【憑依:TS/R18】[外道忍法:蛤崩しの術]

1
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(遅い……よもや伝令が捕らえられたか? でなければ、近々に隠河殿からの接触があるはず……)」 透ヶ沼は床に付きながら、眠れぬ夜を過ごしていた。 目下の懸念は、己が造反の謀だ。 敵方の武将と密かに通じ、落城の暁には城主の座が約束されるという、裏切りの密約だ。

2017-07-14 02:37:44
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(このままではいずれ……いや、考えるまい)」 ――その時だ。 灯の火がゆらりと揺らめき、音もなく一つの影が現れた。 「……〓〓」 女の声。発せられた言葉は、符丁。 ――すなわち、合言葉だ。 「〓〓〓……」 透ヶ沼は直様、言葉を返す。 心配は杞憂であったか、と人心地だ。

2017-07-14 02:38:56
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「……隠河殿は、何と?」 透ヶ沼は、現れた忍びに問いかける。 艶やかな御髪、紅を差したような血色の唇。 体躯に似合わず豊かな乳房は、闇色の忍び装束に隠されている。 ここ数度の連絡は、全てこの忍が行っていた。 それは間違いない。 だが透ヶ沼にはこの、顔を伏せた忍の少女が。

2017-07-14 02:39:20
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

――何故か、"嗤っているように"見えた。

2017-07-14 02:39:25
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「――透ヶ沼さま」 少女が口を開き、顔を上げる。 いくつかの傷はあるが、綺麗な顔をしている。 「どうした、また何か別の動きでも――?」 「いえ、そうではありません」 「少し、耳をお貸し願いたいのです」 忍の少女は即座に否定し、透ヶ沼の耳元へと唇を寄せてくる。

2017-07-14 02:39:59
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(このような事は、今までにはなかったが……どういう事なのだ?)」 思索する内に、耳元に吐息が触れる。 そして、言葉が発せられる。 「"『動くな』"」 「(な……!?)」 驚愕した透ヶ沼は、己の身体が巌のように、ピクリとも動かせなくなっている事に気付く。

2017-07-14 02:42:18
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

恐怖ではない、怯えでもない。 まるで首から下を斬り跳ねられたかのように、なにも感じず、動けない。 忍の少女は、嗤う。 整った顔を大きく歪め、獣染みた微笑みを見せる。

2017-07-14 02:42:39
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「くくく、明王忍法"不動金縛り"……これほどとはな」 己の技を、まるで他人の物かのように評する少女は、透ヶ沼に向かい、言い放った。 「それでは透ヶ沼……謀反の咎により、貴様の"精"を奪わせてもらうぞ、ククッ!」

2017-07-14 02:42:54
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(な――)」 「(違う、あの娘ではない)」 「(何者だ、物の気か)」 「(それに今、何を奪うと――)」 唯一動く部位、目玉をぐるぐると動かし、思考する透ヶ沼。 だが、打開策など見えやしない。 「ごちゃごちゃと、何を考えているのやら」

2017-07-14 02:43:45
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「くく……だが、もう暫しで、何も考えられなくなる」 少女は己の装束を破り捨てるように脱ぎ捨てると、仰向けの体制で動けぬ、透ヶ沼の上に乗しかった。 襦袢の帯をはずし、透ヶ沼の体をさらけ出すと。 そこには、天高く屹立した、六寸ほどもある、透ヶ沼の巨大な陰茎が聳え立っていた。

2017-07-14 02:43:54
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「ふん、この女殺しめ」 「これで何人の生娘を悦ばせた? ん?」 少女は男根を撫で回す。 蛇の舌が獲物を嘗め回すかのように。 じわり、と粘つく液体が落ちる。 少女の女陰より滴り落ちる、情欲の一滴。 「そろそろ出来上がってきたか」 「――では、"頂く"としよう」

2017-07-14 02:44:23
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

少女は女陰をくぱあと開き、男根めがけてゆっくりと腰を落としていく。 ずぶり、ずぶりと粘らかな音が響き、ついには陰茎の根本までを丸呑みにする。

2017-07-14 02:45:03
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(何故、こんなこと、を……? 何の、意味が――!)」 透ヶ沼は動けない、成すすべもなくただその光景を見つめている。 少女は声にならない声を抑え、矯声を嘲笑に変えながらも、腰をゆっくり上下させる。 「(よもや、これは――『房中術』!!)」

2017-07-14 02:45:19
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

情交によって体内の陰陽の気を整える術、それが房中術だ。 だが、忍の業ともあれば無論、それだけではない。 陰の気の注入、吸出し、割合の強制変容、忍の用いる術であれば、その様なことはいとも容易い。

2017-07-14 02:45:39
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

時に、男性は陽の精気によって男性足り得るのだという。 ならば、それらを全て吸い付くされてしまった男は、果たしてどうなるのであろうか……?

2017-07-14 02:45:50
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「(い、いかん! このままでは)」 「くくくくくっ! いよいよ限界のようだな……?」 上下の動きがゆるやかになる。これは、"溜め"だ。 そして少女は、一際激しく、腰を動かす。

2017-07-14 02:46:02
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

ずちゅり。 ――溢れ、出た。 ごぼ、こぼ、ぼぼぼぼ。 透ヶ沼の陰茎より迸る精の気が、女陰の奥へ奥へと吸い込まれていく。 少女は嗜虐的な笑みを浮かべながら、呆けたように口を開け、だらだらと唾液を滴らせている。 その瞬間を最後に、 透ヶ沼の意識は、奈落の底へと落ちていった。

2017-07-14 02:46:18
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

乱れた布団の上に、倒れた人影が一つ。 髪は短く切られているが、顔立ちは女の様で、胸元には乳房らしき物も見られる。 股には何かを引き抜かれたかの様な傷跡と、腹の奥へと続く深い深い裂け目が見える。 この者が何者なのか、誰一人として分かる事はないだろう。 ――彼以外、妖術師以外には。

2017-07-14 02:48:18
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

妖術師は、忍の娘の姿のまま、殿の元へと戻った。 「四方や、人の陰陽さえ翻すとは」 「恐れ入ったぞ、妖術師」 殿の機嫌は上々だ。 隠河の奇襲など、もはや恐れる必要もないのだ。 「は、有り難き幸せにございます」

2017-07-14 02:48:33
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

「しかし、これ程の術を用いる忍の肉体」 「ただ打ち捨てるには些か勿体なくはないか」 「くくく、問題ありませぬ」 「この秘薬、落魂散さえ用いれば、二度とこの娘の意識が戻ることはありますまい」 「そうすれば、我々が身体のみを使えば良いのです」 「流石は妖術師よ、抜け目がない事だ」

2017-07-14 02:48:55
九重七志@憑依特化 @yorishirosama

殿が笑い、妖術師が笑う。 嗚呼、咲き誇るのは悪の華。 世は無情な常者必敗、 手など選ぶは敗者の法よ。 己が為に全てを成せ。 己が敵に全てを使え。 嗚呼、世は並べて外道法。 全て外道の行き着くところ。 外道忍法、罷りて通る――

2017-07-14 02:49:29