があれば。笑 気になった方はあちこちにリクエストしてくださいませ〜😘 おやすみなさい〜😴
2017-06-02 04:13:26白川美波は中学生当時おとなしくて目立たないタイプだった。 髪は長く顔を覆うようにしていつも俯いていた。 #100万円の女たち #福島リラ #遠藤雄弥 #二人の出会い pic.twitter.com/uYy9w60jYK
2017-06-02 00:54:48@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 気にかけた何人かの女子生徒が声をかけて遊びに誘ったり仲良くなろうとしたが、美波は簡単な返事くらいでそれらを全てかわしていたので、いつも下校まで机から殆ど立つことはなかった。 ある日の放課後、下校時にふと教室の方を見た砂子透は自分の教室だけカーテンが閉まっているのが気になった。
2017-06-02 00:57:49@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 砂子が教室のドアを開けると、そこには一糸纏わぬ白川美波が立っていた。 制服は投げ捨てたように床に散らばっている。 「あ、ごめん」と砂子はドアを閉めようとした。 「砂子くん、閉めて入って」 白川美波は少し早口でそう言った。 砂子は返事する間も無く教室へ入ってドアを閉めた。
2017-06-02 01:02:28@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 「びっくりした?」美波は髪を後ろに結びながら無表情に砂子に聞いた。 砂子はどこに視線を向けていいか分からない様子で「何してるの?」 「別に何も・・・たまにこうして裸になってるの。きれい?」 そう言って美波は少し笑った。 砂子は上手く返事が出来なくて教室を飛び出した。
2017-06-02 01:07:33@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 数日後、階段の踊り場で二人はすれ違った。 「こないだの事、誰かに話した?」 「いや・・・」 「ふーん、そうなんだ」美波は無表情に答えた。 少し考えた感じのあと美波は言った。 「今日、ウチに来てみる?」
2017-06-02 01:14:10@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man (普通の一軒家) 美波の部屋は二階にあった。 六畳くらいの部屋には服が脱ぎ散らかされていて勉強机もない。 白川美波は学校でもトップクラスの成績なので、砂子透は少し違和感を感じた。 「砂子くん、適当に座って」 そう言って美波は制服を脱ぎ始めた。
2017-06-02 01:23:04@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 「ちょっと待って・・・」 砂子がそう言いおわる前に美波は全裸になっていた。 「大丈夫、安心して。触ったら殺すから」 美波はそう言いながら古そうなベッドに腰掛けてこう続けた。 「ねぇ砂子くん、一緒に私の家族みな殺しにしてくれない?」
2017-06-02 01:27:38@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 「そして、最後には私を殺してくれない?」 美波の言葉に砂子は返事が出来なかった。 美波は砂子をじっと見ている。 その時、玄関の開く音がした。 砂子は慌てて階段を降りる。 階段の下には中年の男が立って砂子を見上げている。 美波の父親だろうと砂子は思った。 「おじゃましました」
2017-06-02 01:34:38@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 父親らしき男は一瞬だけ砂子を見たあと黙って階段を上がっていった。 砂子は男の眼を見て妙な胸騒ぎがして、美波の部屋へ戻ろうかと思ったが勇気が出なくてそのまま玄関を飛び出した。 玄関を出て少し歩いたところで白川美波の家を振り返った。 そのタイミングで美波の部屋の電気が消えた。
2017-06-02 01:40:49@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 「白川、ちょっといいか」そう言って砂子は美波を屋上まで連れて行った。 「白川は進学するのか?」 「たぶん・・・砂子くんは?」 「俺は進学しないことにした」 「なんで?」 「お前の願い叶えてやるよ」 「願い・・・?」 「みな殺し・・・ただし白川美波お前は殺さない」
2017-06-02 01:47:10@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 中学を卒業すると美波は女子高へ進学した。 そこでも美波は大人しく地味に過ごしていた。 美波は毎日思い出す。 「3年待っててくれ、卒業式に迎えにくる」 砂子透はそう言ってこの町から消えていった。 卒業式が終わると校門の前に砂子が立っていた。 「美波さん、お待ちしておりました」
2017-06-02 01:53:51@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 黒いスーツ姿の砂子は高級車の後部座席に美波を座らせると車を発車した。 「砂子くん、どこに向かってるの?」 「東京に行く」 「東京で何するの?」 「人を消す方法を覚えてきた」 「どうやって?」 「東京に着くまでに話すよ。ただし、もう普通には戻れない。いいか?」
2017-06-02 02:03:43@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 2年後、白川家の人間は行方不明になった。美波を除いて。 東京のオフィスで美波は外を眺めながらタバコを吸っている。全裸だ。 「何か変わりましたか?」 砂子が訊ねた。 「何も変わらないものね・・・」 窓ガラスに写る美波は泣いているように砂子には見えた。
2017-06-02 02:10:06@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 10年後、その道の世界で白川美波の名前を知らない人間はいなかった。 美波には素質みたいなものがあったのかもしれない。 砂子はそう思った。 美波は口も悪いし気も強く態度もでかい。 それでも、何故か人を惹きつける何かを持っていた。 そして、招待状が届いた。
2017-06-02 02:18:20@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 開 菜々果が殺された。 「砂子くん、例の件ウラとれた?」 「はい」 「そう・・・今回は死ねるかもね・・・」 「・・・美波さん、逃げましょう」 「・・・砂子くん、今更だけどありがとう。感謝してる」 「自分で選んだことです」
2017-06-02 02:24:48@Rila_Fukushima @endo_yuya @tvtokyo_100man 「今くらい敬語はやめてよ」 「白川・・・俺の方こそ感謝してるよ」 「どうして?」 「・・・お前が好きだったから」 「・・・知ってた。ごめんね砂子くん」 「いや、こうして居られるだけで本望だよ」 「キモっ!」 二人は無邪気に笑った。 『美波さんと砂子くん』完
2017-06-02 02:30:03『100万円の女たち』裏エピソードの評判が良かったので、まとめてフェイスブックにあげておきます。☺️ これを読んでドラマも漫画もより深く楽しんで頂けたら嬉しいです。😘 『美波さんと砂子くん』 facebook.com/aonoshunju/pos… pic.twitter.com/NfyKvuKMAt
2017-06-08 03:42:05