原子力損害賠償制度に関わる議論の経緯 tnihei さんによるまとめ

Takafumi Nihei (@tnihei) さんが、立法当時まで遡って、これまでの原子力損害賠償法・制度に関わる答弁、議論の経緯を丁寧に調べて頂いております。非常に参考になるため、ご本人の了解の下、まとめてみました。 ご興味ある方はこちらも。→ http://togetter.com/li/114221
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tnihei @tnihei

子力損害が異常に巨大な天災地変等によって生じたため、原子力事業者が損害賠償の責任を負わないような場合におきましても、政府は、原子力損害の被災者の救助や被害の拡大防止のために必要な措置を講ずるものとして、住民の不安を取り除くことといたしております…

2011-03-31 18:26:53
tnihei @tnihei

原子力損害賠償補償契約に関する法律海外保険市場に再保険している関係…ギャップを埋め、被害者保護に遺憾なきを期し、かつ原子力事業の健全な発達に資する見地から原子力事業者と補償契約を締結し、民間の責任保険によっては埋めることのできない原子力損害について、これを補償する制度

2011-03-31 18:27:02
tnihei @tnihei

第38回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第9号。「異常に巨大な天災地変」の想定する対象及びその判定の主体や16条の趣旨等について、池田正之輔国務大臣(科学技術庁長官)と杠文吉政府委員(科学技術庁原子力局長)による答弁があります。 http://bit.ly/hYfjWK

2011-03-31 18:59:21
tnihei @tnihei

…齋藤憲三委員:…大震災のごとき地震より以上の地震。地震にたとえてみれば、そういう地震というものを巨大な天災地変と考える…今まで日本なら日本に発生した天災地変というものは損害賠償の対象になる今までレコードになかったものが発生した場合には損害賠償の対象外に置く、こういう考えですか

2011-03-31 18:59:25
tnihei @tnihei

…杠政府委員:…関東大地震よりも多少とも出ればというようなふうにわれわれは考えておりませんで、実に想像を絶すると申しましょうか関東大地震の二倍ないし三倍の地震に耐え得るという非常な安全度をとっておるそれさえももっと飛び越えるような大きな地震というふうにお考えいただけば…

2011-03-31 18:59:29
tnihei @tnihei

…齋藤委員:…そういう判定は一体どこでやるのです。杠政府委員:…異議がございました場合には、御承知の通りに、裁判所に訴えて解釈を統一するというようなこともあろうかと思うのでありますが、第一次的には、この法律を所管しておる行政庁の科学技術庁が判定するということに相なろうかと思います

2011-03-31 18:59:32
tnihei @tnihei

…もちろん、異常に巨大な天災地変の判定におきましても、原子力委員会というものはノー・タッチではない、やはり意見書は出すというように考えております…異常に巨大な天災地変であったかどうかというようなことについての紛争…紛争審査会に関与してもらうということは当然の措置ではなかろうか…

2011-03-31 18:59:36
tnihei @tnihei

…齋藤委員:…損害の状況により、及び原子力事業者の資力ないしは立場というようなものを考え…適切な道を講じて、原子力事業者も立っていく…被害者も一人としてこの原子力災害によって恨みを残すとか、泣き寝入りをするというようなことがないようにしてやるという立法精神を盛ったものではないか…

2011-03-31 18:59:41
tnihei @tnihei

…池田国務大臣:…政府の援助は、この法律の目的、すなわち、被害者の保護をはかり、また、原子力事業者の健全な発達に資するために必要な場合には必ず行なうものとする趣旨…従って、一人の被害者も泣き寝入りさせることなく、また、原子力事業者の経営を脅かさせないというのが、この立法の趣旨…

2011-03-31 18:59:47
tnihei @tnihei

第38回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第12号。賠償措置額を超える損害が発生した場合を国家補償の対象とせずに事業者への援助に留めたのは大蔵当局との相談結果による旨の有沢広巳説明員(原子力委員会委員)の答弁があります。 http://bit.ly/gNcTWs

2011-03-31 23:21:26
tnihei @tnihei

…有沢説明員:…損害が五十億円以上に上った場合に、それでは一体どうなるか…法案の建前から申しますと、一応全部原子力事業春が第三者に対する責任を引き受けていくことに相なる…五十億円以上の規模の損害ということになりますと、これはそうそう起こり得ないとも言えるのでありますけれども

2011-03-31 23:21:35
tnihei @tnihei

…その五十億円以上の損害が起こった場合に、これを原子力事業者の責任であると言い切ってしまっておいたのでは、原子力事業は成り立たないようなことに相なろうと思います…本来ならば五十億円以上というふうな損害が発生した場合には、国家がこれを補償してくれれば一等いいわけでございますが…

2011-03-31 23:21:44
tnihei @tnihei

何もかも、いつも国家におんぶするということ一点張りで考えるのもいかがなものか大蔵当局ともいろいろ御相談…五十億円以上の損害につきましては、国家が原子力発電専業の発達を考えて、また、損害状況をも考えて、原子力事業者が大きく負担しておる責任を緩和するために政府の方で何らかの援助

2011-03-31 23:21:51
tnihei @tnihei

第38回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第14号。参考人として我妻榮先生(原子力委員会原子力災害補償専門部会長)が答弁されていて読み応えあります。国家補償と紛争審査会の位置付けが答申から後退したことについてのコメントも興味深い。 http://bit.ly/ihZnIr

2011-03-31 23:51:56
tnihei @tnihei

…我妻参考人:…原子力事業者に、いわゆる無過失責任を負わせて、原子力事故から生ずる災害について、事業者が故意または過失がなくとも責任を負うという無過失責任を骨子…はかり知ることのできない大きな災害を必然的に含んでいる企業を国家が許してやらせる以上は、無過失責任を事業者に負担さし…

2011-03-31 23:52:00
tnihei @tnihei

…一方の端には、私の企業がそういう災害を起こした場合には、その損害は企業の責任とすればそれでいい…国家がその企業の重要度に応じてそれを助けていかなければ…最後には、それでは私の企業にしておくことがおかしいということになって、これは国家の経営に移すべきじゃないか、国営事業になる

2011-03-31 23:52:05
tnihei @tnihei

私企業というものを正面に立てて、そして、それに責任を負わせて、ただ、それでは私企業が責任を背負い切れないことがあるだろう、あるいはそれを背負っては企業がつぶれることがあるだろうという場合に、国家がそれを直接間接に支援していこう、そういう骨組みになっておるわけであります…

2011-03-31 23:52:08
tnihei @tnihei

…原則として、すべて企業者が責任を負う。ただ、異常かつ巨大な戦争というようなもの、あるいは異常かつ巨大な自然の災害、ちょっと予想のつかないようなものが原因となっているときを除いては、すべて事業者が、いわゆる青天井で、その生ずる損害がいかに大きなものになっても責任を負う

2011-03-31 23:52:12
tnihei @tnihei

…ですから、きわめて異常な場合は責任を負わない。これは非常にわずかな場合であろう、あるいはほとんど生じないだろうと考えられる場合は責任を負いません。しかし、それからあと、大きな幅の損害は、その災害が幾ら大きくなっても常に青天井で責任を負う、これが骨子であります…

2011-03-31 23:52:17
tnihei @tnihei

五十億をこえる場合は援助するということになって、契約上の義務あるいは法律上の義務にはなっておりません国家がはたして被害者に損害をかけないような、泣き寝入りさせないような措置をとるかどうかまさに政府の仕事であり、さらには国会の仕事…十分に運用なされば不都合は生じないだろう…

2011-03-31 23:52:21
tnihei @tnihei

理論的に見てすっきりしない点があるということは遺憾に思いますけれども、しかし、運用よろしきを得て、また、運用よろしきを得るようにいろいろ苦心した条文が入っておりますから、それらの条文を手がかりとして、最後には、政府及び国会の良識によって不都合を生じないであろう

2011-03-31 23:52:26
tnihei @tnihei

三条一項のただし書き…無過失責任というのは、企業者は、従来、過失がなければ責任を負わなかったのに、今度は、過失の有無を問わず責任を負うというふうにだんだん変わって参りますときに、過失がなくても責任を負うといっても、そこに、おのずから限度があるはずだろう

2011-03-31 23:52:31
tnihei @tnihei

私企業の中で責任を負うという限りにおいて企業者に無過失責任を負わせる、それを国がささえる十六条や十七条でカバ理論的に申しますと非常に弱くなる五十億以上になると、国は国会によってそれをきめるのであって、義務にはなっていない異常かつ巨大なところも、何人も義務は負っていない

2011-03-31 23:52:36
tnihei @tnihei

…田中武夫委員:…「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱」ということは、俗に言う不可抗力よりかもつと範囲の狭いものですね。我妻参考人:おっしゃる通りです。不可抗力という言葉にもずいぶんいろいろ議論があるようですけれども、超不可抗力ということなんですね。ほとんど発生しないだろう

2011-03-31 23:52:40
tnihei @tnihei

無過失責任は私企業の責任を中心として発達したものですから、いかに無過失責任を負わせるにしても、人類の予想していないような大きなものが生じたときには責任がないといっておかなくちゃ、つじつまが合わないじゃないか、そういう考えが出てくるだろうと私は解釈しております…

2011-03-31 23:52:44
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