枝松聖さんの「宇宙戦艦ヤマト2202」に関するツイートまとめ

「宇宙戦艦ヤマト2202」でメカニック作画協力をされている枝松聖さんの「宇宙戦艦ヤマト2202」に関するツイートをまとめ中。(随時更新)
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枝松聖 @EDAKIO

艦隊戦などの表現が「2199」とは別の切り口に変わったように、今作では操縦席内の描写も変化していて。デザインのおもしろさやディテールを魅せることより、バイザーの奥の表情や、衝撃に耐える姿を描くことに重きをおいた、パースもダイナミックについた、より一層「人」へ迫る画づくりになっています

2024-04-18 08:42:06
枝松聖 @EDAKIO

人物にカメラが迫るということは、メカニック部分は少なく、線の量も減るということでもあったので、カゲやハイライトのかたちで情報量を上げるようにしていました。カゲの面を多くとり、その中で少しずつ抜きのラインを入れる描きかたは、じつは「機動戦士ガンダムUC」のMSの作画を参考にしています。

2024-04-18 08:42:07
枝松聖 @EDAKIO

実際には、こうするといい感じ?あ、UCっぽい。じゃあ以降はコレで。という感じでしたが。「2199」と何かが変わったのはわかるが、具体的にこうしましょうという指定はない中、毎回、これから作業するカットの絵の雰囲気や公式サイトの結城さんのイラストから、メカニック作画の方向性を探っていました

2024-04-18 08:42:07
枝松聖 @EDAKIO

あの頃はイスカンダルへの旅からの変化に戸惑う古代、みたいな気持ちでしたが、変化したレギュレーションに合わせた方法論を探して、作画のスタイルを調整して…と、ふりかえってみれば思っていた以上に、制服は変わってもおしゃれメガネは不動な南部、ぐらいには、「仕事」をしていたみたいです。

2024-04-18 08:42:08
枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第一話で、古代は波動砲の光を目撃します。瞬間、ゆうなぎの前を横切る光に合わせてカメラが回り込み、強い光で生じた影が古代の体の上を走ってゆき…。波動砲の光の質量や、2202年にそれが存在していたことへの古代の衝撃までが伝わる表現が印象的な場面でした。 pic.twitter.com/JtEPIeQaEZ

2024-04-19 09:14:14
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枝松聖 @EDAKIO

光を受け、古代の体の上をつたうカゲのかたちのかっこよさや動きの心地よさに心奪われますが、それまで薄暗かったゆうなぎの艦橋の異様なまでの明るさや、「2199」の頃から人物を映すカットでは基本的には止まっていたカメラが激しく動く意外性等、映像の文脈的にも特別な演出が、強烈な印象を残します

2024-04-19 09:14:15
枝松聖 @EDAKIO

第一話では、元ヤマトクルーたちがその瞬間どこにいるのか、ここは司令本部です、みたいな風景ショットを入れなくても、それぞれの制服やその場の照明の雰囲気で知覚できるようになっているのですが、その前提条件を崩すほどの照明効果を及ぼす光、という意味でも、波動砲の強大さが伝わってきます。

2024-04-19 09:14:16
枝松聖 @EDAKIO

古代を心配する雪を映す時、風景よりも速く表情へカメラが向かう、秒で感情を揺さぶりにくる心情演出と、重々しさと軽やかさが共存するメカニック演出、そして、そこまで積み上げられた時間も空間も越えて現れる幻と。「さらば」とも「2」とも違う、誰も知らない物語の中、「2202」は走り出しました。

2024-04-19 09:14:16
枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四話を久しぶりにみました。とてもおもしろかったです。「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」4Kリマスター版の記憶がまだあざやかなこのタイミングで、このエピソードと向き合うことができてよかったです。 pic.twitter.com/MQ2Vjz7wtt

2024-04-23 09:56:48
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枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四話がBS11にて24日24時から、TOKYO MX にて25日22時から放送されます。闇の中、刻一刻と高まる緊張感、からのクライマックスへのカタルシス、おしゃれなタートルネック姿の島など、見どころの多いエピソードになっています。よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/atBZZgYxZk

2024-04-24 08:22:33
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枝松聖 @EDAKIO

全てから見放されたかのような旧地下都市で、それでもずっとヤマトクルーたちと共にある、ヤマトの各所のディテールも見どころです。波動砲の内部、そして後部タラップなど、暗めな場面でもしっかり細部が描かれていたりするので、可能であれば、より映りのいい画面での視聴をおすすめしたいです。

2024-04-24 08:22:34
枝松聖 @EDAKIO

ヤマトには多くの課があり、多くのひとが乗っていることを思い出させてくれる描写や、闇の中でもまぶしいヤマトの制服と闇に紛れる特殊部隊の戦闘服との対比、別の衣装であっても、その下に身につけていたものが語る心情など、指の先まで見逃せない、衣装を使った演出が印象深いエピソードでもあります

2024-04-24 08:22:35
枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四話では、若きヤマトクルーたちが第三艦橋の搭乗口で山崎さんと会話する様子が描かれます。まだ幼さの残るふたりと並ぶことで、山崎さんの体格の良さも伝わるこの場面に映っている第三艦橋は「2199」第2話の特設ドッグの場面に登場した画が活用されています。 pic.twitter.com/oDW9w1FZ90

2024-04-25 08:47:37
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枝松聖 @EDAKIO

一見、同じようでいて「2199」では地上のヤマトに合わせて傾いていた艦体がまっすぐになっていて、あわせてタラップの近辺の作画も調整されていて。さらには「南部重工エクスプレス」の文字やコンテナ群が織りなすパースで、第三艦橋よりも足元の山崎さんたちに目が行く画面構成になっていたりもします

2024-04-25 08:47:38
枝松聖 @EDAKIO

機関制御室の場面など、第四話ではほかにも「2199」由来の画はあるのですが、そこにいるひとは新たに作画されていたり、高密度な作画の上をカメラが動くことで緊迫感が増す演出になっていたり、どの画面でも、ただの流用にはしない、この映像の連なりの中での描写としてのひと工夫が加えられています。

2024-04-25 08:47:38
枝松聖 @EDAKIO

「2199」でつくられたものを「遺産」にも「素材」にもしない。それを引き継ぎながら、新たな航路図に合わせた運用もしてゆくというスタンスでの画づくりが「2202」の初期には多くあって。Thanks To 宇宙戦艦ヤマト2199オールスタッフ。エンディングに掲げられたその言葉が、心につよく響きます。

2024-04-25 08:47:39
枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第四話「未知への発進!」では、サブタイトルの出来事に至るプロセスが丁寧に描かれました。ドラマの密度といい「さらば」へのリスペクトあふれる描写といい、ヤマトは発進するだけでも大ごとであるという事実を、物語的にも映像表現的にも実感するエピソードでした pic.twitter.com/vhyHLuAEDC

2024-04-26 09:28:27
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枝松聖 @EDAKIO

ヤマトが飛び立つその瞬間は、海上を踊る飛沫、その巨大さを感じさせる量と勢いで艦体からあふれ出る海水、長い夜を抜けた果てに降り注ぐ陽光…と、長い沈黙を破り、ついに動き出す高揚感が、3DCGモデルの絶妙な動きだけでなく、まわりにあるエレメントともども表現、いえ、「作画」されていて。

2024-04-26 09:28:27
枝松聖 @EDAKIO

手で描いた絵であっても3DCGのモデルであっても同じように、アングルや動きのタイミングやカゲつけ(ライティング)で、静止した状態のものに生命を与えてゆくことはできる。という、羽原監督のアニメーションのもつ可能性を信じるアツい心と愛、そしてヤマトへの愛をつよく感じる場面になっています。

2024-04-26 09:28:28
枝松聖 @EDAKIO

迷いを断ち切り、監視衛星も秒で打ち倒し、宇宙へと到達した瞬間、第一艦橋周辺にキラリと光が走ります。大気圏を抜け、太陽光がダイレクトに届くようになり、あと、おそらくは艦体表面の海水が凍ったことで光も強調されて…などと理屈をつけるのも野暮なくらい祝祭感のある、心おどる演出でした。

2024-04-26 09:28:28
枝松聖 @EDAKIO

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」での最後の作業は、最終話のエンディングで、島が握る主操縦桿の作画でした。迷いも試行錯誤もあった航海の最後に届いた原画の中の島は、とても晴れやかな顔をしていて。この操縦桿が握られる日がそう遠くない未来であるように。そんな祈りを込めて作業をしました pic.twitter.com/L8y6UmDPLz

2024-04-26 11:08:28
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枝松聖 @EDAKIO

この2週間は「2202」について、これまできちんと言葉にできていなかった部分を伝えることをテーマにしていました。「2199」から「2202」になって変わった部分への戸惑い、ではなく、どういう方向に変わっているのか、両方に乗艦してきたからこそ見えてくるものを話していこうと思いました。

2024-04-26 11:08:29
枝松聖 @EDAKIO

自分自身のことはさておいて、いち作品として「2202」と向き合ってみれば、作画のように3DCGを使う演出、「2199」より圧倒的に時間がない中でも見ごたえのある映像にする工夫、複雑化したシナリオに寄り添う、秒で心を揺さぶる演出など、羽原監督のディレクションがいちいち響くものがあって。

2024-04-26 11:08:29
枝松聖 @EDAKIO

気がつけば、わざわざテーマを掲げるまでもなく、もうただのファンとして「2202」をみて、話をしていました。この2週間、「2202」のことを考えるのがとにかく楽しくて。長いこと、真田さんから艦長代理をまかされてもモヤる古代、みたいな状態だった心がゆるやかに解きほぐれてゆくのを感じていました

2024-04-26 11:08:30
枝松聖 @EDAKIO

そもそもが21世紀のはじめごろ、アニメの仕事を始める前は、手打ちのタグで羽原さんのファンサイトをつくって、監督作品の感想を毎週放送後にUPしていたぐらいなんですもの、その羽原さんが長年大好きだった「ヤマト」に本気で取り組んでいる「2202」を好きにならずにいられるわけがなかったのでした。

2024-04-26 11:08:30
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