『兵站・ロジステイックス (Logistics) と震災の危機対応』 内田樹先生 (@levinassien) のツイート。 2011-03-23 07:41~07:58
おはようございます。昨日言い忘れたことのひとつを思い出しました。logistics のこと。兵站学。本義は「輸送、宿営、糧食、武器、人馬の補給管理、傷病者の処置などに関する軍事科学の一分野」。日本陸軍は伝統的に兵站を軽視したことで知られています。
2011-03-23 07:41:40司馬遼太郎が書いていましたが、日露戦争のとき、兵士は数日分の食糧しか持たされず前線へ送られたそうです。「あとは現地で調達(強奪)せよ」ということです。伝統的に日本陸軍はそうだった。今回の震災の危機管理を見て、「これは日本陸軍だ」と思いました。
2011-03-23 07:44:15「輜重輸卒が兵隊ならば 蝶々トンボも鳥のうち」という戯れ歌のうちに大日本帝国戦争指導部の兵站軽視は反映していますが、同じことが今も続いている。前線の「兵士」の活躍は大きく報じるけれど、それを支える兵站の仕事を高く評価する習慣はない。だから、みんな「兵士」になりたがる。
2011-03-23 07:49:31震災の危機対応の中で、logisticsは最優先の課題であるはずです。本来なら国家戦略局がその任に当たるべきなのでしょうが、それが機能しているように見えない。仙谷さんが官房副長官に入ったのは、たぶんその「誰もやらない」仕事を委託されてのことでしょう。
2011-03-23 07:52:38兵站を管理するためには「豪腕」が要ります。「豪腕」というのは、なにも現場に行って職員を怒鳴りつけることではありません。「無理が通る」ということです。「ルールの弾力的運用を求められる」ということです。もちろん法的な裏づけが第一には必要なのですけれども、それ以上に必要なのは
2011-03-23 07:53:58さまざまなセクションに横断的に「assets」を有しているということです。個人的な信頼関係です。「この人の頼みじゃ断れないよ」と思う人間を、枢要なポジションに網羅的に配備していること。それが「豪腕」の本質です。
2011-03-23 07:56:32兵站の仕事はですから危機対応ではない。危機の到来に先んじて、assets の形成に長い時間と手間暇をかけてきた人間だけがこの任に当たることができる。そういうタイプの政治家や行政官を重用することを怠ってきたことをもう少し重く受け止めるべきでしょう。
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