ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ 【8:オヒガン・シナプシス】 #2(ザ・ヴァーティゴ=サンのツイート補完)
「ああ畜生」ジェノサイドは己の帽子を惜しんだ。ダイヒョウは床に伏せようとした。巨大鏖殺スリケンはダイヒョウの頭上を虚しく通過する寸前に爆発し、四方八方へ鉄条網を再び撒き散らした。「アバーッ!?」ダイヒョウは為す術もなく縛られる!その首をジェノサイドのバズソーが切断!「サヨナラ!」
2016-08-02 18:56:22「ハーッ……!」ジェノサイドは呻き声をあげ、床に手をついた。アナイアレイターを振り返った。金色の瞳を明滅させ、毒づく力ももはや無し。ジェノサイドはバズソーを引き寄せる。あとどれほど敵が残っている。「「「イヤーッ!」」」アマクダリ・ニンジャが3人、回転ジャンプでエントリーする。
2016-08-02 18:58:17「ドーモ。ハリカルナッソスです」「アローレインです」「クラリオンです」勝ち誇ったアイサツののち、ハリカルナッソスは残忍に目を細めた。「手負いのゾンビーに、ンン……あれが例のアナイアレイター……健気よの」アローレインは両腕のマルチプル・ボウガンを構え、クラリオンはジツを漲らせた。
2016-08-02 19:04:42「終わりだ」「もう一発いけるか」ジェノサイドがアナイアレイターに言った。「悪いが弾切れだ」アナイアレイターが答えた。「仕方ねえ。ハイクでも考えとけ」ジェノサイドがよろめき立った。ハリカルナッソスは絶望を上塗りすべく、言い放つ。「我々の後ろにもセクトの軍勢が続いておる」
2016-08-02 19:08:09「そうだァー……セクトのよォー……」気だるげな声が後ろから答えた。「だいぶ数があったよなァー……」ハリカルナッソスは振り返った。目を見開く。「なんだと?」「どいつもこいつも……歯ごたえのねえクローンに雑魚ニンジャ……お前らはどうなんだァー……」闇の奥から長髪のゾンビーが進み出た。
2016-08-02 19:11:40「ジェーノサイィード……エルドリッチだぜェー……なげェなげェ道のりをよォー……降りてきてやったぜェー……会いたかっただろォー……」「ちっとも嬉しくねえな」ジェノサイドは唸った。「またにしてくれ」「ダメだ」BANG!両手ショットガンが火を吹いた。「グワーッ!」
2016-08-02 19:18:05クラリオンの胸が爆ぜた。ジェノサイドは瞬間的に彼の陰に跳んだのだ!「イヤーッ!」お返しにバズソーを繰り出す!「グワーッ!」アローレインの右腕が刎ね飛ぶ!「ハァー!」エルドリッチは舌を垂らして笑い、銃を捨てて鎖鎌を構えた。「イヤーッ!」「グワーッ!」アローレインの左腕が吹き飛んだ!
2016-08-02 19:22:06「クソバカが」アナイアレイターは鉄条網を幾重にも張り巡らせた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」二人のゾンビーはチェイン・ウェポンを猛烈な勢いでぶつけ合った。火花が散り、挟まれたアマクダリ・ニンジャ達はズタズタに切り裂かれてゆく!「「「アバババーッ!」」」
2016-08-02 19:25:35「ハァーハァーハァーヒヒィーヒィー!」エルドリッチは狂笑し、「邪魔だ!邪魔だ!クソ邪魔だ!クソ!邪魔だ!」ジェノサイドは打ちあうほどに怒りを燃え上がらせて、バズソーを繰り出す勢いを強めた。ズタズタの肉塊と化した3人のニンジャが次々に爆発四散したが、二者にはもはや見えていなかった。
2016-08-02 19:30:50「これは」新たに奥の闇からエントリーしかかったニンジャが、物陰に再び隠れた。「いけません、リー先生」ラヴェジャーは主人を振り返り、制止した。「やはりエルドリッチです。我らの戦闘に乗じ、こんな深部にまで」小脇に抱えるのは、仮死状態となって白目を剥いたブルーブラッドだ。
2016-08-02 19:34:25「嗚呼、嗚呼!」リー先生は頭を抱えた。「何故!ジェノサイド……ジェノサイド=サンとエルドリッチは極力鉢合わせてはならないのだ!特にこのような極度状況下では!」彼はラヴェジャーにぶつかるほどに顔を近づけた。「わかっているのかね!再定義プロセスが失敗し逆流現象が起こっているのだぞ!」
2016-08-02 19:38:16「承知しております!」ラヴェジャーは脂汗を垂らした。「しかし、もはや我々に余剰戦力は無く」然り……破壊され尽くしたラボを放棄した彼らは深層のナンシー・リーらと合流すべく避難する過程でアマクダリ戦力と死闘を繰り広げ、もはや手勢のゾンビー全てを失っていた。「だが、ンンーッいかんぞ!」
2016-08-02 19:43:38「どのような事象が?」「仮定の話であるが、ジェノサイド=サンのゼツメツ・ソウルがエルドリッチの肉体と再融合する可能性すらある!そうなれば彼はゾンビーではなくなってしまう!単なるニンジャだ。そのような結果は許容できん!嗚呼!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
2016-08-02 19:47:00「いや、しかし……あれは止められませぬ……」ラヴェジャーは悔し涙を流した。「ンンッ!?」リー先生はびくりと体を震わせた。「これは?」彼の白衣の中から脈打つ光が放たれている!彼は懐から素早く光の源、すなわちニンジャ・クリスタルを取り出した。「フ、フブキ君?」「石です、旦那様!」
2016-08-02 19:50:06「しかし見よ!再定義失敗によるフィードバック現象が……フブキ君?肉体を失ってなお……まさか……」「おかわいそうに」ラヴェジャーは涙をぬぐった。「石でございます、旦那様。石なのです」「見よ!ラヴェジャー!而して、嗚呼!」「石……アイエエエ!」クリスタルから投射される光の先に、姿!
2016-08-02 19:52:10「フブキ君!」「ドーモ」はにかみながらアイサツしたホロ映像は、確かにフォーティーナインであった。「この状態は、しかし!無事なのかね」「無事ではありませんわ」フブキは霊的な目を伏せた。「先生を抱きしめる事が二度と……」「ジェノサイド=サン!」リー先生はクリスタルと共に走り出た。
2016-08-02 19:57:33「ジェノサイド=サン!よすのだ!この状況下でやりあってはならん!場合によってはお前という存在が失われ、単なるつまらないニンジャとなってしまう!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「あれほど希求していた生前の状態に永久に戻れなくなるのだぞ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「耳を貸すのだ!」
2016-08-02 19:59:56「イヤーッ!」「イヤーッ!」チュン!鎖がかすめ、リー先生の眼鏡が砕けて落ちた。「前が!」よろめいたリー先生の手からニンジャ・クリスタルが転がり落ち、荒ぶる二人のゾンビーの間に映像が投射された。「喧嘩を!おやめなさ……」バチュン!決然と手を差し伸べたフブキを二人の攻撃が搔き消した。
2016-08-02 20:05:45二者は訝しみ、手を止めた。クリスタルから再び映像が投射された。「喧嘩を!おやめなさい!」フブキが決然と言った。「……」「……」エルドリッチとジェノサイドは行動を決めかね、互いに一歩下がった。「そうだ。やめるのだ。やめるのだ……やめるのだ」リー先生が両手を掲げた。「やめなさい」
2016-08-02 20:07:56二者は訝しみ、手を止めた。クリスタルから再び映像が投射された。「喧嘩を!おやめなさい!」フブキが決然と言った。「……」「……」エルドリッチとジェノサイドは行動を決めかね、互いに一歩下がった。「そうだ。やめるのだ。やめるのだ……やめるのだ」リー先生が両手を掲げた。「やめなさい」
2016-08-03 12:31:28「スッゾスッゾスッゾオラー市民!」UNIX戦略室に、血まみれのハイデッカーが飛び込む。「スッゾスッゾスッゾ……」「アイエエエ!」BLAM!BLAM!UNIXデッキが被弾して火花を散らした。今この場に戦闘員無し!「スッゾスッゾ……ムン」ハイデッカーの後頭部にバールが振り下ろされた。
2016-08-03 12:36:00ハイデッカーは気絶して倒れた。すでに満身創痍の個体であった。サヌマがバールを下ろし、座り込んだ。「フーッ……よしてくれ本当に。こういう役目じゃないんだから」「ヤッタ!」元オムラ整備班が喝采し、ホリイがサムアップした。戦略室を緊迫感ある沈黙が押し包んだ。「……終わりか?やったか?」
2016-08-03 12:41:09