特攻を「無駄死に」と定義することは、特攻で死んだ人間の存在を貶めることと同じではない。

特攻隊が編成されたのは日本だけではない。 https://togetter.com/li/1140074
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小田嶋隆 @tako_ashi

死者を敬うことは、そ死に方を敬うこととは別だし、彼が従事した作戦を美化することとも無関係だ。また、特攻を「無駄死に」と定義することは、特攻で死んだ人間の存在を貶めることと同じではない。崇高な精神の持ち主に死を求める作戦が愚劣だったという、それだけの話だと思う。

2017-08-14 23:50:44
小田嶋隆 @tako_ashi

殺人犯に殺された人の死に方を「悲惨な死に方だった」と評することは、死者を冒涜する態度ではない。同様にして、特攻による死に方を「無駄死に」と呼んだからといって、死者を冒涜したことにはならない。「悲惨」「無駄死に」という評価は、死者本人ではなく、その死に方への言葉であるに過ぎない。

2017-08-15 00:26:40
小田嶋隆 @tako_ashi

特攻に対して「無駄死に」という言葉を使うことを、そのまま「死者への冒涜」にすり替えてしまうタイプの議論は非常に危険だと思う。なぜなら、それは生き残った側の人間が決してはずかしめてはいけない存在である死者を盾として利用している立論だからだ。

2017-08-15 00:31:32
小田嶋隆 @tako_ashi

死者の尊厳を尊重すべきであるのはその通りだが、死者の尊厳のために特攻で死んだ若者の死を「意義ある死」だったと定義するのは本末転倒だ。それは、特攻という愚劣な作戦に意義を与え、国によって自らの死を命令された人間の死を美化する結果をもたらす。

2017-08-15 11:10:53
小田嶋隆 @tako_ashi

本当に死者の尊厳を尊重するのであれば「あなたたちの尊い生命は、特攻のような愚劣な作戦によって失われるべきではなかった」と言うべきだ。なんとなれば、尊厳は、死によって失われた生命にではなく、生きている間の生命に宿っていたはずのものだからだ。

2017-08-15 11:16:10
小田嶋隆 @tako_ashi

幾多の戦友の死を尻目に、自分だけが生き残ったことを強く自覚していた伯父の世代の人間が、戦死者に対して抱いていた感情を否定しようとは思わない。とはいえ、戦後生まれの人間が、靖国の英霊や特攻の死者を代弁する形で発信する言葉を、うっかり鵜呑みにすることもできないわけです

2017-08-15 11:34:10
小田嶋隆 @tako_ashi

戦争が必ずしも指導者層や軍部の独走によるものではなくて、当時の国民自身による選択でもあったというのはとりあえずその通りなのだとして、でもだからといって、当時の政府ならびに軍の戦争責任がチャラになるはずはないし、「民衆の自己責任」みたいな軽薄な理屈で過去が精算されるわけでもないぞ

2017-08-15 10:49:09
Nari @ForcebewithUs

@tako_ashi 例えば組織ぐるみで悪辣な事をやっていた場合、“結局ミンナ悪かったんだよ”はキラーフレーズで、これを言い出すと真っ当な責任追及がストップしてしまいます。 太平洋戦争については、既に当事者は居なくとも、日本人自身による‘真の東京裁判’をやって行かねば戦没者の魂が浮かばれないでしょう。

2017-08-15 11:13:30
小田嶋隆 @tako_ashi

@ForcebewithUs おっしゃる通りですね。「国民自らが選んだ戦争だった」という言い方は、一見、自分たちの責任を自覚しているようでいて、コアな責任を分散させることで戦争責任を無化しようとする人間の発言だと思います。

2017-08-15 11:19:29