日本の同人印刷の歴史もそろそろ忘却の彼方なのでまとめて置く必要があるかもしれません

Calci @Calcijp

日本の同人印刷の歴史もそろそろ忘却の彼方なのでまとめて置く必要があるかもしれません。僕が聞いているのは、迷宮をオフセット印刷するために印刷屋を探してたら神田で共同通信の下請け印刷をやってた共信印刷の親父さんが、余り紙で安く刷ってやるよと受けてくれたのが始まりだという事でした。

Calci @Calcijp

当時、迷宮は余り紙で刷られてたのでページによって紙が違うということがありました。わざわざ凝って紙替えをしたのではなく余り紙だったからこうなったのでした。

Calci @Calcijp

迷宮がオフセット印刷された当時は、オフセット印刷でマンガのような絵を印刷するためにはフィルムをマスターにした印刷が当たり前で、紙をマスターにした簡易オフセット印刷はマンガには向かないと考えられていました。これを共信の親父さんが匠の技術で使えるようにしてくれたのでした。

Calci @Calcijp

海外と日本の同人誌をめぐる状況で何が一番違うかというと、少部数で手頃な値段で印刷してくれる印刷所の有無です。海外の印刷屋さんの技術も決してレベルは低くないのですが、大量印刷しか受けてくれないケースがほとんどです。

Calci @Calcijp

日本の同人誌がこれだけ盛んになった要因のひとつとして日本独自の軽印刷技術が開発され廉価かつ少部数の印刷ニーズに機敏に対応できるようになったことが大きかったことを強調しておきたいです。

Calci @Calcijp

同人印刷については僕は（東京の）コミックマーケット周辺の話しか知りませんので、別の場所では違う話が流布されてるに違いありません。特に関西では高品位な印刷が出来る印刷所が多いので詳しいかたのお話を聞きたいものです。

Calci @Calcijp

余り紙について。通常大部数印刷をする印刷所は予定印刷部数に見合った紙を製紙会社から買い付け、大型印刷機にかけて印刷します。この工程でテスト印刷用などのために余分に発注した紙の余りが出ます。初期の同人誌はこういう余った紙で刷られていたのです。

Calci @Calcijp

余り紙を使って印刷していたため、入稿のタイミングによっては余り紙がないから刷れない、余り紙が出るまでちょっと待って、なんてこともあったようです。まあのんびりした時代でした。

Calci @Calcijp

そのうち、同人即売会の一般化とともに印刷の規模も徐々に大きくなって行き、街の印刷屋さんでも同人誌印刷に参入するところが出てきます。印刷業界というのはほとんど家族経営でやっているような零細な規模の印刷屋も多く、景気の波に左右されない同人誌の印刷は魅力的に見えたのです。

Calci @Calcijp

製紙業界でも同人印刷のインパクトは大きかったようで、近年では同人誌用印刷用紙も開発されています。例えばコミックマーケット紙カタログ用紙（日本製紙製「ヘンリーコート R-50」）はこのために開発された裏写りしない薄い紙で、これのおかげで1000ページを超える印刷を可能にしました。

白峰彩子 @mtblanc_a

@Calcijp 共信初期の印刷物は整理作業中にいくつか見てます。パッと見気になるのは判型でB5でもなくA4でもない。B5サイズで印刷→テキトーに小口裁断ということがあったんじゃないかと推測しています。

Calci @Calcijp

@mtblanc_a 紙も紙のサイズもインクも適当。商業出版では考えられないですが、大らかな時代でした。共信印刷の工場で目の前で裁断してるのを見たことがあります。

白峰彩子 @mtblanc_a

@Calcijp 現物見ればある程度はわかりますね。どこの印刷屋さんなのか不明ですがクィーン近辺の会報とか大友さんはサイズはちゃんとしていたので、共信さんの個性wでしょう。

Calci @Calcijp

@mtblanc_a 作画グループの代表（馬場さん）のご実家が印刷屋さんで自前で刷っておられたように記憶しています。（間違ってたらすみません）

Calci @Calcijp

とここまで書いて、作画グループ代表のばばよしあき氏が昨年亡くなっておられたことを知りました。謹んでお悔やみ申し上げます。ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%9C… そうか、作画グループ解散したのか。

白峰彩子 @mtblanc_a

@Calcijp ですです。あそこはヨンさまから聞けますですね。

白峰彩子 @mtblanc_a

@Calcijp あ、すみません。馬場さんではなく大友の社長さんは馬場さんの漫研仲間だった方です。まったくの別人で、よねやんが追悼本に寄稿してます。

Calci @Calcijp

@mtblanc_a ご指摘ありがとうございます。

曹節/草薙創 @roukifukureki

@Calcijp ここ数年でも、普段は学校のアルバムとか下請けでパンフレットを作っているという家族経営規模の印刷屋さん複数から、同人印刷参入の相談受けてますね…ハードカバーも作れるし、フルカラーも強いと武器はあるものの、逆にモノクロのノウハウ薄かったりもしますが…

Calci @Calcijp

@roukifukureki 今更ちょっと手遅れという感なきにしもあらずですけどね。すでに過当競争なのであまり儲からないかもしれませんw