アニメーターの単価が上がらない理由

多くのアニメーターは単価が上がらない理由を委員会など大きな所を考えているが実は身近に存在する。それは制作会社である。
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柳沼和良 @yaginuma_san

【アニメーター、演出の方たちへ】 大事な情報投下連投していきます。

2017-08-26 19:33:55
柳沼和良 @yaginuma_san

①・アニメーターの単価が上がらない理由 ■多くのアニメーターは単価が上がらない理由を委員会など大きな所を考えているが実は身近に存在する。それは制作会社である。

2017-08-26 19:34:49
柳沼和良 @yaginuma_san

②■制作会社の多くは、TVシリーズは1話数平均1200万~1500万円辺りの予算から20~30%が会社利益として取られるので840万~960万円辺りが実質の制作予算として動かします。

2017-08-26 19:36:20
柳沼和良 @yaginuma_san

ただ、これは各々のプロデューサーによって予備予算の計上は変わりますがおおよそ30万円ぐらいにして話数を動かしてますので初期予算として810万~930万ぐらいになります。

2017-08-26 19:36:42
柳沼和良 @yaginuma_san

③■これを仮計算であるが、演出費(25万円)/作画監督(30万円)原画代(4000円×300cut=120万円)/動画代(200円×4000枚=80万円)/動画検査(8万)/仕上げ代(180円×4000枚=72万円)/セル検査(10万円)とした場合に345万円が使用されます。

2017-08-26 19:37:39
柳沼和良 @yaginuma_san

③にミス発見、背景料(2000円×300cut=60万円)入れ忘れてる、入れておきます。

2017-08-28 23:06:48
柳沼和良 @yaginuma_san

では残りのお金は何に使われているか。それは、監督費/音響代/美術代/撮影・編集代/制作給料/雑費(用紙や参考資料や作品に必要なツール)/拘束代を全体費として使われながらも話数予算から差し引かれます。

2017-08-26 19:38:09
柳沼和良 @yaginuma_san

④■ここで問題なのが345万円以外で使われるお金です。大概の作品はスケジュール通りに行かないため月々出費さえる監督費や拘束代や制作給料は作品が伸びれば伸びるほど予算から支出をしなければなりません。そのため、プロデューサーが予算してたものより多くの支出が生まれます。

2017-08-26 19:38:50
柳沼和良 @yaginuma_san

訂正 ③に背景料(2000円×300cut=60万円)入れ忘れてたので、405万円だ。

2017-08-28 23:14:15
柳沼和良 @yaginuma_san

⑤■この補てんをどうすかと言うと会社の利益である20~30%を使う羽目になる。この時点で会社として損失が生まれます。これによって、次の作品で補てんする為に利益率を上げる事をあるので一つの予算がない理由としてこのような自転車操業をするからである。

2017-08-26 19:39:23
柳沼和良 @yaginuma_san

⑥■では何故この様な事態が起きるのか。それは制作側が十分に準備をしていないからである。

2017-08-26 19:39:54
柳沼和良 @yaginuma_san

⑦■現在のTVシリーズを経験している方々なら一度は体験したとは思うが、作打ち後に遅れて設定類が来たり作監・総作監修正時に作成をしたりします。これによってカットの停滞など、本来ならば原画時に修正すれば済むようなアニメーターでさえ修正せざる得ない現状になります。

2017-08-26 19:40:36
柳沼和良 @yaginuma_san

そうなれば、必然的に各々仕事は多くなります。よって、話数が詰まりスケジュールは圧迫し海外撒きにリテイクも発生し更に予算も使わなければなりません。

2017-08-26 19:41:02
柳沼和良 @yaginuma_san

⑧■ただ、ここで問題なのが準備期間があってもなくても多くの制作会社は変わらないという事です。何故なら、制作側があったらあった分だけ使うからです。よく、制作側は「キャラクターデザインの方が遅らせて…」「監督チェックが…」「シナリオが…」と言いますが、確かに遅らせる方々も悪いです。

2017-08-26 19:41:48
柳沼和良 @yaginuma_san

しかし、制作側は後工程を考えて期日を考えているだろうか。考えている方々がいれば、その作品は一番の事故を塞いでいるので後は各進行の技量で事故が防げます。

2017-08-26 19:43:47
柳沼和良 @yaginuma_san

ただ、多くの場合は上記のところで既に事故は起きるので必然的にスケジュールを圧迫した作画崩壊作品するか予算を更に使いスケジュールを伸ばして作品を作り上げるかの2択しかなくなります

2017-08-26 19:44:22
柳沼和良 @yaginuma_san

⑨■しかし、恐ろしいのは2択の内「予算を更に使いスケジュールを伸ばして作品」場合です。これが、出来る制作チームが集っていればいいが出来ていないチームになると更に予算が圧迫されます。

2017-08-26 19:44:55
柳沼和良 @yaginuma_san

⑩■それは、スケジュールが伸びたとしても動かせる組織が成り立っていないからである。コンテ決定稿と設定が揃っていれば演打ち後作打ちを済ませれば作画インは可能な段取りだが、制作側は「アニメーターはコンテの決定稿でないと判断してくれない」と言う固定概念により、

2017-08-26 19:46:41
柳沼和良 @yaginuma_san

それまでは基本的にアニメーターに声掛けは一切しない。そのため、作打ち後も他作品に追われているので作画インが中々出来ずスケジュールが圧迫する。そこで制作側が自作品の波に乗らせる追っかけをすればいいが、失敗すると別作品の割り込みにより一向に上がらず仕舞いになる。

2017-08-26 19:47:05
柳沼和良 @yaginuma_san

⑪■上記の補足にはなるが、声掛けをする際に制作側は割り振り表を作成しカットを捌いていくが彼ら彼女らの埋め方は「誰で埋めよう」ではなく「とにかく埋めよう」と言う考えたである。

2017-08-26 19:48:03
柳沼和良 @yaginuma_san

これによって、アニメーターの業界歴(どんな作品をやっているのか、原画や作監など専門セクション)についても特に考える事もなく連絡する制作もいる。

2017-08-26 19:48:32
柳沼和良 @yaginuma_san

⑫■話は戻るが、その様な事故カットを防いでくれるが演出・作画監である。

2017-08-26 19:49:02
柳沼和良 @yaginuma_san

⑬■演出についてですが、大概フリーでやっていてどの作品もスケジュールが狂うためと月額収入の安定の為2~3作品を掛け持ちをしなければならない。

2017-08-26 19:49:50
柳沼和良 @yaginuma_san

しかも、演出は監督同様にイベント事は多いので中々カットを見る暇がない。なのでここでもスケジュールが遅れる。ただ、演出は元制作進行が多いので制作側のオーダーを聞いてくれる事も多い。

2017-08-26 19:50:04
柳沼和良 @yaginuma_san

⑭■作監が一番の問題になる。現在、1話数の作監は2人である。何故なら、全パート見れる余裕のある作監がいないからである。これは何故か。他作品のスケジュールは圧迫しているからである。この一番圧迫している原因が、制作側にある事は制作側が理解していないからです。

2017-08-26 19:54:25