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忘れ去られた少女のSCPと男と虹色の魚

財団に忘れ去られた少女のSCP。 彼女のことをたった一人覚えている Dクラス職員の男と一緒に暮らしている。
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帽子男 @alkali_acid

SCPそのものの特性として財団に忘れ去られた少女が、たったひとり覚えているDクラス職員の男と一緒に暮らしている サイト****。

2017-07-17 23:20:52
帽子男 @alkali_acid

Dクラス職員はすでにSCPの少女の影響を受けて肉体は変質しつつある。

2017-07-17 23:21:37
帽子男 @alkali_acid

三か月に一度、職員は少女の活動記録をワープロで打ち出したレポートにまとめて財団本部に郵送する。

2017-07-17 23:22:33
帽子男 @alkali_acid

それが読まれることはないか、読まれてもすぐ忘れられてしまうことは承知のうえで。

2017-07-17 23:22:49
帽子男 @alkali_acid

毎朝、少女のためにコーヒーを淹れ、ミルクをつけ、ベーコンかハムかソーセージのどれかを焼き、 いつまでたっても上達しない目玉焼きかスクランブルエッグか、できがいいとはいえないオムレツをつけ トーストと買い置きのコールスローも。

2017-07-17 23:24:11
帽子男 @alkali_acid

全部量はちょっとずつだ。

2017-07-17 23:24:22
帽子男 @alkali_acid

少女は図書館で借りた本を読んだり、男と一緒に浜辺を散歩をしたり、 スケッチブックに絵を描いたりして過ごす。ときどき送られてくる手紙の返事も書く。

2017-07-17 23:25:47
帽子男 @alkali_acid

少女の文通相手が誰なのかはよく分からない。複数いて、恐らく未管理のほかのSCPか、ごく平凡な人間か それ以外の何かかもしれない。Dクラス職員の男にはよく分からない言語だったり、カセットテープに入った録音だったり 消印もあったりなかったり。

2017-07-17 23:26:54
帽子男 @alkali_acid

Dクラス職員の男への財団からの給与振り込みはあったりなかったり、気まぐれだ。 生活費を賄うために、大麻を育てている。前に一度当局の職員に踏み込まれたが、相手は三人で一緒にコーヒーを飲んだあと、何があったのか忘れて帰ってしまった。

2017-07-17 23:28:41
帽子男 @alkali_acid

Dクラス職員の男は、果たしてこれが適切な管理状態なのかどうか自信がないが、 しかし財団本部からの新たな指示がない限り、同じ生活を続けていくしかない。 もう任務についてから何十年も経ったのか、あるいはまだ数か月に過ぎないのか、分からなくなる。おおむねその中間というところか。

2017-07-17 23:30:17
帽子男 @alkali_acid

「それ、おいしい?」 少女が、職員が巻いている大麻を指さして尋ねる。 「いや?」 「じゃあどうして吸うの」 「売り物だし、味見はしておかないと」 「私もしてみたい。味見」 「よした方がいい」

2017-07-17 23:31:19
帽子男 @alkali_acid

でも少女が何かをしたいと願ったら、それは必ず実現する。 結局職員は紙巻の大麻を渡す。 華奢なSCPは、説明に従って、煙を吸ってから、咳き込み、すぐ返してしまう。 続いてくすくす笑い始める。

2017-07-17 23:32:20
帽子男 @alkali_acid

「虹色のお魚が見える」 「幻覚だ」 「だって泳いでる。ほら窓のむこう」 振り返ると確かに虹色の魚が泳いでいる。

2017-07-17 23:32:58
帽子男 @alkali_acid

「あれは消した方がいい」 「でもきれい…あ、空から沢山天使が降りてくる…見て、燃えてるの」 「水を飲みな」

2017-07-17 23:33:55
帽子男 @alkali_acid

空から沢山天使が降りてくる。炎の尾を引き、手には剣。 地上のあちこちに雷を落として、道路に穴を空け、電線を寸断し、水道管を破裂させる。 「まずいな」 Dクラス職員は意味もなく、隠し場所から拳銃を取り出す。

2017-07-17 23:35:35
帽子男 @alkali_acid

「すごい…おもしろい…すてき…」 少女はそのままひっくり返ってなおも笑いの発作を繰り返しながら、とうとう眠り込む。 天使はひとしきり飛び回ったあと、雲の切れ間に入っていき、姿を消す。

2017-07-17 23:36:38
帽子男 @alkali_acid

職員は起きたことを正直にレポートにまとめ、郵送する。 緊急用の電話回線にもかけるが、もちろん「おかけになった番号は使われておりません」 という案内があるだけ。

2017-07-17 23:37:16
帽子男 @alkali_acid

財団本部からの対処命令を待つが、何もない。 新聞には局地的な悪天候による被害の記事が載るだけ。

2017-07-17 23:38:12
帽子男 @alkali_acid

適切なカバーストーリーが作成されたのだろうか。 自分のクリアランスが低すぎて情報が来ないのだろうか。 あるいは明日にも機動部隊がまとめて抹殺に来るのだろうか。

2017-07-17 23:39:34
帽子男 @alkali_acid

数日のあいだやきもきしつつ、大麻の出荷作業を進めるが、結局何もない。

2017-07-17 23:39:49
帽子男 @alkali_acid

「ごめんなさい。もう味見したいなんて言わない」 「いいさ。何事も経験だ」 しょげかえる少女に、男は鳥籠に入れた虹色の魚を差し出す。天使と違って消えなかったのだ。

2017-07-17 23:40:52
帽子男 @alkali_acid

「そいつが何を食べるのか…そもそもものを食べるのか、まったく分からない」 「図鑑で調べてみる」 「そうか。分かると良いが」

2017-07-17 23:41:36
帽子男 @alkali_acid

やがて少女の文通相手のひとりから、小包が届く。 中身は、透明な海老を乾燥させたもので、ビニール袋に入って、恐らく中国の漢字、のようなしかしどこか微妙におかしなラベルが貼ってある。

2017-07-17 23:42:56
帽子男 @alkali_acid

SCPはにこにこして虹色の魚に透明な乾燥エビを上げている。 Dクラス職員は台所の掃除をしながら、ときどきちらちらとそちらをうかがう。

2017-07-17 23:44:13
帽子男 @alkali_acid

重大な収容違反が起きていて、しかも拡大しているのではないか、という気がする。

2017-07-17 23:44:57
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