#完全ノープラン艦これ与太話 【アンセム・オブ・プロジェクト・サタン　辛：ムーンストラック・ブロッサム・ヴァーミン】

春魔解丼 @vespiking

ＣＲＡＡＡＡＡＳＨ！グランドスラム地震爆弾めいた垂直頭突きが炸裂し、核爆発めいた衝撃波が頭部の亀裂をさらに押し広げる。「ギギャアアアア！」「トドメオサセー！」霧島は叫んだ。恐るべき処刑命令を示すニンジャスラングを。元帥あきつ丸の声で！「ゴアアアゴアアア！」 #KZNPLN

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ＺＤＯＯＯＭ！頭部の亀裂からカラテ破壊光線のエネルギーが暴発し、トコヨ・ウォームの頭部はフラッシュバンめいた閃光を放ちながら爆発四散した。「カゲムシャ用の変声機能。あなたの指示で実装したものよ。全クローンキリシマにね」「ヌウーッ！」 #KZNPLN

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【続く】 #KZNPLN

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トコヨ・ウォームの死骸はウゾウゾと蠢く無数の芋虫に分裂し、アキツノシマ・トコヨノカミ船体へと殺到。やがて鋼鉄に変容し、艦尾となって穴を塞いだ。アゲハ・ニンジャは憤怒の表情で霧島を見下ろす。「コシャク……！」「あら、良い顔もできるのね。能面女」 #KZNPLN

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アゲハ・ニンジャカラテの鱗粉をまとい、ヒラヒラと舞い降りる。霧島は挑発的な表情を崩さないが、その下で、リアルニンジャの脅威を確かに感じ取っていた。「よかろう、よかろう、よかろう。これは余の失態である。貴様を増長せしめた余の怠慢である」 #KZNPLN

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舞い落ちるカラテ鱗粉が毒々しく輝き、邪悪な光はアキツノシマ・トコヨノカミの甲板全体へと瞬く間に広がってゆく。「余の過誤である。余の誤謬である。すべて、すべからく、我が過失である」光は船体を覆い尽くした。「知れ。貴様の勝利と敗北に、貴様の介在する余地などない」 #KZNPLN

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敵旗艦、戦艦ジャンダルムを撃沈し、以て戦術的勝利とする。長波の提示したプランは一見無謀とも思えたが、それゆえ奇妙な現実味を帯びていた。先刻の、足柄とローマによる激突とその結末もこの感覚を後押しした。いかな戦艦といえど、死ぬまでカラテを加え続ければ沈むのだ！ #KZNPLN

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「全員、館内IRCは繋いだな。もうここまでくりゃあ、盗聴の心配もねえ。あのヒガンバナ女の前じゃあ、どうせ糸電話もIRCも同じだ！声出す気力をカラテにできると思って気軽に使え！アタシらは後方で指示を出すが、頭が涼しいぐらいしか能がねえ。支援砲火なんぞ期待するなよ」 #KZNPLN

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「ジャンダルム以外の敵は無視しろ。といっても交戦は避けられんが、撃沈は狙うな。中破以上の損害が出りゃ僥倖だ。とにかく可能な限り消耗は避けろ。ヤバくなったら退け。散開して、多方向から波状攻撃をかけるんだ。死にさえしなけりゃ、必ず死角ができる！」 #KZNPLN

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「オイ、いいのかよ。今がチャンスじゃねえの？」ヒガンバナの女、ニホパラオアはブレイコウめいて、苛立たしげにイケングシンした。「あちらには雷巡北上がいる。足と目を失った奴の陣地に攻め入るのは、軍縮条約下で戦艦枠を増やすに等しい。ムツ・トレードのコトワザだ」 #KZNPLN

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ジャンダルムは中層への大階段を凝視したまま、ニホパラオアへ一瞥もくれない。座してなおも臨戦、まさしくイクサ・オニの風格であった。「アー、わかッたよ。陣形を崩すな、だろ。崩さねえよ、死にたくねェし」輪形陣の中央に陣取る、ジャンダルムの傍らこそが安全地帯だ。 #KZNPLN

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輪形陣の先頭に構えるは大型巡洋歩行戦車「キャステラノース」に跨る大戦艦ヴルカニアン。右舷前方にはジャベリン、エスカッション姉妹がやや広く展開し、左舷前方では肘から先を異形の砲に換装した駆逐艦フォーマルハウトが射程範囲に目を光らせる。 #KZNPLN

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火力偏重の前衛からやや後方では、左舷側にクイスモイト。右舷側にトランゴタワーが待機。この2隻はいずれも三次元的な機動力が極めて高く、前線とをヒットエンドラン戦術で往復することさえ可能だろう。撹乱と打撃を両立した油断ならぬ陣形だ。 #KZNPLN

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そして中央に旗艦ジャンダルムと情報戦担当のニホパラオアを配置し、その更に後方、ジンジャ・カテドラルの屋根上にて長大なギョライボウガンを構えるはアガザイ。艦隊参謀を自負し、巨大ハバツを抱える尊大なマルチロール母艦だ。一流のスナイパーでもある。 #KZNPLN

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（まったく……ジャンダルム＝サンは慎重が過ぎますわ！揃えた戦力も自己主張ばかりで、協調性のない艦艇ばかり！）アガザイは胸中で毒づいた。実際、ジャンダルムはアガザイの野心を多分に警戒している。本作戦で彼女のハバツ艦艇をほとんど編成しなかったのも、そのためだ。 #KZNPLN

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ジャベリンとエスカッションはアガザイ隷下であるが、確かなカラテを持つゆえ、他の僚艦よりもアガザイへの猜疑心が強い。愚鈍で盲目的な部下を好むアガザイにとっては有益だが邪魔な存在だ。無論、彼女らを編成したのも、アガザイに背後を委ねるジャンダルムによる牽制である。 #KZNPLN

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ジャンダルムは何よりも完璧を好む。完璧を求めるがゆえの自己鍛錬であり、完璧を望むがゆえの重装備。難攻不落の大城門か、或いは恐るべき殺人バイオシャコガイの貝殻を思わせるル級戦艦の双盾型艤装は、彼女の性格を無言のままにあらわしていた。 #KZNPLN

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「……来た、か」ジャンダルムは誰よりも先んじて口走り、また、動き出すのは誰よりも後だった。最初に動いたのはアガザイである。アガザイの放ったギョライシャフトが、階段下、車椅子に座す北上の眉間を破壊せんと一直線に飛んだ。 #KZNPLN

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結論から書こう。ギョライシャフトは使命を果たすことなく空中で爆ぜた。北上が正確無比に投げ放った空中魚雷が、これを相殺せしめたのだ。「わかるんだよ。君が、何をどう狙うのか。君と私は同じだからね」届く筈のない声が、アガザイには確かに聞こえた気がした。 #KZNPLN

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それが嚆矢となった！小さな爆風を掻い潜り、羽黒と那智が大階段を駆け上る。それを迎え撃つのはヴルカニアンの駆るキャステラノース！「重巡風情が！ナメるなよ！」恐るべき質量の塊が玉砂利の海を蹂躙し、進む！ #KZNPLN

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「イヤーッ！」そこへ大きく円を描き、羽黒と那智へジャベリンが側面から強襲。インターラプトを狙う！「イヤーッ！」「イヤーッ！」その更に側面方向から大質量の円筒形物体が飛来！エスカッションはバリアめいた半透明の壁を形成し、これを阻む！ #KZNPLN

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カラテ障壁とドラム缶がぶつかり合う！「イヤーッ！」そこへ更なる外圧をかけ、カラテ障壁を破壊せんとする赤い影あり！だが、真紅のヤリめいたその一撃は、急反転したジャベリンのカラテによって相殺された。熾烈なインターラプト合戦の末、ここに二対のヤリと盾が揃ったのだ！ #KZNPLN

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夕立は右腕に縄めいた血管を浮き上がらせ、猛犬めいた一撃をジャベリンに放つ。エスカッションはこれをカラテ障壁で防ぐ。ジャベリンは腰を落とし、強烈なジキ・ツキをカウンターめいて夕立に放つ。春雨は体当たりでこれを弾き、両者ともが反動で距離を離す。 #KZNPLN