- Jindai_Komaki_
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「もうやだ〜。学校休むうう」 「うんこ漏らして学校休むとか恥を知れなのです」 「お母さん嫌よ? 娘がうんこ漏らして休みたいって言ってるって先生に連絡するのは……」 「腹痛とか頭痛とか適当に誤魔化してよ!?」 「もういいから来やがれなのです」 #梅桃桜
2017-06-20 12:57:37「キャハ!! このエマ様に勝とうなんざ、千年早いのよ!」 「この藤堂平助の目が黒いうちは、アオイお嬢様のもとへ行かせはしない!」 火花を散らす斬合。斬り結ぶ刀は高音を放ち、周囲へと恐怖と動揺を撒き散らす。 「なら、白目に変えてやるよ! キャハハハ!」 #梅桃桜
2017-06-20 15:12:00目で追うのがやっとの動き。忍者執事対キチガイゴスロリ。二人は刀を振り回し、斬りあっている。 「二人とも! 落ち着いて!?」 「キャハ! 待ってて、桜子。今コイツを膾にしたげるから!」 「ではこちらはゲソにしてあげましょう。手足を斬り落としてね!」 困った人たちだ #梅桃桜
2017-06-20 15:14:26【梅桃桜。第九話『齟齬。そして失われた記憶』】 櫛灘家へ立ち入る場合、武器携帯はご法度らしいのだが。エマが刀を手放すのを拒絶し、それでも門扉を飛び越え、敷地内への侵入を試みた結果── 「お若いのに良い腕をしていますね」 「あんたこのね、やるじゃない!」 #梅桃桜
2017-06-20 15:19:36このようにエマと平助の関係は刀を斬り結ぶ仲まで発展したのである。ようするに命(タマ)の取り合いを始めたのだ。わたしは巻き込まれないように遠巻きに動揺している。 「しかたがない。執事衆でませい!」 イヤッハー! そう叫びながら落ち葉の下から執事たちが飛び出してきた。 #梅桃桜
2017-06-20 15:23:04「へぇ? 数で来ようってゆうのぉ? だったらね──」 エマは凶悪な表情で片手を上げる。 「我が旅館に棲みし者ども! 出番よ!」 「めでえええなあああああ!!!」 「エマお嬢さまああああああああ!」 今度は木々の上から金沢旅館従業員のみなさまが降ってきた。 #梅桃桜
2017-06-20 15:25:41「ふん、仲居のトメさん」 「ハハイ!! お嬢さま!」 「現場指揮とあの執事は任せたわ。あたしはアオイに用がある」 「おまかせあれえええええええええ!!」 「行くわよ、桜子」 「へ!?」 状況においてけぼりをくらっていた、そんなわたしはいきなり名前を呼ばれて動揺する。 #梅桃桜
2017-06-20 15:27:54「お待ちなさい! アオイお嬢様のもとへは……はっ!?」 わたしとエマを追跡しようとしてた平助へ分銅が襲いかかる。すんでのところで刀で弾いたものの、彼の足は止まった。 「エマお嬢様の邪魔はさせませんよおおおおおお!! ひいああ!!」 「この分銅。貴様も忍びですね!」 #梅桃桜
2017-06-20 15:30:26「カカカカカカ。甲賀流筆頭上忍、青島トメ。この場は儂が仕切らせてもらいまするぞォォ!!」 「フッ、面白い。僕は伊賀流上忍頭、藤堂平助。いざ尋常に──」 「勝負!!」 ──────── 「なにものなの!? エマちゃんたち!!」 「旅館の従業員と経営者のお嬢さまよ」 #梅桃桜
2017-06-20 15:33:03「仲居さん、甲賀流とか叫んでなかった!?」 その言葉を聞くや否や、エマはいつもより恐ろしい形相に変わり、わたしの首に刀を突きつけてくる。 「それ。他言されたらいくらダーリンでも殺らなきゃいけなくなるのよ。ねぇ?」 「ういっしゅ。誰にも言いませんです、はい」 #梅桃桜
2017-06-20 15:35:19「それより、急ぐわよ。ここは敵地。戦力は敵のほうが勝っているはず」 「う、うん」 唖然としながら、わたしはエマに手を引かれるまま洋館へと走る。 「……! そこ!」 エマは突然左右に両腕を広げる。 カカカカッ! と小気味の良い音が響き、道を挟む木にクナイが刺さる。 #梅桃桜
2017-06-20 15:44:12「うお……」 「平助様……申し訳ありま……」 木を模した布のような物が剥がれ、二人の執事が倒れ込む。左右の木に二人が擬態していたところへエマの放ったクナイが刺さったのだ。 「ころしちゃ……!?」 「いいえ。急所は外しているわ。でもトリカブトを調剤した麻痺薬で──」 #梅桃桜
2017-06-20 15:46:22「も、もういい、耳が腐る……っ!」 この島は銃刀法違反に次いで、薬事法的なものも仕事してないらしい。 「まあいいわ。扉までついたわよ、ダーリン」 頷きドアノブを回すが施錠されているようだ。 「どうしましょうか……蹴破る?」 「いいえ、斬り破る!」 #梅桃桜
2017-06-20 15:49:21エマは上段に構え、刀を振り下ろす。 「金沢流発剣術! 宝竜三式!」 扉に稲妻のような亀裂が走り、その瞬間、バラバラに刻まれた。 「キャハハ! さあ先に進みま──」 「エマちゃん、危ない!」 わたしは咄嗟にエマを押し倒すように飛びかかる。 「な!? ダーリン!?」 #梅桃桜
2017-06-20 15:52:34ドアが破壊された刹那、その場を塞ぐように上から鉄柵が降りてきたのだ。エマはそれに気がついておらず、わたしは彼女を助けるために飛びかかった。 「無事で良かった」 「ダーリン、背中……」 「ありゃ。血だらけ」 鉄柵に引っ掛けたのだろう。 「これくらいどってこと!」 #梅桃桜
2017-06-20 15:55:19「ダーリン……あたしを助けるために」 エマは涙目でわたしの腕に組み付いてきた。 相変わらず胸がデカイな、コイツは。 「き、気にしないで。わたし変な気起こしそうだし」 「変な気ってなぁに? ねぇ……」 目を潤ませ頬を紅潮させたエマは唇を寄せてくる。 #梅桃桜
2017-06-20 15:57:15ふっ。どうせこういう場面でサブヒロインのキスに応じても邪魔が入るんだろ。漫画でもアニメでもラノベでもそんなもんだ。ならば別に応じても問題なかろう。わたしは太郎が好きだが。 ──まだ付き合ってるわけでもない! ここでゴスロリ美少女とチューしようがなにしようが無問題 #梅桃桜
2017-06-20 15:59:55よしんばキスに成功したところで誰にも後ろめたいわけではないのだ。 よし、チューをしよう。 「エマちゃん、可愛いね」 「……え?」 「キスしたいの?」 「……ダーリンのバカ。言わないでよ……ねぇ?」 「ん……」 そっと唇を唇に重ねる。エマの体がピクっと反応した。 #梅桃桜
2017-06-20 16:01:52「ん……ん……!」 唇を離そうと、真っ赤になったエマは必死にわたしを押してくる。 「んあ……ん……!」 それでもわたしは彼女を強く抱きとめ、唇も体も離さない。じたばたと暴れていたエマが弛緩し、ようやく彼女を解き放つ。 「はあはあ……あ、あう……」 #梅桃桜
2017-06-20 16:04:14エマは両膝を床につき、両脚を小さく震わせている。 「わたしのこと好き?」 「好き。その背中の傷を見るたびに……あたしはダーリンへの想いを打ち直せるわ……」 背中の傷が疼く。 「舐めてよ」 「え……?」 「傷。あなたのためについた傷」 「は、はう……」 #梅桃桜
2017-06-20 16:09:26「ほら、もたもたしないで」 「……はぁはぁ」 エマは息を切らせながら震える脚で立ち上がる。 「ひどい傷……」 「優しく舐めてね」 わたしは上着を捲し上げ、微笑む。 「ん……れろぉ……はぁはぁ……」 「痛っ」 「……くちゅ……れろ」 舌が傷を這い、胸が高鳴る。 #梅桃桜
2017-06-20 16:12:06口内や唾液には雑菌が含まれてるので傷を舐めさせるのはあまりよろしくはない。 ただ、なんというか。支配欲が満たされる。 このドS女を屈服させるなら今しかない。そうわたしの本能が察したのだ。 「ダーリン、気持ちいい……?」 「わたしのことは、お姉様って呼びなさい」 #梅桃桜
2017-06-20 16:14:25「お、お姉様ぁ」 口元をわたしの血で染めたエマ。もはや狼のような凶暴な表情はない。傷を負いながら命がけで救われた歓び。そして血を舐めさせられる隷属感。もはや、この子はわたしの奴隷である。 「これからは、わたしの言うことをなんでも聞くのよ」 「え……そんな」 #梅桃桜
2017-06-20 16:16:26「足の指を舐めてといえば舐めるの」 「で、でも……あたし」 「ほら、這いつくばって足の指を舐めて綺麗にしなさい」 「お姉様ぁ……」 エマは躊躇いながらも四つん這いになり、わたしの靴を脱がせ始める。 「もたもたしないの!」 彼女の刀の峰でエマの尻を激しく叩く。 #梅桃桜
2017-06-20 16:18:38「きゃあ……! 痛いわ……!」 「早くなさいって言っているの!」 「ごめんなさい、お姉様ぁぁ……」 エマは震える手でわたしの靴下を脱がし、親指を口に含む。 「もご……んぐ……う……」 「ほら、舌で舐める!」 刀を尻に叩きつける。 「んんんんん……!? んあ……!」 #梅桃桜
2017-06-20 16:21:02