万能予測機械「コンピューター」の誕生

電子計算機が電子頭脳と呼ばれたのは、そして万能の予測機械の如く扱われるようになったのはいつ頃か? という調べもののまとめ。
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1959年・超人間的な電子頭脳

ロンブローゾ @kawadaXzo

「明日はそこにある : 科学の驚異」(1959)、「第二部 明日に突進する新しい世界」のもとに「超人間的な電子頭脳」! このあたりがそもそも探している方向性の本か? #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:57:30
ロンブローゾ @kawadaXzo

記事は主眼を置いているのはコンピューターの基礎や当時の性能、そしてIBM工場を訪ねてのレポートだが、私の興味は最後の10行余り。あくまで著者の未来予想としてだが「どんなに漠然とした問題、どんな概括的なデータからでも、正確きわまりない回答を与え」云々とある 。さらに続けて ↓

2017-08-12 20:20:20
ロンブローゾ @kawadaXzo

どんな仕事でも指図し、管理し、論理的未来の予言をし、人間または機械の欠陥を補い、大都会の日常を支配し、悪人を見つけ、自動的に刑罰を決定し……云々と書かれている。この記事が元祖とは言わないが、最も早い時期の「コンピューターに支配されたディストピア」のイメージだろう。オマケに締めは↓

2017-08-12 20:24:03
ロンブローゾ @kawadaXzo

「しかし、ひとつのもの、ただひとつのものだけが、あらゆる未来のロボットに、永久に欠けているだろう。このものでないものは、魂と呼ばれる。魂……つまりは、心である。」といった言い様。今でもこういうことを主張する人が少なくありませんが、少なくとも着想は半世紀も昔からあったんですねぇ

2017-08-12 20:28:14

1959年・新しい参謀・電子頭脳

ロンブローゾ @kawadaXzo

同年、「機械は考えることはできない」(1959)とのタイトルを掲げた本には「ミクロンの差――電子計算機が〝指令〟」「計算機、軍人に命令」「新しい参謀・電子頭脳」「電子計算機は魔神か?」…これは必読 #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:57:40
ロンブローゾ @kawadaXzo

割と真っ当な解説だった…。「新しい参謀・電子頭脳」は要はシミュレーションで、戦闘地域の地図を正六角形で細分してユニットを動かし、戦闘の成否は「命中公算の査定」で決める…という今日びゲームでおなじみのアレ。記事の結論も、人間の判断・決心を電子計算機が補佐する、という常識的な話でした

2017-08-12 20:37:49

1959年・安部公房「第四間氷期」

日本リック@エンジニア @it_mycareerjp

本 『 #第四間氷期 』  安部公房 著 安部公房が #電子頭脳 とそれに翻弄される人間を描き出します。文庫のあとがきがかなり印象的でした。 ちなみに、僕は『燃えつきた地図』が大好きです。 pic.twitter.com/iunPNdhLLC

2017-06-30 08:05:00
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ロンブローゾ @kawadaXzo

『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。 ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC…

2017-07-28 15:50:55
リンク Wikipedia 第四間氷期 『第四間氷期』(だいよんかんぴょうき)は、安部公房のSF長編小説。「序曲」「プログラム カード No.1」「プログラム カード No.2」「間奏曲」「ブループリント」の5章から成る。日本で最初の本格的長編SF小説だとされている。万能の電子頭脳「予言機械」を研究開発した博士が、実験台として或る中年男の未来を予言しようとするが、ハプニングに見舞われ事態が思わぬ方向に導かれ、やがて「予言機械」による人類の苛酷な未来予測像と、己の運命が明らかとなる物語。受け容れがたい人類の未来が博士自身の予言機械の未来像であり、 24

1961年・電子頭脳がやってくれる

ロンブローゾ @kawadaXzo

「自信と幸福をつかむ法」(1961)は、青春出版社ってこの頃からこんなんだったのか…という内容。「第七章 自信はそこに待っている」の「その四 電子頭脳がやってくれる」とは一体何が書いてあるのかw #電子頭脳 iss.ndl.go.jp/books/R1000000…

2017-07-28 16:57:50
ロンブローゾ @kawadaXzo

期待どおり、通俗的な万能予測機械としてのコンピューターの描写から始まった。「いい天気だね」「どこに行くか考えてくれよ」という会話が「考えてくれだって? そんな面倒くさいことはよして……電子頭脳におまかせしようや」「そのほうが無事らしいな。僕たちよりグッと頭がいいからね」と展開 ↓

2017-08-12 20:00:11
ロンブローゾ @kawadaXzo

あるいは、契約倍増を上司に命じられた会社員のケースなどは、電子頭脳に相談したところ「当たって砕けろ――でやりなさい」という助言を得る。それに従ってみると「まさに、電子頭脳が考えたとおりの結果が出て、契約はみごとに倍増した……なぞということになるかもしれません」という。↓

2017-08-12 20:05:52
ロンブローゾ @kawadaXzo

可笑しいのはこの記事、締めの部分には人工頭脳は全く関係無くて、「レシチンを摂取して頭脳に栄養を与えよう、そうすれば自信も充ちてくる」という話になってしまう。言い換えれば、「万能予測機械としてのコンピューターの話はこの時代、既に前座扱いだった」と言えるでしょう。

2017-08-12 20:10:39
ロンブローゾ @kawadaXzo

安部公房の『第四間氷期』の刊行が1959年とのことだから、60年代はじめをまず区切りにしておこう…。

2017-07-28 17:00:45