@shi_pienyiさんによる貞観地震についてのまとめ

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この貞観地震の津波の逸話の分布も、現在被害が最も酷かった地域と、それほど変わらない状況であるようだ。　そのことも、現在の大震災と貞観地震との共通点を傍証しているだろう。

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なお、『三代実録』によれば千人の被害とは言いますが、おそらくこれは当時の中央政府の把握人口の間のみであって、北部に住む蝦夷などの被害については述べられておらず、実情はこれを遥かに凌駕していると考えられるだろう。

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さて、この貞観地震のような連動地震がどのような頻度で起こるか。これも津波堆積物の分析からわかっている。石巻から仙台に至る地域で津波堆積物を調査したところ、三陸沖や宮城沖、福島沖といった単独の地震ではありえない堆積物が、1000年に一度のペースで見出すことができた。

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そのことに鑑みると、貞観地震・今回の大震災のような東北の広い範囲にわたる連動地震は、およそ1000年に1回のペースで起こったことは明らかだ。そして、前回が869年であったということを考えれば、今回の地震もまた、決して対策が不可能であった、とは言い切れないのである。

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また貞観地震と富士山噴火の関連についてであるが、貞観地震(869年)の5年前、864年に富士山が噴火を起こしている。これは、貞観大噴火と呼ばれる、史上でもかなり大きな地震である。

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この時の地震では、富士山の北側にあった大きな湖である剗の海（せのうみ）が溶岩流によって埋め立てられ、富士五湖が形成されている。また北麓はこの溶岩流に焼き払われて荒野と化した。　現在ではその地域が青木ヶ原樹海となっている。

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ただし、関連があるのか、という確定的なことはおそらく言えない。おおよそ関係があったのだろう、という程度のものであり、理論的な説明をすることはできないのだ。　同様に、現在の大震災が富士山噴火や東海・東南海・南海連動地震を誘発するかというと、これもわからないといわざるを得ない。

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貞観について、自分で調べてみたり、TLの方々からご教授頂いたことはだいたい以上である。　くれぐれも言っておくのだが、これはあくまで過去の事例でしかなく、同様のことが起こる”可能性がある”のでしかない。　必要以上に危険性を強調し、恐れることは却って危険を呼び込む。

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どのような災害が過去において起こったかをきちんと知り、その対策を取るということは大切であるが、必要以上に怖がっても仕方ないのである。　と、いうちょっと教訓じみた話で、閉めようと思う。

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なお、貞観地震については東大史料編纂所の教授である、保立道久氏がブログに書いてくださっているので、そちらもご参照頂きたい。私の話よりもずっと信用性が高いので。　　http://hotatelog.cocolog-nifty.com/blog/

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保立氏によると、この貞観のころは地震もかなり多かったそうである。　このあたりも、少し知っておかれるといいのかもしれない。