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2017年7月19日

日向倶楽部世界旅行編第6話「パプアニューギニア・ジャングルの狩人」

ニューギニア島に上陸しジャングルの中で謎の生物と交戦した日向達は、その後人道支援団体の施設で一夜を明かした。 後はヒューガリアンへ戻るだけ、しかしそんな彼らをジャングルの中から狙う者たちがいた…
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三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部】 扶桑です。 パプアニューギニアに到着、日向の瑞雲に乗り空の旅を満喫する私達…しかしそんな時ジャングルの中に不思議な建物を見つけます。そこは人道支援団体の施設、そこで私達は一夜を過ごしました。 さあ、ヒューガリアンへ戻りましょう。

2017-07-18 21:30:10
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 まだ太陽も顔を見せていない早朝、ニューギニア島のジャングルへ一人の女が足を踏み入れる。 「皆さん元気でしょうか…」 後手に結ったブロンズ色の髪、縁のない眼鏡、品の良い色合いのスーツ、彼女はジャングルには似つかわしくない物ばかり身に付けていた。

2017-07-18 21:31:02
三隈グループ @Mikuma_company

しかし女は躊躇う事なく進む、休日のOLが六本木の街を歩くような軽い足取りでジャングルの中を歩いて行く。 大自然の荘厳な空気に包まれても、その眼鏡の奥にあるその瞳には一切の畏れがなかった。 歩く事数分、やがて彼女は首から下げていた笛に口を当て、それをピィーッと静かに吹いた。

2017-07-18 21:32:05
三隈グループ @Mikuma_company

すると森中がざわめき出す、ガサガサ、ガサガサ、ざわざわ、ざわざわ。 木々が揺れ、草が鳴き、土が震え、そして何かが現れる。 「…キキッ」 「キキキッ」 早朝の薄暗いジャングル、その木々の間からいくつもの瞳が現れ彼女を見つめた。 その光景に女は恍惚の表情を浮かべる。

2017-07-18 21:33:02
三隈グループ @Mikuma_company

「素晴らしいですね、その野性…見事なものです。」 そう言うと女は懐からバナナを取り出して空中に投げる、バナナは頂点に達すると綺麗な輪切りにされ、一瞬のうちにその場から消えた。 「さあ行きましょう…狩りの時間です…」 女と沢山の瞳はジャングルの闇へと消えた。 〜〜

2017-07-18 21:34:02
三隈グループ @Mikuma_company

日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第5話「パプアニューギニア・ジャングルの狩人」

2017-07-18 21:34:14
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 日向達はジャングルの中の施設で一夜を過ごし、気持ちの良い朝を迎えた。 「世話になったな」 「いえ、こちらこそアレを退治していただき、感謝の言葉もありません。」 職員のオカダは日向に重ね重ね礼を述べる、その光景を最上達は大きなジープの上から眺めていた。

2017-07-18 21:35:02
三隈グループ @Mikuma_company

そしてそのジープの運転席には、ラフな格好に浅黒い肌をした大柄な男がいた 「村までは車でジャンボさんが送ってくれます、彼は日本語も話せるし土地勘もありますので。」 ジャンボと呼ばれた男はにこやかに笑って手を振る 「ヨロシクネ、クルマの運転はトクイだから任せてヨ。」

2017-07-18 21:36:01
三隈グループ @Mikuma_company

比較的流暢な日本語で彼は言った、道に詳しく日本語が話せるならまあ安心だろう。 最後に忘れ物はないか軽く確認し、日向も助手席に乗った。 「では皆さん、お気を付けて…」 「ああ、キミも元気でな。」 日向達を乗せたジープはエンジンを唸らせ、ジャングルの中を走り始めた… 〜〜

2017-07-18 21:37:01
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 「へー、カンムスの人なの、カンムスってテレビデシカ見た事ないナァ。」 ジープの運転手であるジャンボは片手間な運転をしつつ気さくに話しかける、ロクに前も見ないという危なっかしい運転であったが、オカダの言う通り土地勘はあるらしく、一切の迷いも事故もなくジープを走らせていた。

2017-07-18 21:38:01
三隈グループ @Mikuma_company

「ニッポンの女の人褒める時…あれ、ヤマノナデシコって言うんだヨネ?」 「正しくはヤマト…だな」 「ヤマト?ドゥィウイミ?」 「ヤマトってのはな…」 そんな彼と話しつつ、助手席に座る日向は辺りの景色を注意深く観察する、隠してある瑞雲の近くで止めてもらわなければならないのだ。

2017-07-18 21:39:02
三隈グループ @Mikuma_company

(もう少し先か…思ったより歩いていたみたいだな…) 口を動かしつつ日向がそう思っていると、ジープを運転するジャンボの膝に突然、どこからか一匹の猿が飛び移って来た。 「おっ…なんだ、猿か。」 ジャングルだし珍しくはないのかと彼女は思ったが、ジャンボの反応は違った。

2017-07-18 21:40:01
三隈グループ @Mikuma_company

「お?おサルさんなんて珍しいネ、ニューギニア島ってね、サルがイナインダヨ。」 そうなんですか?と後部座席の最上達、ソウナンダヨとジャンボ。 「ボクらは昨日も見ましたよね。」 「ホントに?じゃあ動物園から群れがニゲテキタノカナ?」 そう言ってジャンボは猿の頭を撫でた。

2017-07-18 21:41:01
三隈グループ @Mikuma_company

その時! 「ウバシャァァァァッ!!!!」 「ジャンボさん!?」 突然ジャンボの首から鮮血が噴き出した!ジープのフロントガラスが真っ赤に染まる! 「一体どうした!」 彼の方を見て日向は仰天した、先程まで愛らしくジャンボの膝にいた猿が、鋭い爪を彼の首筋に突き刺していたのだ!

2017-07-18 21:42:01
三隈グループ @Mikuma_company

「キキキキキィィィッ!!」 「がぼっ、がが…」 自らの血に溺れるジャンボ、そこで恐ろしい形相で爪を立てる猿! 「ええい、離れろこのケダモノッ!」 日向は猿を鷲掴もうとするが、一瞬速く猿はその場、そのジープから離脱する!

2017-07-18 21:43:06
三隈グループ @Mikuma_company

「チッ…しかし、まず彼の手当を…」 日向は血を噴き出し悶絶するジャンボの首筋にタオルを押し当てる、だがそれと同時に後部座席で最上が叫ぶ! 「日向さん、車を!」 運転手を失ったジープはフラフラしながら猛スピードで暴走を始めていた!道を外れ、草木を踏み潰して走り続ける!

2017-07-18 21:44:02
三隈グループ @Mikuma_company

「クソッ!このままじゃ大事故だ…!」 日向は右手でサイドブレーキを掴む、どう考えても危険だがこれしかない! 「お前達、しっかり掴まっていろ!」 後部座席に向かって叫び、日向はブレーキを思い切り引く! エンジンの悲鳴、機構の雄叫び!ジープは凄まじい音を立てて減速を始める!

2017-07-18 21:45:02
三隈グループ @Mikuma_company

しかし! 「あぁ!?」 ジープのパワーにブレーキが折れた!車は止まらず再加速!走り続ける! 「日向さん!どうしますか!」 「こうなったら仕方ない、車を横転させる!」 ブレーキだったものを放り捨て、日向はハンドルを握った! 「扶桑、最上達を頼む!」 「分かりました。」

2017-07-18 21:46:02
三隈グループ @Mikuma_company

一番頑丈そうな扶桑に最上達は掴まった 「倒すぞォォォッ!!」 覚悟を決め、日向はハンドルを捩じ切るように回した!ジープは草木をなぎ倒しドリフトし、やがてバランスを大きく崩して傾いた! 「このッ!」 ヤケクソ!トドメとばかりにジープの横っ腹に内側から蹴りを入れる!

2017-07-18 21:47:01
三隈グループ @Mikuma_company

ジープは二輪で走りながらも徐々に傾き、遂に倒れ、停止した! 「ぐっ…みんな無事か…?」 「ボクらは平気です、早く離れましょう!」 「そうだな、ここは危険だ…」 いつ車が燃え始めるかも分からない、最上達はシートベルトを外して座席を離れる。

2017-07-18 21:48:02
三隈グループ @Mikuma_company

日向も同じく離れようとしたが 「がぼっ…が…タス…ケテ…」 そんな彼女の隣…いや上で瀕死のジャンボが呻いた、出血がひどく意識も朦朧としていたが一応生きている。 「しっかりしろ、もう大丈夫だからな。」 そう言って日向は彼の身体を席から下ろした、夥しい量の血が手にこびりつく。

2017-07-18 21:49:01
三隈グループ @Mikuma_company

「大丈夫だ、すぐに手当してやるからな、しっかりするんだ。」 「ガガ…ウア…」 助かる見込みはほぼなかった、すぐ近くに大病院と名医があっても彼は死ぬだろう。 「日向さん、こっちです!」 「ああ、今行く!」 しかし日向は彼を担ぎ、励ましながら最上達の元へと走った。 〜〜

2017-07-18 21:50:01
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 日向達はジャングルの僅かに開けた場所に集まり、ひとまず落ち着いた。 「よし、下ろすぞ…」 日向はジャンボを敷いた葉の上に寝かせる、血色は悪く虫の息であった 「ひどい…」 かなりバッサリと斬られたのだろう、首筋にはポケットのような傷跡が開いていた。

2017-07-18 21:51:01
三隈グループ @Mikuma_company

「クソッ、なんでこんな事に…」 なんとかならないかと手当を試みる日向、そこへ扶桑が割り込んできた 「なんだ…」 「日向、どいて下さい。」 そう言って彼女は日向を押し退け、ジャンボの傷口と心臓に手を触れて静かに目を閉じる、すると以前と同じ様に扶桑の身体に赤い光が顕れ始めた。

2017-07-18 21:52:11
三隈グループ @Mikuma_company

「…まさか」 やがて顕れた光はジャンボの身体をも包みこむ、するとどうだろう!ジャンボの血色がほんの僅かに良くなったのだ! 魔術のような不思議な光景に最上達は目を丸くする。 「扶桑さん、これは…」 「波紋とはエネルギー、それは消えゆく命を繋ぎ止める事も出来ます…」

2017-07-18 21:53:05
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