日向倶楽部世界旅行編第45話「紅い瞳と疑惑の海」
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「もう少し戦う事になるな」 「…ここは私に任せてください」 「仲間を一人置き去りにするのは嫌なんでな」 「何故向かってくるのです!」 「あれは艦=カタ…」 「ブルネイで会おう!」 「そんな、何故…?私の…」 「アディオス!」 「晴嵐、波紋嵐ッ!」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/HyyKlYcnbM
2018-05-01 20:45:58【前回の日向倶楽部】 現れた深海棲艦を迎撃すべく日向達は出撃、しかしその直後に初霜が暴走、最上達の制止も聞かず、機械のように深海棲艦達を倒し始める。 これによって起きた乱戦は混迷を極め、その最中で初霜は気を失う。日向は最上とあきつ丸に彼女を託し、一人深海棲艦の渦中へ飛び込んだ!
2018-05-01 21:01:01〜〜 「行け!瑞雲!」 しんがりとして深海棲艦の真っ只中に飛び込んだ日向は、素早い動きと瑞雲の攻撃で大量の相手に立ち回っていた。 「そう簡単にやられては話にならんのでな!そこだッ!」 瑞雲の爆撃が駆逐級、巡洋級を同時に沈める。
2018-05-01 21:03:35倒せば次が来る、駆逐級の砲撃が日向に迫る 「あッ…たるかァーッ!」 颯爽たる回避!そして懐からサブマシンガンを取り出し、横傾姿勢から発射! ズダダダダダッと駆逐級に弾丸が命中、しかし沈める程のダメージは与えられない! 「だからこうするのだッ!」 日向は両手で剣を握り締め!
2018-05-01 21:05:05「すりゃァァァァッ!」 瑞雲の鼓動を流し込み、一刀!叩っ斬った!見事な剣さばき、駆逐級はぐしゃりとひしゃげ、海に消える! 「しかし、あまり強く流してしまえば、剣の方が持たない…瑞雲!」 独白する間にも仕掛けられる攻撃に、瑞雲の爆撃で反撃する。 しかしそれでも!まだ敵はいる!
2018-05-01 21:06:22ジリ貧と言える状況、日向は手元の時計を確認し、口をへの字にする。 「パトロール艦隊すら来るのにはもう少し時間がかかるな…一分一秒が長い」 砲撃を避け、弾切れの瑞雲を呼び戻す。 「うーん、休みの日もこのくらいの感覚なら楽しいんだが、もっとゲームとかしたいぜ」
2018-05-01 21:07:52あまり関係のない愚痴、相手が人間なら相当な煽りだ 「弾切れ…最上達は…まだ船まで戻れていないな」 もう少し戦う必要があると判断し、日向はお茶を濁すようにサブマシンガンで弾幕を張る。 「ダメージは与えられないがな、飛んでくる弾を撃ち落とせることもあるから、撃った方が良いんだぞ。」
2018-05-01 21:09:11避け続けるだけならどうにでもなる、そう言わんばかりに日向は独り言をぺらぺら。 そんなこんなで、やがて通信が入った。 「日向さん?聞こえますか?」 「おう三隈か、最上達はどうした」 「問題ありませんわ、無事帰還しました。」 三隈の報せを聞き、日向は安堵の表情を浮かべる。
2018-05-01 21:10:48「そうか、なら良かった。最上達には船の守りにと、そう伝えてくれ。」 「了解しました、日向さんは?」 「もう帰る、補給が…」 日向がそこまで言った瞬間!彼女の両脇に砲撃がすっ飛んで来た! 彼女は飛んで来た方向を見ると、ボソリと呟く 「…いや、まだだ。もう少し戦う事になるな」
2018-05-01 21:11:42日向は三隈が何か言おうとしたところで通信を切り、剣を構える。彼女の目の前には、姫型の戦艦級深海棲艦、通称戦艦棲姫が姿を現した! 「こういうのを放って退くと、危ないからな…」 言ってる間にもバカスカ飛んでくる砲撃!他の深海棲艦も撃ってくるのだから、凄まじい攻撃量だ!
2018-05-01 21:13:10しかし日向、不退! 「一点突破!雑魚に構わず、奴だけを討てば良いなッ!」 弾幕を掻い潜り、どうにもならないものは甲板で弾き、日向は戦艦棲姫の元へ突撃! 戦艦棲姫の砲撃は確かに恐ろしい、だが当たらなければ良い!メジャーリーガーのフルスイングも、当たらなければストライクだ!
2018-05-01 21:14:22日向は戦艦棲姫との間合いを詰めつつ、切り札となる剣を構える! 「…いつも思うが、深海棲艦はなんでヒト型なんだろうな、宇宙人か?」 ぼそりと呟く、だがその目には闘志、姿には覇気!目の前の敵を討たんとする、激しい意志がある! 「…まあ良い、ヒトの形だから、叩く位置も分かるッ!」
2018-05-01 21:15:37加速!増速!最強速!猛烈なスピードで、日向は戦艦棲姫に詰め寄る! 「力が漲る…行くぞッ!」 最後の砲撃を避け、日向は剣を横に構える!刀身が淡く、いや強い緑色に輝く! 「喰らえっ!瑞雲、ビートザンバーッ!」 緑の閃光に包まれた刀剣が、戦艦棲姫のヒト型部分を横一文字に叩き切るッ!
2018-05-01 21:16:56ズババーーーンッ!戦艦棲姫は強烈な一撃を受け、爆散した! 「よし…」 日向は剣を振り払い、刀身に目をやる、ヒビが入り始めていた。 「むぅん、やはりこの剣も耐えられんか…」 もう一回くらいは使えるかななどと思いつつ日向は離脱の構え、これ以上の戦闘は難しいのだ。
2018-05-01 21:18:07だがその時!彼女に向けて、またも砲撃がすっ飛んで来た! 「うおおっ!?」 辺りに水しぶきが舞う!目をやると、姫型や鬼型の深海棲艦が複数、彼女の方を狙っていた! 「無限に湧いてくるか、こいつら…!」 執拗に狙う攻撃を避ける日向、瑞雲も刀剣も限界を迎えている、戦闘は物理的に不可能!
2018-05-01 21:19:38ピンチか日向!?しかし、その時だ! 「晴嵐、五月雨波紋ッ!」 聞き覚えのある声と共に、空から赤い光弾が降り注いだ! その光弾は爆撃のように海に飛沫を巻き上げ、深海棲艦達を激しく威嚇する! 「なんだこれは!」 日向も驚く!天から光が降り注ぐ、まるで天罰のような、すごい光景だ!
2018-05-01 21:21:05そんな驚きの前に、天から何者かが、ふわりと海上へ降り立った… 「大丈夫ですか?日向」 それは長い髪にでかい身体をした女…そう!扶桑だった! 「扶桑、今のはキミがやったのか!?」 「ええ、まあ…」 降り立った扶桑は、少し乱れた髪をかき上げて答える。
2018-05-01 21:23:44そして 「…ここは私に任せてください、彼等の事は…私が」 扶桑はそう言うと、日向と深海棲艦の間に立ち、右手を正面に構える。 そして目を閉じ、誰にも聞こえぬ声で何かを話し始めた…彼女の周囲にしぱしぱと波が立ち、ざわめきのように水音が響く、風が、海が、森羅万象が、揺れる!
2018-05-01 21:24:41しかし! 「…っ!晴嵐、波紋障壁ッ!」 深海棲艦はそれに動じる事なく、扶桑に向けて攻撃を開始した!扶桑は素早く右手から波紋のバリアを放ち、深海棲艦の攻撃を防ぐ! 「そんな、何故…?私の…」 「扶桑!敵は来るぞッ!」 惑う彼女に日向は叫ぶ、敵はどんどん攻めて来るのだ!
2018-05-01 21:25:56「…仕方ありません、ならば…ならば!」 扶桑は右手を額の前で強く握り、それを深海棲艦達へ向けたッ! 「晴嵐、波紋閃光ッ!」 すると!彼女の手から赤い光がほとばしり、深海棲艦を薙ぎ払うッ! その一筋の光は何体もの深海棲艦を貫き、一つ一つが爆散!海へと消える!
2018-05-01 21:27:26だが!そこから生き延びたものもいる! 鬼型、姫型が複数の深海棲艦を伴って扶桑に反攻! 「何故向かって来るのです…晴嵐、波紋弾!」 扶桑は右手から赤い光弾を放つ! それらは鬼型、姫型にぶつかり、その身体を勢い良く消し飛ばす! 残った深海棲艦達も、彼女は小さな光弾を連射して潰してゆく!
2018-05-01 21:28:37「もうお辞めなさいッ!」 しかし扶桑の言葉は海に消える、言葉など通じず、深海棲艦達はひたすらに攻撃を仕掛けて来る! それを彼女は片っ端から潰す、時折飛んで来る攻撃も、波紋障壁という名のバリアに阻まれる! その姿は、無敵という言葉が、何よりも合っていた…!
2018-05-01 21:30:13…やがて一通りが片付き、攻撃が止んだ。 「扶桑、大丈夫か?」 「はい、私は何とも…」 側で突っ立っている日向に、扶桑は複雑な面持ちで答える。 「なら良いが…そうだ、船は?」 扶桑がここにいるということは?日向は船を気にかけ訊ねる。
2018-05-01 21:31:46「ヒューガリアンは三隈さんが一時的に」 「そうか…それ大丈夫なのか?」 「装備は使えませんが、直掩に最上さん達も居ます、大丈夫でしょう。」 「うむ」 心配半分信頼半分といった風に、日向はヒューガリアンの方を向いて頷いた。 その直後、扶桑があさっての方を向き、眉をひそめた。
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