ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ 【8:オヒガン・シナプシス】 #2(ザ・ヴァーティゴ=サンのツイート補完)
「ヌウウーッ!」サブジュゲイターはサスマタを逃れようともがいた。サワタリはマチェーテを手にした。進捗4.1%。背後の謎めいたモニタが写す太陽系モデル図は、地球から遠い天体へ向けた、あるおぞましき交信の計画を示す。だがこの場所で争う者達がその正体を知る事はない。大師は死んだのだ。
2016-08-04 14:43:32「やめろ……!」今度はサブジュゲイターが警告する番だった。つい今しがたCEOの座を簒奪した男が!「そんな事をすれば……!」「お前とも腐れ縁と言っていいな」ディスカバリーが言った。「お前も腹を決めろ」進捗バーが伸びてゆく。ファーリーマンとハイドラはボーを構えて入り口を警戒した。
2016-08-04 14:46:43フォレストはマチェーテを振り上げた。彼の心中に、様々な思いが去来した。「……」「こっちはまかせとけ。終わるまで、誰も入れねえぞ。早くそいつを殺せよ!」ハイドラが叫んだ。サブジュゲイターは血走った目でフォレストを睨んだ。フォレストは……マチェーテを下ろした。「……やめにする!」
2016-08-04 14:49:06「そうだ!よしなさい!」サブジュゲイター。「黙れ!」ディスカバリーが叫んだ。「止め?何のために、こんな苦労して本社まで!」ハイドラが唸った。「ふざけるな大将!」グエン・ニンジャのソウルは勝利を求める。犠牲を払い、戦い続けてきた。勝利。解放。自由。破滅に繋がろうとも……「やめだ!」
2016-08-04 14:52:36「ヨロシサンとて、この世界にこうして在る以上、曲がりなりにもインフラストラクチャとして食い込んで……世界の一部として在るのだ。お、俺は貴様らの命を奪ってまでヨロシサンを……潰せん……今ここでその結論に至った……!」「ナメるな!」ハイドラが地団駄を踏んだ。「ナメるなーッ大将ーッ!」
2016-08-04 14:58:14ブガーブガー!「ザッケンナコラー!」「スッゾオラー!」白衣クローンヤクザが雪崩れ込んでくる。ハイドラとファーリーマンは次々に彼らを殺害した。緑の血液が飛沫を上げ、壁に、UNIXデッキに、取締役会に跳ね散る。落下時にプールに沈んでいたカエルが這い上がった。サワタリは抱え上げた。
2016-08-04 15:04:27「ナサケネエ大将」カエルがもごもごと喋った。サワタリは肩を震わせた。懐に再びカエルをおさめ、進捗の停止ボタンを殴りつけた。ガギュン……サーバー復帰音が響いた。ディスカバリーは観念し、サスマタで押さえつけられたままのサブジュゲイターを全力で殴りつけた。「イヤーッ!」「グワーッ!」
2016-08-04 15:08:46「もう一発だ!イヤーッ!」「グワーッ!」ヨロシ・ジツのコンフリクトによってサブジュゲイターのニューロンが白熱し、気絶せしめた。「クソッタレが!この社長野郎生かして、ズラかるしかねえんだろ!ふざけるんじゃねえ!」「軍法会議は事後に甘んじて受ける。だが今は総員、俺の決定に従え!」
2016-08-04 15:12:08「ザッケンナコラー!」「スッゾオラー!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「アバーッ!」アビ・インフェルノ緑色!ヤクザ死体無数!「0点だ!今日の大将はよォ!」ハイドラは叫んだ。しかし指示には従った。UNIX机によじ登り、元来た天井穴へ一人また一人とよじ登り、去っていった。
2016-08-04 15:18:24ブガー……ブガー……警報音鳴り響く中、AEDショックでサブジュゲイターが覚醒したのはおよそ五分後。「CEO!」管理社員のシモチダがサブジュゲイターの肩を揺さぶった。「ご指示を」「CEO、私か!」混濁した意識下で彼は呟き、取締役会プールを振り返った。紆余曲折あれど野望は成ったのだ!
2016-08-04 15:22:25「早速それでは運営会議だ。新たなアジェンダを……」「まず現在の状況への対処指示を願います」シモチダは遮った。「先程まで本社前広場で足止めしていたネオサイタマ市警49課が社内に侵入しました。強制捜査です。何らかの破壊プログラムで、セキュリティが機能しておらず……!」「何だと!」
2016-08-04 15:25:56警告音の中、老いた男の声が社内放送で鳴り響く。『NSPD49課、ノボセ・ゲンソンである。違法クローンマッポ導入と製造、贈収賄に関し強制捜査令状を有している。各社員その場でホールドアップし待て!』『TVでも報道されてッぞ!証拠隠滅は死刑だ!』別の声が付け加えた。ナムアミダブツ……!
2016-08-04 15:34:07地球大気圏外!暗黒の宇宙空間をジグザグに焼き焦がしながら進む、荒々しきカラテの流星!おお……見よ!その内側に二人のニンジャを閉じ込め、死のカラテを続けさせるゼウス・ニンジャの雷球内では、未だ血で血を洗うようなカラテの激突が続いていた!
2016-08-04 15:41:00ニンジャスレイヤーの拳!「イイイヤアアヤーッ!」「グワーッ……!」アガメムノンの拳!「イイイヤアアヤーッ!」「グワーッ……!」「「イイイヤアアヤーッ!」」SMAAAAASH!両者のカラテ後ろ回し蹴りが激突し、互いを弾き合う火花!血振りされたカタナめいて血の飛沫が一瞬霧の如く舞う!
2016-08-04 15:43:42睨み合う!ニンジャスレイヤーのカラテアッパーカット!「イヤーッ!」「ゴボーッ!」アガメムノンの肘打ち下ろし!「イヤーッ!」「グワーッ!」ニンジャスレイヤーの右拳!「イヤーッ!」「グワーッ!」アガメムノンの左拳!「イヤーッ!」「ゴボーッ!」血を吐き、なおも剥き出しの殺意で睨み合う!
2016-08-04 15:45:52ゴウ!両者の視界全方位が赤く変わる!すわ、火花散るほどの殺意の凝視が一触即発のカラテ・アトモスフィアに火を付けたか!?否!これは大気圏突入!「「グワーッ!?」」尋常ならざる熱!さしもの雷球も赤熱!外側を炎に包まれ赤黒く染まる!「ARRRRGH!」ゼウス・ニンジャのソウルが吠える!
2016-08-04 15:50:09アガメムノンが再び全身放電!「ARRRGH!」雷の速度で迫る!下段足払い!中断回し蹴り!そしてディレイド・デン・ダブル・セイケンヅキの連撃!ライジン!「イヤッ!イヤーッ!」「グワッ!グワーッ!」打撃命中から一拍遅れての電撃ショック!弾き飛ばされ背後の雷球金網に激突!「グワーッ!」
2016-08-04 15:55:09ナムサン!ナラクニンジャが己自身を燃やし、ニンジャスレイヤーの肉体の即死を防ぐ!(((ヌウウウウーッ!このままでは持たぬぞ、フジキド!)))雷球は未だ大気圏内の熱摩擦!雲海の彼方!スモッグが円形に吹き払われた日本列島が、混沌のネオサイタマが、視認できる距離にまで近づく!
2016-08-04 15:59:06「薄汚い大地だ!アルゴスを失い、もはや世界を正しく再起させるすべは永遠に失われた!終わりだ……!貴様が!台無しにしたのだ!貴様は……私の……!」アガメムノンは両腕を振り上げ、ゼウス・ニンジャの全身全霊の内なる稲妻を放出した!ただ目の前のこの男、ニンジャスレイヤーを消し去るために!
2016-08-04 16:03:22「滅びよ!ニンジャスレイヤー=サン!イイイヤアアアアアアアアーーーーーーッ!」二人の立つオクタゴン金網柔道場めいた雷球の内側が、白光で満たされ、溢れ出た雷は地上に降り注いだ。
2016-08-04 16:07:49一瞬ホワイトアウトした視界は再び、赤く染まる!ニンジャスレイヤーは……ナムサン……生きている!「……ハァーッ!……ハァーッ!」彼が眼前に掲げたヌンチャクは、ドロドロの飴めいて融解!燃えながら、黒い炎を吐き出すブレーサーに呑み込まれる!アガメムノンが驚愕に顔を歪める!「貴様は……」
2016-08-04 16:10:30ニンジャスレイヤーはブスブスと肉の焦げた黒い拳を振り上げる!右カラテストレート!「イヤーッ!」「グワーッ!」左カラテストレート!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イイイヤアアアアーーーーーッ!」鼻骨を砕く渾身の右カラテストレートが決まった!SMAAAAAASH!「グワーーーーーッ!」
2016-08-04 16:13:22KRA-TOOOOOOOOOOOOOM!彼らを守っていた雷球が、無数の稲妻と化し、散った!地球重力場が彼らを迎える。異常接近していたオヒガンは既に本来の位置へ。ゴウ!度し難い熱が彼らを包む!ナムアミダブツ!このままでは燃え尽きてしまう!
2016-08-04 16:16:48「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはジュー・ジツで巧みに身体制御を行い、大気圏内でマウントを奪うかの如く、敵を地球側に押さえつけた!「グワーッ!?」大気摩擦により、アガメムノンの背中はヒートプレートめいて赤黒く燃え上がる!死神は拳を振り上げ、打ち下ろす!「イヤーッ!」「グワーッ!」
2016-08-04 16:21:21